入管難民法の改正~今国会の議論に注目
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月2日放送)にジャーナリストの末延吉正が出演。国会で行われた入管難民法の改正の答弁について解説した。
日本で1年以上定住すると「移民」に~留学生含め約120万人が該当
現在国会では、衆院予算委員会で補正予算案の審議が行われている。昨日は、入管難民法の改正について議論が交わされた。
飯田)今国会の目玉と言われるのが、入管難民法の改正です。
末延)安倍政権は保守層の支持があるので、「移民」という言葉を政府は使いたくないのですよね。だけど国際機関の規定では、1年以上定住すると移民扱いになるのです。日本は年間40万人くらい、留学生を含めると120万人くらいの外国人が日本で働いている。この状況で、今度の法案は細かいですよね。技能労働者をもっと長くいられるようにするとか。この議論が憲法と同じく分かれるのであれば、法案を出すのを契機にメディアももっと積極的に討論の場を設定して、移民を受け入れるのか、日本の社会をどう成り立たせるのかを議論しなければいけない。
地方の労働力不足が顕著
末延)特に地方を回ると、中小の建設現場は働く人がいないのですよ。労働力は欲しいけれど、言葉やマナーの問題を含めて彼らの人権を、どうやって社会にアジャストするのかをもう少し丁寧にやらないと、日本人の偏見も含めてフリクションが起きてしまう。
昨日の答弁でも、6月までに4,000人以上が失踪しているという話題が出ました。中小の建設関係の社長さんに聞いたことがありますが、「資材やものを盗まれないように監視カメラみたいなものを付けて、もし動いたらスマホに連絡が来るようにセットしている」と言っていました。働く人の立場から見たら人権が保障されていないし、雇う側から見たら背に腹はかえられない。不信が不信を呼ぶ状況が既にある。だったらいっそ「移民」という言葉を正面に掲げて、国会はもちろんのこと国民の議論を始めて、法律については何年かに1度見直して上手く運用していくのが良いのではないでしょうか。憲法も大事ですが、大原則を取り払っていかなければいけない時期ですよね。
飯田)移民かそうじゃないかの入り口のところで、議論が止まってしまっている印象ですからね。
末延)レッテル貼りは意味が無いのですよ。必要としているけれど、認めたくないところもある。寛容な精神で、実質的な議論を始めて欲しいと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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