国民民主・立憲民主の統一会派結成~解散総選挙へ向けた現実的な一歩
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月22日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。国民民主党と立憲民主党の統一会派結成から解散総選挙の時期について解説した。
国民民主、立憲民主との統一会派結成を了承
国民民主党は21日に党本部で総務会を開き、立憲民主党と衆参両院で統一会派を結成する方針を了承した。党内で玉木代表が立憲民主党との合意内容を報告したが、出席者から異論は出なかった。今後、玉木氏は立憲などとの協議会で会派運営の詳細を詰めたうえで、9月にも両院議員総会を開いて合流を正式決定したい考え。
飯田)具体的な個別政策でも、原発ゼロをどうするのだ、ということが出ていますし、口の悪い人は、結局元の鞘に収まるのではないかと言います。
鈴木)いまの選挙制度やいろいろなことを考えたときに、巨大な与党に対して、野党がバラバラでは戦えないから1つになる。戦略的に考えるとそういう理屈になります。「政策はどうなのだ」ということについては、野党の幹部に言わせると、「では自公はどうなのですか」という話になるわけです。確かに憲法改正でも、安倍さんは「やる」と言っているけれど、公明党は慎重です。乱暴な言い方をすればどっちもどっちなのです。いつでも政権交代できるような緊張感がないと、なかなか政治というものは国民の方を向きません。安定はある意味ではいいのだけれど、逆に言えばそれが緩みや驕りになります。与野党だけでなく、自民党内にも世代交代やライバルがいることは緊張感が出て、成長につながるでしょう。
枝野氏が今回の参院選の結果で決断
鈴木)今回は枝野さんがポイントとなります。いままでの国民民主は玉木さんが我慢して、「一緒にやろう」とずっと言い続けて来ました。なかなか立憲の方が先鋭化していて、「やる」と言わなかったのです。しかし、今度の参議院選挙が終わって、枝野さんのなかで「ここは1つになるしかない」と決断したのだと思います。あの人はリアリストなので、それまでも考えていたと思います。立憲のなかでは、希望の党合流のときに国民民主の人とやりあった人がいたりするので、いろいろなものを整理しながらタイミングを見ていたと思います。
統一会派結成は、次の選挙を見据えた動き
鈴木)今度の参議院選挙で、立憲は議席を伸ばしました。だけど、いままでが少なかったのだから伸びるのは当たり前で、比例票を見ると300万票近く減っています。今度の選挙は、立憲にとっては敗北だったのかもしれません。そこを枝野さんは受け止めた。参議院選挙が終わった途端、戦局は次の総選挙へ向けて走り出しているわけです。解散総選挙がいつになるのかわかりませんが、ここは現実路線で舵を切るしかないという決断をしているのだと思います。途中で玉木さんと話し合いをした際にはいい結果が出ませんでしたが、そのときにも枝野さんは「考え方は共有している」と言っているのです。そのときには、もう1つの落としどころに向かっていたのでしょう。統一会派は当然の流れで、原発は特にゼロ法案がどうなるのかというところですが、それはそのときに考えて、とにかくまずは1つになることを優先させたのでしょう。この延長線上には、れいわや共産党もあります。共産党と1つの党になることは100%ないですが。
飯田)100%ですか。
鈴木)僕はないと思います。どういう協力をするのか、連立政権の閣外協力なのか、それもないような緩やかな連携なのか。そういうところまで絵を描いて、枝野さんは踏み出していると私は見ています。
次の選挙までに1つの党となる可能性も
飯田)国民と立憲の間はまず統一会派ですけれども、その先の政策面の折り合いがつけられれば、同じ党になることもあり得ますか?
鈴木)あくまで私の取材ですけれども、できれば次の選挙までに1つの政党にしたいという着地点をイメージとして持っているのではないかという気がします。そうしないとバラバラのままですし、世論も我慢できませんよ。野党は何をやっているのだと思いながらも我慢して来ましたが、ここから先も野党が1つになれなかったら、という不満がれいわやN国、維新に行っているわけでしょう。そういう意味ではギリギリのラストチャンスだと思うので、1つの政党にというイメージまで持っていると思います。期限は次の選挙までです。そして、次の解散総選挙がいつかと言うと、僕は来年(2020年)の秋だと思っています。
解散総選挙の時期は来年秋か
飯田)一瞬、この秋から冬にかけてまでの間にやるような風が吹きかかったことがありましたが、もうそれはさすがにないですか?
鈴木)9月説もあったでしょう。安倍さんが4選を狙うかということもありますが、4選であろうが総裁の任期に関わって来るので、あまり早過ぎず遅過ぎずということになると、オリンピックのムードが残っている来年秋ぐらいだろうと思います。
飯田)任期を1年くらい残したところで。
鈴木)再来年(2021年)に入って来ると、衆議院の任期も総裁の任期も、お尻が見えて来るでしょう。
飯田)ちょうどそれがリンクするわけですものね。
鈴木)死に体とよく言うではないですか。終わりが見えると、求心力も落ちて来ます。そうなると、オリンピックのムードが残る来年。経済云々もお金を出して、いろいろ作りながら……。そこへ向けて野党も1つの政党に、という政局がこれから展開されると思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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