入管難民法~「多民族国家」となる日本の今後をどう考えるか
公開: 更新:
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月7日放送)に外交評論家・キャノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。外国人が増え続ける今後の問題について解説した。
入管難民法改正案、昨日の採決は見送り
安倍総理)亡くなられた経緯については、私はいまここで初めてお伺いをしたわけでありまして、ですから私は答えようが無いわけであります。私はいままでの制度のなかで問題が無かったと思っているわけではまったく無いわけであります。
外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法、いわゆる入管難民法の改正案をめぐり、与党側は昨日委員会での採決を提案したが、野党側は「審議が尽くされていない」などと反対をして、参議院法務委員会の横山信一委員長の解任決議案を提出した。そのため与党側は昨日の委員会での採決を断念している。与党はきょうの参議院本会議で、解任決議案を否決した上で委員会で採決をし、その後本会議に上程改正案を成立させる方針。
飯田)昨日の法務委員会は総理出席のもとで2時間を含め、6時間の質疑を実施したとのことでした。参院での審議時間は20時間ちょっと、ということです。いよいよ採決になって来ましたが、この後はいかがでしょうか?
宮家)単に経済的に労働力が不足していて、外国人のビザを出す、出さないという議論は、それはやれば良いのです。問題はその先です。いろいろ調べると、群馬県のとある町では、4万人の町にブラジル人が4千人いるわけです。
飯田)1割。
確実に増え続ける外国人~このままだと多民族国家になる日本
宮家)新大久保はいまネパール人が増えていて、高田馬場でミャンマーの人たちがいる。埼玉県ではクルド人のコミュニティがある。こうなって来ると、ビザを出す出さないという議論は国会でやっていただければいい。その次の問題があります。このままだと、日本は間違いなく多民族国家になって行きます。そのときに、日本のコミュニティの文化なり伝統をどうやって守りながら、新しい人たちを受け入れて、それを日本の文化の一部にして行くのか。この議論がそろそろ起きて良いと思います。
日本は人口が減って来て、いまの水準の経済を維持するためには、どうしても女性と外国人を使っていかないと立ち行かなくなるわけです。そろそろ本質の議論をしなければいけないと思います。
飯田)諸外国の例を見ても、どうやったら上手く行かせられるか…。
宮家)上手く行きません。
飯田)これは上手く行かない?
多民族国家となった場合の対策をどうするか
宮家)間違いなく。1つの均一なものに対して異質なものが良い意味でも、悪い意味でも入って来れば、当然摩擦が起きる。そしてコストが掛かる。ある研究では、移民を1人受け入れると、教育も社会保険も必要なので、当然お金が掛かります。だけど彼らがもし上手く働いてくれて、税金を払ってくれれば、だいたい25年でペイするのだそうです。と言うことは25年待たなくてはいけない。
飯田)そして、25年経ったら当然妻ができ夫ができ、子供ができ、というコミュニティができて行く。
宮家)それがもし日本のコミュニティの一部になって、豊かになって行くのであれば、それでOKと言う人もいると思います。いやそりゃとんでもない、日本は単一民族だと言う人だっていらっしゃると思います。しかし、そういう時代もそろそろ変わりつつあるのかもしれない。そう考えると、これは単に入管法の問題だけではないということです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。