ニッポン放送が制作した視覚障がい者の職域の拡大や共生社会の実現を問う特別番組『ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」』が、平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 ラジオ部門 ドキュメンタリーの部で大賞を受賞した。同番組は平成30年日本民間放送連盟賞でラジオグランプリを受賞しており、これで二冠となった。『ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」』は12月30日(日)15時から再放送される。
昨今、パソコンの音声補助の進歩などで、視覚障がい者の情報処理能力は健常者に大きく近づいているとはいえ、希望する職業に就くことは容易ではない現状がある。『ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」』は、東日本大震災の取材を進める中で出会った、視覚障害のある小椋汐里さん(当時中学1年生)を長きにわたり取材した番組。
会津若松の小学校で被災した彼女はその後福島市の福島盲学校(現在の福島視覚支援学校)に進み、現在は東北学院大学の英文科の学生として、通訳や英語教師を目指して勉学に励みながら、自分の将来を夢見て積極的に活動している。番組では、彼女の中学1年当時から今までを紹介しつつ、大学関係者や仕事を持つ様々な視覚障がい者、彼らを支える人々を丁寧に取材。彼らが社会の中でどのように道を切り開き、生きてきたかを伝える。
【受賞理由】
五歳で光を失った小椋汐里さん。彼女の人並み外れた強い精神力で自分の道を切り開いていくゆくドキュメント。彼女の前向きな人柄と将来就きたい仕事に対する熱い思いが濃密に描かれており、その魅力に感動を覚える。目が見える人とそうでない人との共生社会を作りたいと願う彼女は、自分たちが怖がらずに一歩ずつに出て行かなければならないと言う。常に夢に向かって力強く歩んで行く彼女を応援したい気持ちになる作品である。
『ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」』
FM93AM1242ニッポン放送 2018/12/30 15:00-16:00(再放送)
スタッフ:上村貢聖(プロデューサー)、森田耕次(ディレクター)、桜林美佐(構成)、上柳昌彦(ナレーション)
出演:小椋汐里(東北学院大学文学部英文学科2年生:当時)、小椋汐里さんご両親、東北学院大学関係者他