臨時国会本日閉幕~強行採決へのセレモニー演出のみに終わった野党

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月10日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。会期末を迎える臨時国会の内容について解説した。

国会 出入国管理法 改正案 入管難民法 安倍 審議 採決 強行 マスコミ 報道

政治 参院法務委員会で出入国管理法改正案の採決が行われ横山信一委員長へ詰め寄る与野党議員ら=2018年12月8日未明、国会・参院第23委員会室 写真提供:産経新聞社

きょう臨時国会会期末~改正入管難民法・補正予算・改正水道法が成立

きょう会期末を迎える臨時国会では、補正予算や改正水道法などが成立したが、なかでも様々な課題を残したまま8日午前4時過ぎの参院本会議で可決したのが、改正出入国管理法(入管難民法)である。来年4月1日の施行に向けて、新しい制度の具体化はこれからであり、政府は受け入れの基本方針を今月下旬に閣議決定することになっている。

飯田)国会はいろいろありましたが閉幕となります。

須田)臨時国会ですから、48日間の非常に短い会期でしたが、いろいろな法案が成立しました。中身を見てみると、かなり充実した国会だったと思います。
いちばん注目を集めたのは改正出入国管理法の成立についてです。報道を見ていると「審議時間が短かった」ということに関してかなり批判が集まっていますが、報道している新聞社によって審議時間が「35時間」と「38時間」とされていて、ズレがあるのです。この3時間は、いわゆる「空回し」と言われています。審議時間を確保するために、政府側は答弁者がずらっと並んでいるのですが、野党が審議拒否をしている。つまり、野党の質問がないなかで、それも審議時間に含めることを「空回し」と言うのです。それが約3時間あったのです。それを含めるかどうかの差です。

国会 出入国管理法 改正案 入管難民法 安倍 審議 採決 強行 マスコミ 報道

政治 参院本会議で出入国管理法改正案について答弁を行う安倍晋三首相=2018年11月28日午後、国会 写真提供:産経新聞社

野党はどれだけ自分たちの主張を盛り込めるかについて考えるべきである

須田)「審議時間が短い」とか「拙速だ」という批判はありますが、「それを充実させるような、あるいは審議時間を確保するようなことを、果たして野党側はやったのかどうか?」という見方がなぜ出ないのか不思議です。勝手に拒否しておいて、最終的には強行採決に持って行くことをセレモニー的に演出していくわけです。ただ、これが強行採決だったか否かも意見が分かれるところです。野党のなかでも維新の会が修正案の協議にまわりましたからね。つまり「野党が一致して全部拒否したわけではないから、強行採決ではない」とする、政府与党側の主張もあるのです。そう考えると、これだけ衆参両院で与党が圧倒的勢力である以上いくら抵抗しても、民主主義の原理原則から成立するのだから、野党側も自分たちの主張をどれだけ盛り込めるかを、考えてみるべきだと思います。

飯田)国民民主党は対案路線に行きかけはするのですが、そこから野党各党の批判を浴びると、野党共闘に戻ります。対案路線はどちらからも突っ込まれるというか、厳しいのですかね?

須田)立憲民主党内部も、辻元清美国対委員長が「もっと激しく対立するべきだ!」というような吊し上げを食らったり、立憲民主党でも割れている状況です。すると、仮に選択肢として徹底抗戦を選んだ場合、国民民主党などの関係を考えると、それに他の野党が乗れるのかどうか。
ただ一方で、来年7月の参議院選挙が野党の頭のなかにチラ付いているのだと思います。

飯田)メディアも「反対!」と言っていると持ち上げるところがありますが、対案路線だと「野党共闘に乱れ」とか「国民民主党が足並みを乱している!」というような批判記事が出たりしますよね。

須田)現実を直視して、より良い法案にすることに舵を切るべきだと思います。結果的にこの外国人労働者の存在は、オールオアナッシングではないですからね。

飯田)そうですよね。それが熟議の国会のような気がします。

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