いよいよ佳境に入ってきた女子ソフトボールリーグですが、今年は、大混戦。
この原稿を書いている10月1日の時点で、決勝トーナメントに進出できる、リーグ戦4位までの椅子を、8チームが争っています。
特に熾烈なのは、3位4位争い。この2つの椅子を、戸田中央総合病院、豊田自動織機、デンソー、SGホールディングス、太陽誘電、シオノギ製薬の6チームが争っています(10/1時点)。そしてそのなかに、一昨年、昨年と2年連続で2位になった太陽誘電がいます。
誰もが驚いた開幕3連敗、なかなか勝ち越せない前半戦。なぜここまで不調だったのか、そして後半戦の巻き返し、決勝トーナメントへの想いなどを、太陽誘電・佐藤みなみキャプテンに聞きました(9/13にインタビューを行った為、現在の成績と違う場合があります)。
太陽誘電ソルフィーユ 背番号10 佐藤みなみ(さとう みなみ)
1989.12.12年生まれ 身長159cm 右投右打 キャプテン
一昨年は、決勝戦でトヨタ自動車に敗れ2位、昨年は決勝戦でビックカメラに敗れ2位。
2年連続で2位に終わった太陽誘電。
今年のリーグ戦は、誰もが上位での戦いをすると思っていましたが、後半戦・7節を終えた時点で、7勝8敗の7位。後半戦の巻き返しについて聞いてみました。
■私達は、去年のままの攻め方をしてしまった…
- 後半戦も4試合を終えましたが、ここまでの出来はどうですか?
「そうですね。前半戦は、投打があまり噛み合っていなくて、点を取った時に、打たれてしまったりしていたのですが、後半戦は、徐々に噛み合ってきているんじゃないかなと思うのと、(9/22の)高崎大会のときには、大垣ミナモ戦で、9対0と大量得点をする事が出来て、若い子達も出場する機会が増えて行ったので、これからも、こういう試合展開が出来ればいいなと思っています。」
- 前半戦(5勝6敗で折り返し、開幕3連敗など)の反省点はどんなところですか?
「去年と違うのは、やっぱり点をとられている。失点が多いという事なんですけど、それに関しては、藤田投手と私が、冬場にあんまり組んで練習が出来ていなかった、それで、他のチームが、しっかり対策を練ってきているなか、私達は、去年のままの攻め方、打ち取り方をしてしまったんです。バッタ―が待ち構えている所に投げて打たれてしまう。そんな事があったので、そこが反省点かなと思っています。」
- 今シーズン、どんな戦い方を想像していましたか?
「2年連続の2位という事で、もちろん優勝を目標で練習をやって来たんですけど、まずは、リーグ戦を1位か2位で終えて、決勝トーナメントに進出する。そして、その決勝トーナメントの最初の試合に勝つと、次の試合は決勝になるんです。そんな勝ち上がりをしたいと思っていました。
そこで負けたり、3位・4位からの進出では、試合数が1試合、多くなるんです。最多で3試合をしなければいけないんですけど、やっぱり3試合すると、体力的にもしんどい。昨年は3位、一昨年は2位で決勝トーナメントに進出して、2日で3試合を行ったのですが、3試合目となるのが決勝戦で、ベストパフォーマンスでは戦えなかった。
そういう事もあったので、やっぱり1位か2位で通過して、決勝トーナメントの初戦を勝って、相手が決まるのを待つという勝ち方が、優勝に近づけるのではないかと感じたので、それを目標にしていました。」
- 今年は、3位以下が大混戦になっていますが、佐藤選手は、どうして混戦になっていると思いますか?
「う~ん、そうですね。どのチームも打撃の面で凄く打つようになっているなと感じます。自分達のチーム(太陽誘電)が打たれているだけじゃなくて、各チーム、外国人ピッチャーに対しても打ち負けなかったり、大量得点をしたり、そういう打撃が良くなったチームが、凄く多くなったなと感じます。
狙ったボールに対して、迷いがなく(バットが)振れている。力強いスイングが出来ているという事が、やっぱり気になります。キャッチャーとしては、強く振られる事って、凄い嫌なんです。」
- 太陽誘電はどうですか?
「前半戦は、点はとれているけど、とられてしまう事も多かったんじゃないかなと思っています。ただ、先日の高崎大会の大垣ミナモ戦では、大量得点をとれました。打撃の方は、そんなに悪い流れにはなっていないので、このまま続いていけるようにやっていきたいと思います。」
■藤田投手は調子が悪いとか、そういう事ではない…
- 現在の状況だと、3位、4位争いを勝ち抜くのが目標だと思いますが、この後、もう少し直していきたいところはありますか?
「まあ今シーズンは、ちょっと藤田投手が打たれている分、尾崎投手が白星をあげたりしているので、この2人のピッチャーを中心に、最少失点に抑えて、勝っていけたらいいなと思っています。」
- 藤田投手の話が出ていましたが、今年の藤田投手は、開幕3連敗をしたり、勝利が続かなかったりと、なかなか白星がつきませんが、今年の出来はどうなんですか?
「本当に調子が悪いとか、ボールがどうと言うわけではなくて、相手チームが対策してきているなかで、自分達が攻め方を変え切れなかった。そこが一番大きな問題かなと感じているので、調子が悪いとか、そういう事ではないですね。」
- では後半戦は、試合をしながら、相手の対策を崩していこうと
「相手の対策に対してアクションするのではなく、こちらから仕掛けていける事が出来たら、よりゼロに抑えられるのではないかなと感じています。」
- 今年は、尾崎投手が頑張っています。昨年の成績(4勝1敗)に、今年は、もう並びました、尾崎投手はどんな投手ですか?
「もともと(相手の打線を)抑えられる力はあると、自分も感じていました。昨年の4勝と言うのも、藤田投手の調子が良くて、打たれなかった分、尾崎投手の投げる回数が少なくなったという感じです。だから、昨年は、投げるチャンスが少なかっただけだと思います。
今年は新しい球種を覚えたので、それが尾崎投手の強みにもなっていると思うし、リズム良く打ち取る事が出来て、勝ち星に繋がっているんじゃないかなと思っています。」
■大事な場面で打てるように…
- 個人的な調子はどうですか?
「そうですね。数字(打率0.115 86位 *10/3現在)をみてもらったらわかると思いますけど、良くないですね(苦笑)。」
- 残り試合も少ないですが、個人的な目標はなんですか?
「そうですね。打率の方では凄く低いので、そこをこだわるというよりは、やっぱりチームが勝つ為に必要な、打点や出塁率という部分で貢献できると思うので、そこをこだわっていきたいと思います。いつ打つかというよりも、大事な場面で打てるようにやっていきたいと思います。」
■オリンピックに出たい! という想いで…
- 佐藤選手が、ソフトボールを始めたキッカケはなんですか?
「兄が野球をやっていて、私も小学校3年の時に、少年野球を始めました。中学のときに、女子野球がなかったので、そこからソフトボールに転向をしました。」
-小さい頃は、野球の選手とか、好きな選手はいたのですか?
「ん~。小さい頃は、漠然と野球をやっていたので。ただ、『オリンピックに出たい!』という想いでやって来ました。」
-オリンピックは、やっぱりモチベーションになりましたか?
「そうですね。そこがいちばんの目標でやっていましたね。」
-この行われた世界選手権とか、佐藤選手も見ていたと思うのですが、どう感じました?
「そうですね。これまで代表に入っていたので気が付かなかったのですが、今回、応援してくれる皆さんの一体感。日本でやっているから余計に、『上野コール』だったり、『日本コール』が凄かったし、《みんなが凄い応援してくれているんだな》と感じました。」
■後は勝つだけ…
- 残り3節。直接対決あり、相手の勝敗あり、さらに、連勝をしないと苦しいと思いますが?
「そうですね。とりあえずウチ(太陽誘電)は、(1位の)トヨタ自動車、(2位の)ビックカメラとの対戦は終わっているので、後は勝つだけ! と、みんなで話しています。ここからやってやろう! って」
- このインタビューを聞いて、興味を持った人へメッセージを
「残りの試合は、決勝トーナメントに向けての大事な試合になって来ると思うので、選手全員で、太陽誘電らしく、最後まで戦って行きたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。」
*写真はチームからお借りしました。
太陽誘電ソルフィーユ https://www.yuden.co.jp/jp/company/softball/
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(よこいみちひと)