入管法改正案~海外の例を踏まえて日本独自のものを作るべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月9日放送)に外交評論家・キャノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。出入国管理法改正案について解説した。

入管法改正案、自民党が13日の審議入りを提案

外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案について、自民党は昨日の衆議院議院運営委員会理事会で、13日の本会議で趣旨説明と質疑を行うことを提案した。一方野党側は、安倍総理出席の委員会審議が必要な、重要広範議案に指定するよう求め、きょうの理事会で引き続き協議することになっている。

飯田)もともとは昨日審議入りも、などと言われていたのですが延び延びになっている、入管難民法改正案です。

宮家)結局は移民政策との関連ですよ、移民とは言えないし。野党も拙速と言うのは良いのだけれど、ではこの日本の経済をどうするのだと言いたい。人口は増えない、けれど労働者は必要。自前でできなかったら、女性をもっと活用する。それでも足りなかったら、ヨーロッパでもアメリカでもそうですけれど、常に移民もしくは外国人労働者を入れる形でバランスを取って来た。日本がそういう政策を本気でやるべきなのかと言えば、それはやるべきなのでしょう。ただ問題は、ヨーロッパでも決して上手く行っていないということです。イギリスの例もフランスの例もドイツの例でも、社会に悪影響が及ぶ可能性がある。

飯田)みんなそれを心配しているわけですね。

宮家)当然ですよね。しかし、そのインパクトをゼロにすることはできませんから、いかに最小にするかということに知恵を出す。その1つの形が入管法の改正なのだと思います。良いか悪いかは議論をすべきであって、拙速かどうかではない。将来の日本の経済や社会を、どうすれば大きく変えずに成長させられるかという、建設的な議論をしなければなりません。これを入管法改正としか出せないのも、ちょっと変なのですよ。本来であれば、これが移民政策なのかどうかも含めしっかりと議論して、国民的なコンセンサス(合意)が無いとこの日本社会を維持、拡大できないところまで追い詰められていることに、危機感を持つべきだと思います。

飯田)いまのままでなし崩し的になると、ルール無しで入って来てしまうから問題だという指摘もありますよね。

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日本独自の練った政策が必要

宮家)そうです。ルールがあっても難しいのですからね。イギリス型は「どうぞ来てください。その代わりあなたは私たちと別々に住んでください」です。フランス型は「どうぞフランス人になってください。その代わりフランス語を喋ってくださいよ、そしてベールなんか被っちゃダメですよ」となる。こういう所属主義ですよ。いろいろなやり方がある。でもどれも成功していません。ですから日本には日本のやり方があって然るべきですが、それをどうやって定着させるか考えると難しいですね。しかし考えずにやれば必ず失敗します。そうならないようにという意味で「拙速だ」と言うのは分かるけれど、だったら対案を出してよ、ということです。対案を出して議論しないと、このままうやむやで法律が通ってしまえば、日本にとって禍根を残すことになると思います。

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