米朝首脳会談で日本が最も恐れること
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月13日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。東南アジア最大級の多国間軍事演習コブラゴールドから米朝首脳会談、日本の安全保障について解説した。
東南アジア最大級の多国間軍事演習コブラゴールドが行われる
アメリカとタイの軍隊が主催する東南アジア最大級の多国間軍事演習コブラゴールドの開会式が、昨日タイの北部ピサヌロークで行なわれた。日本の自衛隊を含むおよそ29ヵ国から、およそ1万人が参加、22日までの日程で平和維持活動や災害救助の演習などを行う。
飯田)1982年にタイとアメリカの2国間訓練として始まって、2000年以降は両国主催の多国間訓練に。29ヵ国からというのはすごいですが。名前も…。
高橋)すごいですね(笑)。
飯田)10日間の日程で開催されますが、東南アジアとアメリカ。そして、今回オブザーバーとしてインドと中国も参加はしているということです。
高橋)基本は日米韓、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアということですよね。オブザーバーとしてインドと中国、中国を入れないともう明らかに…対中という感じになってしまいますから、入れるのでしょうけれど。いまのところ韓国とアメリカは仲良くしているように見えますよね。
日本にとっても大きな問題となる在韓米軍の撤退
飯田)米韓同盟と、一応はね。
高橋)形式的には米韓同盟もあるし安全保障条約もありますがね。それで今回は米軍の駐留経費についても一応オーケーとなっています。増額して毎年ということですが、それがいつまであるのでしょうか。トランプ大統領は最終的には在韓米軍を撤退させると公約しています。トランプ大統領は公約を大体こなしているのですよ。
飯田)これがいままでの大統領と違うところですね。
高橋)素人だからなのでしょうね。素人だから真面目に公約をこなすということになってしまっている。トランプ大統領から見ると、公約はそのまま実行するということが基本なのですよね。
飯田)その公約を掲げて俺は勝ったのだと。
高橋)でもこの在韓米軍の話がどうなるのか。日本にとっても大きいですよね。いまの米朝の話とも関係するし、いま韓国が北朝鮮化もしているし。このコブラゴールドを見ているときに、中国の話もありますが、韓国がどういう立ち位置でこれから行くのかなと思います。当面は米韓同盟でしょうけれど、少し先を見たときにどうなるのか。南北統一してしまったら米韓同盟はどうなるのでしょうかという話ですよ。
飯田)今回は韓国軍とアメリカ軍は合同で海上からの上陸訓練を行うと。
高橋)一応中国がオブザーバーなので、対立色は消していますが、各国思うところがあるのでしょうね(笑)。
飯田)特に東南アジアの国々は付かず離れずでやりながらも、警戒を続けている国は多いわけですよね。
米朝首脳会談での北朝鮮非核化はどこまで~気になる中距離核の有無
高橋)そうでしょうね。ベトナムは関係が無いのかもしれませんけれど、今度米朝首脳会談もあるでしょう。この辺りの話は複雑で方程式も難しいですね。
飯田)ただ、日本の安全保障を考えたときに米朝の話で行けば、北朝鮮の非核化をしてもらわないと困るというところですよね?
高橋)非核化はするけれども、恐らくアメリカに届くやつはやめるという話になるのではないでしょうか。でも中距離核については、米ソも条約破棄したでしょう。ほとんどフリー状態なのですよ。このときに北朝鮮にいろいろな制約を課すのは難しいから、中距離核はフリーになる。となると日本が最悪のパターンになる可能性がある。日本はお金を出せと言われたら「出します」というくらいの感じで、米朝首脳会談に関与した方が良いと思いますけれどね。
飯田)INFに代わる多国間の中距離核ミサイルの廃棄条約みたいなものを、そういう舞台回しも日本が汗をかかなくてはならないかもしれない。
高橋)やらないと、北朝鮮の話は目の前の話ですからね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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