ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（9月21日放送）にジャーナリスト・東海大学教授の末延吉正が出演。3選を果たした安倍政権の今後と憲法改正について解説した。

安倍政権、今後のポイントは

総裁選が終わり、今後の大きな焦点となる憲法改正。昨日の夕方6時から安倍総理が会見を行っており、憲法改正についてもコメントした。

安倍総理大臣）憲法改正は正に自由民主党結党以来の大きな目標、党是と言っても良いと思います。そこで今回も総裁選挙の最大の争点であったと思います。推進本部の議論を経て、党大会で報告された条文イメージの上に、次の国会に改正案を提出できるように党を挙げて取り組むべきと申し上げて参りました。党として改正案を国会提出に向けて、幅広い合意が得られるように、その際には友党の公明党との調整を行いたいと思います。

飯田）今後についてですが、メールも頂いていまして、“堀江”さん、日野市の54歳の方から「憲法改正は今後どうなるのだろう」と頂きました。改憲について意欲を語ったのですが、まず国会が発議しなければならないと。

末延）今度貰った任期3年のうちに挑戦したい、それから友党公明党とよく話したい。ポイントは憲政史上最長不倒の来年の11月に行くには、来年夏の政治決戦、参議院選挙ですよ。この前に公明党も一気に改憲まで行ってしまうと支持団体がもたない。安倍さんも「1つの国会で通ると思っていない」と言っています。だから秋に出すように党内をまとめていきながら、3年の間に決めるというものではないですか。
恐らく勝負どころは、参議院選の後になる可能性がある。この参議院選、かなり分が悪いと思うのです。今回自民党の人が安倍1強とあまり言われるから、お灸を据えるという意味で石破さんに入れたでしょう。今度はみんな投票できる、でも政権交代ではないからお灸を据えて負けるのがいつものパターンなのですよ。それに勝つためには、憲法は推進力として掲げるけれど、実際には参議院選の後に勝負となると思います。
来年の5月には天皇陛下も退位されて代替わりがあるし、時代が動くので、3年のなかでやると見ておけば良い。問題は、そこへ向けてどういう人事をするかということになります。

人事の骨格はこれまでと変わらず～石破氏を配慮する余裕はない

飯田）麻生、菅、二階留任という風に産経は書いていますね。

末延）昨日、安倍さんに電話取材をしましたが、だいたい良いところではないかなというのが僕の感触ですね。

飯田）やっぱり骨格は変わらずにやっていくという感じですか。

末延）安全保障もアベノミクスのマクロ経済も、これから最後の実を上げなければいけないのですが、大きな失敗をしているわけではない。しかもこれだけの圧勝をした後で支えてきた3本柱は動かさないし、加えて非常に流暢な英語で頑張っている河野外務大臣、昨日早速安倍さんと打ち合わせをしていて、来週アメリカと打ち合わせをやる経済再生担当大臣の茂木さん、それからロシアを担当している世耕経済産業大臣、この辺りも変わらないのですよ。もちろん二階幹事長も変わらない。そうすると、挙党体制などと新聞はいろいろ言うけれど、圧勝した人を充てられるポストが8つくらいしかないでしょう。

飯田）どんどん椅子の数が減っていますね。

末延）これから人事は大変だと思いますよ。

飯田）推した5派をなんとかなだめるだけでも大変ですね。

末延）派閥はもう関係無いでしょうから、そうすると石破さんや、石破さんについた竹下さんに配慮をする余裕はないでしょう。そういった意思は無いのではないでしょうか。

飯田浩司のOK! Cozy up！
FM93AM1242ニッポン放送　月-金　6:00-8:00