はるな愛~父親に本当の自分のことを告白した日
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、タレントのはるな愛が出演。本当の自分を父親に告白したときのことを語った。
黒木)今週のゲストはタレントのはるな愛さんです。いつ頃から女の子らしく思うようになったのですか?
はるな)幼稚園の始めくらいからです。
黒木)幼稚園の始めというと、4歳~5歳の物心ついたときから。
はるな)そうです。ずっと女の子とばかり遊んでいました。幼稚園でままごと遊びをすると、配役はなぜかお母さん役なのですよ。お母さん役でずっと家のなかにいるのです。みんなが出て行ったら、物語に参加しないお母さん。お母さん役には自然となっていました。友達もうすうすと「賢ちゃんはそういう子なのだな」と気付いてくれていたと思いますね。子どもはそういうところにすごく敏感ですから。
黒木)でも幼稚園でしょう。小学生になると、またいろいろな友達ができますよね。
はるな)幼稚園から同じ地元の小学校に上がったので、友達はほとんどそのままでした。当時はランドセルが赤と黒しかないですよね。おばあちゃんが買ってくれると言うので手を引かれて行ったのですが、おばあちゃんから当然のように黒を手に取って渡されたときに、初めて現実を叩きつけられた気がしました。
黒木)先生やお友達には、まだ受け入れられない時代だったのですか?
はるな)多分、「何かあの子って不思議だな」とは思っていたと思います。女の子らしいことが好きだと言うと、親が怒りましたね。おもちゃも女の子のものを買ってと言うと、「お前は男だろう」みたいに。
黒木)いつぐらいから、ご家族の理解を得たのですか?
はるな)いや、ずっと理解はなかったです。親にも本当のことを言えずにいました。高校のときに、さぼっていることがバレたのですよ。当時、好きな人ができて、学校を休んでその人に会いに行っていたのです。「このことがバレたら本当のことをお父さんに言おう」と思っていました。すぐに手をあげるお父さんだったので、何かあれば周りの人が止めてくれると思い、ファミレスで話しました。
向かい合って、「お父さん、これから女として生きて行きたい」と言ったのですよ。そうしたらお父さんが歯を食いしばってボロボロと涙を流しながら、「分かった、お前がそこまで言うならとことんやれ。男だったら絶対に後悔するな、いちばんを獲れ」と言ってくれたのです。認めてくれた嬉しさと、もういままでの親子関係とは違うものになるという寂しさもあって、複雑な気持ちでした。そういうことなのですよね。この間、男の格好をする仕事があって、そのときにメイクで男らしくして行ったら、気持ちが男から抜けなくなってしまったのですよ。
黒木)男っぽくなった。
はるな)スイッチはどこで変わるか分からないなと思いました。
黒木)でも、姿かたちは変わって行きますよね。
はるな)LGBTという4文字の言葉ができたことで楽になる人がいるけれど、その一文字にはまらなければと思って堅く生きて欲しくないのは、みんなそうですよね。
黒木)カミングアウトしたら、それで解決というわけでもないでしょうからね。
はるな)本当にその通りです。生きていたら人としての悩みはたくさん出て来ます。でも、喜びも幸せもたくさん来るからね。
はるな愛/タレント■7月21日生まれ。大阪府大阪市出身。
■大阪のショーパブでニューハーフとして活動。
■90年代半ばよりTVでものまね芸を披露するなどバラエティ番組に数多く出演。なかでも松浦亜弥をあてぶりする“エアあやや”は多くの人の注目を集める。
■2009年に「ミス・インターナショナル・クイーン2009」で優勝。日本人の優勝は初めて。現在は審査員も務める。
■2010年には24時間テレビでマラソンランナーを務める。
■現在はバラエティ以外でもCM・ドラマ・映画・舞台など幅広く活躍。また飲食店なども経営する実業家。
■2017年からはボランティアとして「こども食堂」や「被災地支援」の活動を行っている。
■また現在は、学生時代のいじめやLGBTの苦悩など波乱万丈に満ちた自身の経験をもとに、LGBTの啓発や人権啓発などの講演活動も行っている。
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