ウチには二刀流が4人いるんです(笑)
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現在、女子ソフトボールリーグは、9月までサマーブレイク中。そんな中、「ニッポン放送女子ソフトボール情報」(毎週日曜 17:40~ショウアップナイタープレイボール内)では、前半戦を6勝5敗の5位タイで折り返した《太陽誘電ソルフィーユ》のキャプテン・山本晴香選手に話を聞きました。
■太陽誘電ソルフィーユ 山本晴香 選手
1991年2月4日生まれ 154cm 右投左打 内野手
■「勝っている試合は、ここという時に1本が出ているし、勝ちきれなかった試合はその1本が出なかった」
リーグ前半戦を6勝5敗で折り返しましたが…
そうですね。やっぱり守備にしても打撃にしても、チーム全体があまり噛み合っていなかったなというのが、前半を終えて思っている事なんですけど。
開幕4連勝とスタートダッシュが決まりましたが、その後は黒星・白星が続く、オセロ状態になってしまいましたね
やっぱり4連勝をしたのも、若手が頑張ってくれて、若手に助けてもらったなという4連勝だったんですけど、その後やっぱり、もうちょっと経験のある選手がしっかり引っ張っていけたら、もっと結果が違ったんじゃないかなと思っています。
1点差の試合が、10試合中6試合。勝つにしろ負けるにしろ僅差の試合が多いのですが、その辺りはどう感じていますか?
やっぱりシンプルに勝っている試合は、ここという時に1本が出ているし、勝ちきれなかった試合はその1本が出なかったという事だと思います。僅差の試合が多かったので、どの試合も最後まで気が抜けない、緊張感のある試合だったと思います。
昨年までは、《トヨタ自動車とビックカメラ高崎の2強》といわれていましたが、今シーズンは大混戦になっています。試合をしていて何か感じる事はありますか?
そうですね、あまり他のチームがどうこうとは思わないんです。自分たちが戦うチームに対して、一生懸命戦っていこうという想いなんで。他のチームがどうとかは、あまり思わないですね。
今年のキャンプは、どんな所にポイントを置いてやってきましたか?
やっぱりチームとしては抜ける人がいて、入ってくる人がいる。シーズンシーズン、その流れがあると思うんですけど、抜けた穴をどうチーム全体で埋めていくかというのは、意識してやっていました。
今年のチームスローガンは『革新』ですが、今年のチームで『革新』といえるところは?
今年に限らずなんですけど、オフシーズンは同じことをやらない。山路監督は毎年違う角度からアプローチをかけてチームを強化していくというやり方で、いつも同じことはしないので、毎年変わっていけるように、進歩していけるようにオフシーズンはやっています。
ここ数年、太陽誘電はなかなか準優勝の壁を突破できません。山路監督はその事について『こうして行こう』とか、アドバイスはありますか?
もちろん、チームとして徹底する事は指導してもらって、個人の技術に対しても沢山アドバイスをしてくれますし、一人一人の感覚も大事にしてくれる監督なので。
■「自分の結果よりも、相手の嫌がるバッターを、嫌な場面でバッターボックスに立たせるか…」
前半戦の打率を見ると、0.206のリーグ55位と、ちょっと物足りない成績かなと…
そうですね。数字という所よりも、試合の打席ごとに自分が決めるべき打席だったり、やるべき事というのがやり切れなかったので、凄くふがいない前半だったと思っています。
山本キャプテンは2番を務めていますが、どんな気持ちで打席に入っていますか?
もちろん、1番が出たら塁を進めて次につなげる事が大事ですし、1番が出られなかったら自分がどうにか塁に出ようと、その場面場面で役割が変わっていくと思うので、そういうのを意識しています。
今年は3番バッターに、去年まで4番を務めていた藤田投手が起用されています。その点では、2番の役割で変わった所はありますか?
基本的にはあまり変わらないですね。やっぱり今年は藤田、去年は河野さんだったりしましたが、相手ピッチャーが嫌がるバッターが自分の次にいるので、自分の結果がどうのこうのというよりも、相手が嫌がるバッターをどれだけ嫌な場面で、相手がストレスを感じる場面でバッターボックスに立たせるか、という事を考えていますかね。でも役割がはっきりしている打順だと思うので、やりがいはあると思います。
今年の打順は、藤田選手が3番に入って、4番には中溝選手が入っています。キャプテンから見て中溝選手はどんな選手ですか?
自分の3年目の頃と比べたら良い所が沢山ありますし、もっともっとチームの中心になってくれたらうれしいな、と思う選手ですね。
開幕節の試合後、山路監督が《チャンスの作り方として藤田選手を3番にもってきた》と話していましたが、中溝選手の成長もあって藤田選手が3番に来たのですか?
それもあると思いますし、今後、彼女が成長するための4番起用でもあると思います。
■「うちには《二刀流》が4人いるんです(笑)」
太陽誘電というと藤田投手、尾崎投手と、2人の《二刀流》選手がいますが、周りの選手はプレーや戦術の違いとか、違った印象を受けたりしますか?
そうですね。二人以外にも、森真里奈投手、曽根はん奈投手もバッターが出来るので、うちには4人の二刀流選手がいるんです(笑)。だから《二刀流》に関しては特別感は感じないんですけど、どっちも出来るという事で、戦い方が広がるなという感じはします。
《二刀流》の選手が4人も居るんですか!《二刀流》がいるといないのでは、戦術の違いは感じますか?
感じますね、凄く。ソフトボールのルールをフル活用している感じですね(笑)。
選手が出たり入ったり、他の球技には無いルールが多いですからね
はい、だから楽しいですね、やっていても。
プレーしながら、あそこにあの選手を入れて、あの選手がこうなってとか、選手も考えるんですか?
はい。「そうやって使うんや、めっちゃ面白いなぁ」とか、思います(笑)。
《二刀流》選手が沢山いると、監督も結構大変ですね
そうですね(笑)。
そんな太陽誘電を率いる山路監督は、どんな方ですか?
個人的には、山路監督の下でやらせてもらっているから今があるというか、これだけ長く続けさせてもらっているなという感謝でしかないんですけど。とにかく監督からは、徹底しなければいけない事を細かく伝えてくれますし、それにプラスして、選手一人一人が持つ感覚を凄く理解してくださるので、そういう個人の感覚も大事にしてくれます。会話も多くしてくださるので、なんて言うんですかね、選手に理解のある監督だなと思います。
今年からキャプテンに就任しましたが、就任する時に監督からは何か言われましたか?
そうですね。去年、副キャプテンをやらせてもらっていたんですけど、そのままのあなたでいいよ、ではないですけど、『キャプテンだからといって特別な何かじゃなくて、そのままの山本でやっていてくれたらいい』と言ってくださいました。たぶん、私自身がキャプテン肌じゃないのもわかっていて言ってくださっていると思います(笑)。
群馬には太陽誘電とビックカメラ高崎の2チームがあって、国体もそうですし、色々と協力しあったり、ライバルであったりしていると思います。改めてビックカメラ高崎とはどんな存在ですか?
国体などでは一緒にやらせてもらう事もありますし、とても勉強させてもらえるチームで、戦う時はやっぱり負けたくないライバルだと思っています。
この前の宇津木スタジアムのこけら落としの試合もそうですけど、ビックカメラ高崎とはよく対戦すると思います。改めてビックカメラ高崎とは、どんなチームだと思いますか?
そうですね、上位の強いチームだなって、すごく思います。やっぱりうちに足りていないところを持っていたり、強いチームだなと思います。
■「とにかく打撃、点を取る事に…」
現在、チームは後半戦に向けて練習をしていると思います。どんな所にポイントを置いて練習をしていますか?
打撃、点を取る事に力を入れてやっています。
とにかく今年は外国人ピッチャーに対するルールが変わったからか、各チームの外国人ピッチャーが好調です。そんな外国人ピッチャーに対して、どんな対策をしていますか?
特別、外国人が相手だからこういう練習というのは…マシーンで速いボールを打ったりとか、マシーンで回転をかけて変化させたりとか、そういう練習はしますかね。でも、ルールが変わる前から外国人ピッチャーと対戦する事が多いチームなので、ルールが変わったから特別何か、というのはないですね。
デンソーのフーバー投手など、初来日で大活躍を見せていますが
対戦はしていませんし、映像でしか見ていないのですが、スピードもあるしボールも変化していると聞いていたので、凄く対戦するのが楽しみだったんですけど…実際に立ってみたいなという思いは、凄くあります。
最後に、太陽誘電ファン、ソフトボールファンにメッセージを
いつも温かい声援ありがとうございます。前半戦はなかなか勝ちきれない試合が多くて、悔しい結果にはなっているんですが、後半は巻き返してウチらしい戦いができるように頑張りたいと思いますので、ぜひ会場に来て応援してください。よろしくお願いします。
太陽誘電ソルフィーユ 女子ソフトボール部 https://www.yuden.co.jp/jp/company/softball/
日本女子ソフトボールリーグ機構 https://jsl-women.com/
チケットインフォメーション https://jsl-women.com/static_pages/view/ticket/
*写真は、チームからお借りしたものと、編集部で撮影したものです。
(よこいみちひと)