ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（11月16日放送）に外交評論家の宮家邦彦が出演。移民の受け入れ問題について解説した。

入管難民法、きょうから実質的な審議入り

今国会の目玉でもある入管難民法の改正についての審議が、法務委員会が立ち上がって本格的に始まる。

飯田）本会議で法律を審議するというのはもう決まっていて、きょうから法務委員会が立ち上がって本格的審議というところです。

宮家）入管難民法の改正ですが、外国人労働者の受け入れとかいろいろ言っているのだけれど、要するに広い意味で移民問題ですよね。日本は移民なんて反対論も強いと思うし、当然簡単ではないと思っています。だけどこの生産人口の減少によって100万200万人単位で不足が出て来ているのに、いままでの生活水準を維持する、最低限の経済成長をすることなどできないではないですか。そうなれば女性の活用と、外国人の受け入れしかないわけです。これはヨーロッパ諸国がみんな経験していることで、イギリス、フランス、ドイツとそれぞれやり方は違うのだけれど、1つだけ同じことは、みんな成功していないということです。移民問題、大量の外国人労働者の受け入れはものすごくインパクトがある。特にヨーロッパのように中東が近い国はそういう問題があり得る。

小さく実験的にやって試行錯誤するべき

宮家）日本だって、いまある伝統的な社会というもののなかに、大量の外国人が入って来る。そうすると、日本の生活を知らない、良い意味で異質なものが入って来る。それをどのように受け入れながら、伝統的な価値や文化を維持できるか。これがポイントなのです。それをいま議論しても意味がない。5年後に人口がどうなるかなど分からないし、募集しても労働者が来るか分からないのだから。魅力があれば来るし、なければ来ません。本当に大事な問題を考えずに、反対論のための反対をやっている気がしてなりません。だけどそんな議論ができるのかと言ったらできないでしょう。小さく実験的にやれるものからやって、試行錯誤して行くべきだと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up！
FM93AM1242ニッポン放送　月-金　6:00-8:00