韓国海軍の火器管制レーダー照射問題から見える韓国政府事情

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月24日放送)に須田慎一郎(ジャーナリスト)が出演。韓国海軍の火器管制レーダー照射問題について解説した。

韓国海軍の火器管制レーダー照射問題から見える韓国政府事情

海上自衛隊観艦式には韓国海軍の艦船も参加した=18日午後、神奈川県沖の相模湾
撮影日2015年10月18日 提供産経新聞

先週20日木曜日の午後3時頃、能登半島沖の日本海で、韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP‐1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題で、日本政府は韓国政府に強く抗議している。レーダーでロックオン、照準を合わせた状態にするのは武器使用に準じる行為とみなされ、アメリカ軍であれば攻撃に踏み切るとされるほどの異常事態だ。
飯田)韓国海軍の関係者はこの行動について、遭難した漁船、しかも北朝鮮の漁船を探すために駆逐艦が持つ全てのレーダーを使った、その瞬間に哨戒機がレーダーの範囲内に入ってきたと説明しているということです。

須田)とはいえ、ロックオンすることは異常であることは間違いないです。ロックオンされたら次はミサイルが飛んでくるということですから、そうなってから回避行動なんて取れません。それに対して反撃体制を取れなければ自分たちがやられてしまいます。本来であるならば、このことは敵性国家のやり方だろうなと思います。

飯田)機内には警報が鳴って即座に回避行動をとったと思われますが、また数分に渡って照射し続けていたとのことです。こちら側からどういう意図があるんだと問い合わせたところ、返答がなかった。恐ろしい話です。

須田)この話を受けて、退役された元将軍にすぐ連絡をとりました。そうすると、韓国の軍隊にしても情報機関にしても、この辺は重なっていますが、今はアノミー状態(=社会の規範が弛緩・崩壊することによる無規則状態)、つまり統制が取れていない状況に入って来ているとのことでした。
その方も退役されたのは、同僚が例えば逮捕起訴されたり、あるいはパージされたりする中で、今の文在寅政権ではやってられないということで、辞表を叩きつけて辞めている方なんです。今、韓国の軍隊や情報機関においてもそういう現象が続出している。特に国情院、大韓民国国家情報院については4年以内に組織を解散するという話が持ち出ていて、やる気を失ったひと達が多い。
話を元に戻しますと、そういった中で本来の役割を果たすべきキーパーソン達が歯抜けのようにいなくなってしまっているために、コントロール不能な状態に陥っている。だから今回のことは現場が勝手にやったのではないか、何らかの意図があった、であるとか特別な命令に基づいてやっているわけではない。現場が試しにこれやってみたらどうか?という形で行われてしまったのではないか、と見立てているんです。それだけに怖いですね。

飯田)その動機は文在寅氏や今の大統領府(青瓦台)から、おぼえめでたくなるため、ということもありますよね。自分の出世にも役立つのではないかという。

須田)であるならば、まだ理由が立つんだけど、そうではなくて、それだけ重要な事が起こるだとか、これが外交問題に発展するなんてことを想定せずにこういった行動に出ている。それだけに怖いんです。

飯田)そのモラルハザードは恐ろしいですね。

須田)軍隊の中では、そういったモラルハザードがどーっと起こってきているということらしいんです。

飯田)歴史を振り返れば、セルビアの一発の銃声が第一次大戦につながったこともありました。ささいなことから大きな紛争に発展しかねません。

須田)今はそういった調整不能な状態、それをアノミーだという言い方をするんです。

飯田)先ほどの軍と国家情報院という話がでましたが、これはルーツをたどればKCIAということになるんですが、かつて反共の一番だったところが今は歯抜けになっている。文在寅政権はどんどん北にすり寄っている。日本としては韓国と一緒にやれるのか?というところまで考えなければいけなくなってきませんか?

須田)加えて、その文在寅さん自身が全くコントロールできない状態に入ってきている。そう言う状態に先に入ったのが司法です。検察であり裁判所。文在寅政権も制御不能な状況に陥っているわけです。

飯田)なるほど。今日は外務省の金杉憲治アジア太平洋局長が韓国側と協議をすると。徴用工問題などが中心ですが、この問題、レーザー照射の事案についても取り上げたいと、金杉さんは意向を示しております。

 

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