徴用工訴訟、韓国に初の協議要請~日本は静かに出方を待つべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月10日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。元徴用工の問題と日韓関係について解説した。

レーダー照射 韓国 徴用工 新日鉄住金 差し押さえ 文在寅 防衛省 安倍 日韓

2018年11月29日、ソウルの韓国最高裁に向かう三菱重工業への賠償を求めた韓国人女性ら=写真提供:時事通信

いわゆる元徴用工訴訟~日本政府が韓国に協議要請

日本企業の資産の差し押さえを認める韓国裁判所の決定が企業側に通知されたことから、日本政府は日韓請求権協定に基づく協議を韓国政府に要請した。新日鉄住金側に昨日の午後差し押さえの通知があったことを政府が確認し、駐日韓国大使の李洙勲(イ‧スフン)氏を外務省に呼んで協議を要請した。

飯田)ここが難航した場合は、第三国の委員も加わって仲裁委員会をやるということが言われていますよね。

鈴木)そこでダメなら次は国際司法の舞台に、と段階が上がって行きます。そういう意味では、この問題が新たなステージに入ったと言っても良いでしょう。世代も変わって遠い時代になって行くなかで徴用工を知る1つのきっかけになっているのだけれど、この問題は政府間でしっかりと話をしているわけですよね。ただそのときに、個人対個人、徴用工と民間企業については当然政府間の話ではないのです。だけど、そういうことについてそれぞれの政府が責任を持って、つまり「韓国の徴用工の方たちについては韓国政府がしっかりやってくれ」という話ができているのだから、ボールを投げられているのは韓国政府だと思うのです。
ここがどう動いているのかと言うと、いまのところ逆に協議を申し入れているけれど、こういうものに対して韓国政府が公然と反論して来ているかと言うと、そうではないのです。

飯田)黙っている感じですね。

鈴木)韓国政府に投げられているボールを、韓国政府が収めるにはどうするかを含めて考えていると思います。日本政府としては、淡々と手続きを踏んでボールを投げているわけだから、向こうの出方を待つ。ある種の睨み合いがあるでしょう。
昨日、自民党のベテランと話をしましたが、これに加えてレーダー照射問題があります。

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記者会見する岩屋防衛相(中央)=2018年12月21日夜、防衛省 写真提供:共同通信社

レーダー照射問題も含めて韓国の出方を待つ

飯田)海上自衛隊の哨戒機ですね。

鈴木)これも実は落としどころを図っているようなところがあって、その方が言うには「韓国としては自分たちがまずかったな、というところがどうもあるんじゃないか」ということです。「日本としては下手に刺激しないで淡々と出すものは出す。徴用工だけでなくこの問題もリンクして日韓関係という感じになって来るから、向こうの出方を待つ」とおっしゃっていましたね。

飯田)こっちとしては、あくまで客観的な事実として映像を出したりしているのだけれど、無理筋の反論ばかりされると呆れますよね。

鈴木)いまは「最初になぜ日本が出したんだ」と言って来ています。その前に実務者、つまり自衛隊と韓国軍の間でやるのが普通ですよね。それをなぜ出さざるを得なかったのかと言うと、そこは韓国の対応があったわけです。かと言って、向こうが感情的になってもこちらは大人の対応をして待っているべきではないかと。取材をしていると、こういう意見の人が多いかなという気がします。

飯田)きょう文在寅大統領は会見を行うということなので、そこで何を言うかが注目されます。

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