トランプ大統領訪仏も~予断を許さない米仏関係

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月7日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。6月6日に行われたトランプ大統領とマクロン大統領の首脳会談について解説した。

トランプ大統領訪仏も~予断を許さない米仏関係

【トランプ米大統領来日】羽田空港に到着したトランプ米大統領とスカートを押さえながらタラップを降りるメラニア夫人=2019年5月25日午後、羽田空港 写真提供:産経新聞社

ヨーロッパ訪問中のトランプ大統領がフランスのマクロン大統領と会談

ヨーロッパを歴訪中のアメリカのトランプ大統領は6月6日、フランス北西部ノルマンディー地方に入り、マクロン大統領との首脳会談を行った。トランプ氏は会談冒頭、アメリカとフランスは傑出した関係だと発言。一方マクロン氏はアメリカとの温度差が目立つイラン核問題で、イランの核兵器保有を阻止する目標は共通だと強調し、目標の実現に向けて新たな交渉が必要だと述べ、核合意を一方的に離脱したアメリカに配慮する姿勢も見せている。

飯田)アメリカとフランスは傑出した関係と言ったトランプ大統領。イギリスに続いてフランスを訪問しました。

トランプ大統領訪仏も~予断を許さない米仏関係

第1次世界大戦の終結100周年を記念する式典に出席した米独仏首脳。前列左からトランプ大統領、メルケル首相、マクロン大統領(フランス・パリ)=2018年11月11日 写真提供:時事通信

決してよくないトランプ大統領とマクロン大統領の関係

宮家)歴史的に見たらフランス革命とアメリカの革命、これには精神的な連携があったし、本来米仏はいい関係なのです。ただ、今回はトランプさんが政治家として変わっているから、イギリスに行ったら反米デモがあるし、余計なことも言ったりして心配になりましたけれども。フランスではマクロンさんも気を遣っているようです。ノルマンディー上陸の75周年で行っているから、あまり余計なことを言われては困るのですが、今回トランプさんは何とか無難にやっているのではないでしょうか。
マクロンさんは基本的にEU主義者で、欧州はEUでやって行かなければいけないと思っていますが、トランプさんはそんなものは放っておけと考えており、イギリスではEU離脱派を徹底的に支援する立場です。そこまで酷い発言がなかったことはフランスとしては良いけれど、おそらく外に出て来ないところで、両首脳は相当ぎりぎりやっているのでしょう。アメリカとフランスとの関係、特にトランプさんとマクロンさんの関係は決して良くはないと思います。

飯田)朝日新聞の一面に出ていますが、ルノー統合案をフィアット・クライスラーが撤回と。フィアット側が上についているのでイタリアかと思いきや、クライスラーだからアメリカも関係しているのですよね。

宮家)ええ。ルノー問題は良く分からなくて、フランス政府がかなり株を持っているかもしれないけれど、どこかの独裁国家とは違うのだから、政府が会社の経営にまで、ああでもない、こうでもないと言うかと。少し口を出し過ぎではないかと思います。
トランプさんとマクロンさんが上手く行かないのも仕方ないとは思いますけれど、一企業の問題なのに、ルノーもルノーなら…ということですよね。

飯田)会談のなかでどこまで話したかは報道で一切出ていませんが、米仏関係もこれからどうなるか分からないということですね。

宮家)本当は良い関係を維持してもらいたいと思うのですけれど、マクロンさんの人気もあまりないし、健全な欧州のためにはアメリカとフランスがしっかりして貰わないと困るのですが、まだ予断を許さない状況ですね。

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