東証障害~現システムのままでは必ず再発する

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月18日放送)に青山繫晴(自由民主党・参議院議員)が出演。東京証券取引所で9日に起きた東証システム障害について解説した。

東証システム障害~事後補償の件数は10万件規模に

東京証券取引所で9日に発生した、株式取引のシステム障害を巡り、証券会社が本来であれば成立していたはずの売買注文を事後補償することが分かった。対象件数は10万件規模に上る。

飯田)これに関して、日経新聞と読売新聞が1面トップで報じています。「結局どちらが悪いのか」と証券会社と東証が対立しているようです。東京証券取引所は「他にもいくつかバックアップサーバーを用意していたのに、切り替えなかった」と主張。証券会社側は「切り替え先も不安定だったから、切り替えられなかった」、「そもそも直前すぎて切り替えられなかった」と言っているようです。

青山)お互い、ほとんど同じことを言っている感じですね。システム障害自体は、規模の大小は別にして避けられないことです。

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取引がほとんど機械化~不安定な機材を使うことの影響

青山)本当の背景は、東京証券取引所の取引が、ほとんど機械化されてしまっていることです。この間の世界同時株安も、東証だけでなく世界中のマーケットで証券マンがやっていたのではありません。AI程の能力がない機械が勝手に売って、勝手に買うのです。機械がどんどん売りを行うと、証券マンも手が着けられない勢いで下がって行きます。

飯田)「売りが売りを呼ぶ」というヤツですね。

青山)本来は人間の心理を表した格言ですけれどね(笑)。いまやシステム障害まで行かなくても、事実上機械が持っている障害のような形で、あれだけの損失を出すのです。だから、いま東証と証券会社が言い合っているのは、実は同じ土俵で同じことをやっているところがある。「この不安定な機材のまま、機械まかせでいいのか?」ということを考えた方がいいと思います。

AI導入を進めていかなければ再び障害は発生する

青山)世界同時株安はとりあえず回復していますが、みんな逆に慣れてしまっています。
私は政治部を担当する前は経済記者でした。経済記者は1年間、証券取引所で資本主義や株式について学ぶのですが、そこの人たちも「いまは機械が売ってしまう」という話になっていて、「それから、どうなるの?」という部分をいい加減どうにかしないといけない。
機械化自体は元に戻らないから、AIを先進的に取り入れて行くしかない。現システムのままでは必ず障害が発生します。

飯田)超高速取引。1秒未満の単位で売買を行うわけですよね。

青山)根拠無くやった場合です。

飯田)指標の数字が少し動くと売買を勝手に判断してしまう。

青山)もう1段奥にある背景、売買が儲けの元になっていますからね。「売り買いが激しい」が実は儲けですから。いくらベテランでも、人間が1秒でその判断をできるわけがない。それを「機械が勝手にやってしまう方が儲かる」という発想が、ちょうど私が証券記者だった頃に始まり、その後ロケットが打ち上がるように、ずっとそれへ向けて、東証も証券マンもみんな走ってきたのです。

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