日韓レーダー照射~囁かれる韓国が謝罪できない本当の理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月22日放送)に元航空自衛官で評論家の潮匡人が電話出演。ジャーナリストの有本香と共に、日韓レーダー照射問題について解説した。

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海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した韓国海軍の「クァンゲト・デワン」級駆逐艦。[防衛省提供]=2018年12月21日 写真提供:時事通信

レーダー照射問題で、防衛省が日韓協議の継続は困難との最終見解を発表

韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題について、防衛省は昨日新たな証拠としてレーダー探知の音を公開すると共に、日韓の防衛当局間での協議の継続はもはや困難だとする最終見解を発表した。これを受け、韓国国防省は会見を行い、公開されたレーダー探知の音について「実態のわからない機械音」と指摘。日本側が協議の打ち切りを発表したことと合わせて強い遺憾の意を表明した。その上で、「問題の本質は低空威嚇飛行であり、謝罪を促す」と強調する一方、「日本と安保協力強化のための努力は続ける」と述べた。

飯田)今回の事案がどういったものだったのかということも含めて、元航空自衛官で評論家の潮匡人さんと電話がつながっています。まずは韓国側が使っていたと主張する捜索用レーダーの探知音と、海上自衛隊のP-1哨戒機が収集した火器管制レーダー波を音に変換したもの、その2つの音の解説をお願いします。

潮)捜索用レーダーは捜索するためのものですので、相手がどこにいるかわからない。例えば海面を360度、1秒間に1回転するといった形でレーダー波を出している。それが当たると、当たっている間はレーダー波を探知してそれを音に変換するということです。火器管制レーダーは、例えば最終的に撃墜させるため、ミサイルを当てるために使用されるものですので、一方向に向かってレーダー波が出ている状態を音に変換すれば、一定のレベルの音が出続けるということになります。

飯田)今回音を公開しましたけれども、これはどのような意図が日本側にあるのですか?

潮)これまでの実務者協議を含めて、日韓間での主張がすれ違っていた。日本側が今回最終的に見解で明らかにした通り、韓国側が事実に反する主張を繰り返したということで、ほぼ最終的な手段として括弧付きの音の公開に踏み切ったということになります。

飯田)今後ですけれども、このまま放っておくべきだという意見もあれば、国際社会やいろいろな場でアピールをしていかなければならないという意見もあるわけですが、潮さんご自身はこの先、この問題がどうなって行くとお考えですか?

潮)最終的には日本政府がトップレベルで判断すべきことだと思いますが、過去の事例と比較をしますと、安倍政権下でも、中国から同様の行為を繰り返されたことがありました。そのときの日本政府の姿勢あるいは態度と比較しますと、今回の方が良くも悪くも強行ですので、私は一定の評価をしています。更に踏み込んで何らかの措置を講ずるべきだという意見もあるとは思うのですが、今回の件に関して、韓国に対して日本側がもしカードを切るとすると、残されたものは、今回はレーダー波を感知して音に変換しているわけですが、その変換する前の生データを突き付けるということになります。これを実務者協議の場で行うならばともかく、それを韓国側が拒否している以上、公の場に出してしまうことになりますので、そうなると日本側の能力が一部公開されてしまうことに加え、同じ装置を使っている世界中の海軍に大きな迷惑を掛けてしまうことにもなりますので、そこはなかなか厳しい選択になると思います。

飯田)今回、ギリギリものを出して来たということですか?

潮)こうなったこと自体が残念な展開だということになりますが、この期に及んでただの機械音だと言っている相手に対して、これ以上最後のカードを切るのかどうかという2択になって来たなというところです。

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記者会見する岩屋防衛相(中央)=2018年12月21日夜、防衛省 写真提供:共同通信社

P-1哨戒機の大きさから韓国船とかなり距離をとっていることがわかる

飯田)韓国側は問題の本質は低空威嚇飛行だと言っていて、今回、航跡のイメージみたいなものまで出しましたよね。あれは威嚇ではないですか?

潮)あれを威嚇と取るのであれば、もはや海軍とは言えないという代物になると思います。韓国側が公開した画像や動画を見ても、P-1の大きさは世界に公開されていますので、そこから類推すると、かなり距離を取っていることが逆にわかります。

飯田)攻撃の意図なんてものは微塵もなかったわけですよね。

潮)仮に日本側にあったとしても、それを実現するための装備をつけていないことは見ればわかりますので、逆に撃てば当たるような状態にしていた韓国側の行為そのものが脅威であって、全く主張が逆転しているのではないかと思います。

飯田)スタジオにはジャーナリストの有本香さんもいらっしゃいます。

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第7回日中韓サミット 韓国・文在寅大統領が帰国 =写真提供:産経新聞社

北朝鮮の船は工作船であった可能性

有本)潮さん、今回この段階に至ったわけですけれども、北朝鮮の船が何をしていたかというのも諸説言われていますし、仮にこれがヒューマンエラーだったということであれば、それを認めて、そして「ごめんなさいもうやらない」というところになぜ韓国が至れないのか、その辺りの理由はどう類推されますか?

潮)誤操作だったということであれば、直ちにそのように釈明すれば日本側も音を公開するような展開にはならなかっただろうと思います。でもそうできなかったということは、単に面子の問題だけではないとすると、なぜあそこに北朝鮮の船舶があり、そして韓国政府の船が複数いたのかという問題が浮上することになりますし、一部北朝鮮の船は工作船だった可能性も指摘されているので、いずれにせよ、見られて困ることをしていたのだろうなというのが私の推論です。

飯田)確かに、追い払うために使ったのではないかという話は出て来ていましたね。

有本)ここへ来て工作船の可能性は結構言われています。レーダー照射に関してこんな音が出て来た、というところに私たちの目が陽動されている感じがあるのですけれども、一部には、北朝鮮の船、あれは漁船ではなくて工作船で、北朝鮮の当局にとって都合の悪いもの、或いは人が乗っていたのではないかという話があって、それは日本側もある程度わかっているとのことです。

飯田)日本の排他的経済水域ですからね。

有本)韓国の船がなぜあそこに複数船いたのかと言えば、北朝鮮当局から頼まれてあの船を止めに来たのではないかという説も出ています。もしかしたらかなり重要な人物が船のなかにいたのではないかと言う専門家もいて、そうなるとこの事案が全然違ったものに見えて来てしまいます。もし、いまの韓国の文在寅政権がそれくらい北朝鮮と近いとすると、これはこれで日本にとって非常に厄介なところに来てしまっているのだなという認識をしなくてはいけなくなります。

飯田)これまでアメリカを真ん中に置いて、日米同盟と米韓同盟があったはずですが。

有本)かねてから言われて来たことですけれども、今回私たちもどうしてもレーダー照射の問題に関心が行ってしまうのですが、あの船のことを忘れてしまっているではないですか。

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