消費税増税は3月31日がターニングポイント

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月24日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。昨日発表された10月の月例経済報告について解説した。

10月の月例経済報告、景気判断は穏やかに回復で据え置き

政府は昨日、10月の月例経済報告を発表し、国内の景気判断を穏やかに回復していると据え置いた。同様の表現は今年1月以来10ヶ月連続で、輸出に関する判断は自然災害や中国経済の減速などを背景に、2ヶ月ぶりに下方修正している。

飯田)足元の景気について、メールもいただいています。“髪は短い友達”さん、「ガソリン代が160円を超えました。価格の半分は税金ですよね。これで消費税が上がったらどうなることか」。月例経済報告は穏やかに回復と、これはずっと続いていますが。

高橋)消費税はまだ最終決定ではないです。この間、閣議で話がありましたけれども、本当に最終ならあのとき安倍さんが出てくるのです。でも代理で菅さんが話したでしょう。最終決定はいつになるかと言うと、来年の4月くらいだと思いますよ。消費税を上げることは来年度の予算に組み込まれていて、3月31日まで予算が成立しないから、消費税の話は予定通りとしか言いようがない。でも4月以降は分からないですよね。

飯田)予算が成立した後。

高橋)それに5月からは新しい年号になる。となれば、4月の間に何かあっても不思議ではないなと思うのが政治の見方です。

3月31日がターニングポイント

飯田)そうすると、10月に予定されている増税の半年前。

高橋)半年あって、4月に参議院選挙があるから、4月くらいにものを喋りやすくなるのですよね。喋らなければそのまま増税です。そうなると、参院選は自民党が負けるかもしれないという予想もあります。政治家がどう判断するのか。

飯田)しかもその前哨戦として、4月には統一地方選挙。

高橋)統一地方選挙の前には何か言わないと少しマズいのではないかとか。

飯田)その辺りになると、何となくの情勢が見えて来る。

高橋)ただ、3月31日までは予定通りと言っていますから、君子豹変するとすれば4月です。

飯田)いま衆参で自民党のマジョリティを、自公で過半数以上取っていますので、予算の成立も年内。3月31日までかからないのではと言われていますね。

高橋)かからなくても、多分執行するまでは黙っていますよ。

飯田)そうすると、ちょうど3月31日がターニングポイントになると。

高橋)そして統一地方選挙の前くらいに言いやすいという環境です。新しい時代に「増税します」というのは、なかなか雰囲気として、政治家としてどこまで言えるのか。参議院選挙以前に、景気が悪くなってデフレを脱却できないとか、そういう話が出てくると思いますけれどね。

飯田)そう考えると、1ドルが100円をきっていたような、失業率も高止まりしていたあの時代に戻るのかというのがね。

雇用について全く考えていない中央銀行総裁

高橋)そうなると最近、日銀の白川前総裁が本を出して、700ページの分厚い本ですけれども、面白いから読みまくって付箋付けまくりですよ。

飯田)読みまくりですか。

高橋)読みまくって、付箋付けまくって、誤りの箇所もものすごくあるという感じです。

飯田)どうですか、一番ムムッとなったところは?

高橋)雇用について全く考えていない人だろうなということはよく分かりました。雇用のこの字も出てこない。はっきり言って、中央銀行総裁としては落第点です。雇用を考えない中央銀行総裁はあり得ない。

飯田)アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)は、政策目標に雇用も入っていますよね。

高橋)物価のことを言うときに、裏側に雇用が入っているのは常識なので。だからどこの国の中央銀行だって、みんな雇用の話をするのですよ。別に目標があるかどうかは関係ないのですけれど、白川さんの本には一切雇用が出てこない。

飯田)そして、リーマンショックを白川体制の下で迎えました。

高橋)平気な顔して「あれはよかった」というようなことが書いてあります。各国が金融緩和をこぞってやったなか、日本はしなかったのです。それが結果的に円高になるのですよ。各国が金融緩和をして、日本がしなければ円高になるのは理論的に明らかなのですがね。

飯田)各国のお札の量が増えていくなかで、日本だけが増えなかった。

高橋)日本だけ相対的に少なくなる。相対的に少なくなったものは希少性が出るから、価値が高くて円高です。経済学のイロハのイですが、それが「良かった」なんて。なぜ各国が金融緩和をするかと言うと、リーマンショックで失業率が高くなるからですよ。日本は失業率の話なんか気にしないからそのままです。それで超円高になって、輸出企業の人はすごく苦しみましたよね。

飯田)あの当時は苦しみ抜いて、結局中国や他の国に、生産拠点ごと移さざるを得ない。それでますます失業率が高くなる。

高橋)だから、「雇用を考えない人の経済政策ってこんなものなのかな」という感じでしたね。どこの経済政策でも、特に中央銀行は雇用を考えないと駄目なのに、一切出てこない。


失業率が下がって賃金が上がってきている

飯田)いま失業率は下がって来ていますが、なかなか物価まで点火しないという、怖いことが続いていますね。

高橋)2%前半が少し続くと賃上げし出して、名目でも実質でも少しずつ上がってきています。その後に物価が動くのですよ。いま少し弱いですが、方向は間違っていないから。少なくとも前の白川さんは方向が間違っていたので、それよりは良いというレベルですがね。

飯田)物価が上がっていないから、「アベノミクスそのものが失敗だったのではないか」と批判する向きもありますが。

高橋)失業率が下がれば大体は良いのです。

飯田)失業率が下がって賃金が上がってきている、そのなかで物価が上がらないのだったら、良いじゃないと(笑)。

高橋)そういう評価もできるのですよ。失業率が下がって賃金が上がって、物価が上がらないのはいちばん良いとも言える。いままで経営者の方が取り過ぎていたから、この状況は少し続くと思います。雇用が良くて、賃金が上がれば別にいいのですよ。

飯田)ただ正社員で言うと、硬直性が高いから難しい。

高橋)でも正社員の有効求人倍率も高いですよね。1を超えている。だからこれは正社員が転職するチャンスです、転職すれば給料が上がりますから。そういう人が多くないと、なかなか給料も上がりにくいのですが。

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