太陽光発電出力制御~意外と知られていない発電所の出力を止める順番

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月15日放送)ジャーナリストの須田慎一郎が出演。太陽光発電出力制御のニュースから日本の発電システムについて解説した。

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13日に行う太陽光発電の出力制御について説明する九州電力の和仁寛・電力輸送本部部長=2018年10月12日、福岡市 写真提供:時事通信

太陽光発電出力制御~離島以外での大規模制御は全国初

太陽光発電が、先週末九州で溢れそうになり、九州電力は一部の太陽光発電を一時停止する出力制御を実施した。離島以外での大規模な出力制御は全国初の出来事である。政府は再生可能エネルギーを将来の主力電源とする方針を掲げているが、大きな課題が浮き彫りになった。

飯田)一昨日の九州は晴天で、太陽光発電の容量は増えたのに対して、涼しくなってきたため、需要は下がった。このままでは需要と供給のバランスがとれなくなってしまう。電力が多すぎるのもダメなのですね。

須田)逆に北海道のブラックアウト(大停電)は供給が少なすぎて周波数が乱れ、停電しました。供給量はバランスを取らなければダメということですね。電力供給は非常に微妙で繊細で、難しい物なのです。

飯田)ここ1カ月で、それを思い知った気がします。

火力→揚水→バイオマス→太陽光・風力→原子力・水力・地熱の順に発電を止めていく

須田)太陽光発電を、これを機に駆逐しようとか、やり玉にあげて電力会社が意地悪しているとか、そういうことではありません。出力を抑える順番です。どこの発電所から出力を抑えて、発電を止めていくのか。国のルールがあるのです。
いちばん最初の第1ステップは、火力発電や揚水発電の抑制です。

飯田)夜間にダムに水を吸い上げて、昼に供給する発電方法ですね。

須田)2ステップ目は「電力が余った場合、他地域へ送電する」です。そして3ステップ目は、「バイオマス発電抑制」です。ようやく4番目のステップに「太陽光・風力発電の一時停止」があるのです。

飯田)いきなりではないのですね。

須田)最終的に、「原子力・水力・地熱発電の抑制」へつながっていくのです。

太陽光発電は供給過多の状態になっている

須田)なぜこの仕組みになっているのか。「ベースロード電源」という言葉があります。「1度発電開始すると、なかなか止めるのが難しい、だけど発電コストは安い」というのを基幹電源として使うケースが多いのです。普通は原子力や火力が使われます。
むしろ、天候に左右される太陽光発電などの再生可能エネルギーは、ベースロード電源になりにくい側面があります。その意味では今後、「ベースロード電源をどのような形で構築していくのか」と「太陽光発電のバランス」が大切になって来るのではないでしょうか。現在は原子力に対して、非常に後ろ向きというか、なかなか発電できない状況になっていますよね。すると、火力をいちばん最初に持ってきてしまう場合。出力を抑える順番の第1ステップに火力を持ってきてしまうと、「いったいどうすればいいの!」ということになりますからね。

飯田)予想以上に発電量が振れた場合、対応できない。その余力がある意味、火力を下げるのは薄くなるということですよね。

須田)本来ならいちばん最初に水力を持ってくるべきなのですが、そこを火力にしてしまったため、いまの電力会社はけっこう負担が大きくなって来ている状況があるのです。

飯田)太陽光も、かなり普及しましたよね。その影響が徐々に出てしまっているのでしょうか?

須田)全量買取で一気に普及したのはいいのですが、あまりにも供給過多になっているのは間違いないと思います。

http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/qa_syuturyokuseigyo.html
↑電力を止める順番を書いてある資源エネルギー庁の公式HP

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