統一会派構想は新党誕生への一歩となるのか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。国民民主党、立憲民主党、一丸の会による統一会派構想について解説した。
統一会派構想をめぐり、国民民主党と立憲民主党が協議
国民民主党は10日、立憲民主党から提案された衆議院での統一会派構想をめぐって、衆議院だけでなく参議院でも統一会派を求める方針を決めた。衆議院だけの統一会派を求める立憲民主党がどう対応するのか注目が集まっている。
飯田)会派というものは、国会内で行動を共にする議員2人以上で結成できる団体のことです。政党とは意味合いが違うものなのですが。
須田)国会では一緒になって活動しましょう、ということなのでしょうけれども。では、なぜ衆議院だけで参議院はなっていないのかと言うと、先の参議院選挙で立憲民主党と国民民主党は、1人区においては野党共闘が成立しました。しかし複数区、特に静岡においては骨肉の激突が行われて、自民党は国民民主党を応援するというねじれの現象が起こったために、立憲民主党がそれに対して不快感を持っており、参議院はなかなか進まない。
参議院での失敗を踏まえての統一会派構想
須田)なぜここに来て統一会派の動きが出ているのかと言うと、次の衆議院解散総選挙を強く意識しているのだろうと思います。今年(2019年)春くらいから梅雨時期にかけて、W選挙の見方が強まっていましたよね。それを受けて、立憲民主党の枝野さん、国民民主党の玉木さん、「一丸の会」会長の馬淵澄夫さんの3人が集まって、統一候補を調整する作業に着手していたのです。一丸の会については、馬淵さんに一任するという議決をしました。馬淵さんは復活当選をして衆議院議員なのです。それ以外の(一丸の会の)32人は一丸となって、ワンパッケージで選挙活動しましょうということになっています。それを受けて統一候補を立てようということなのですが、その動きを加速させようとすると、参議院の場合は複数区ですが、衆議院の場合は小選挙区になる。だから、すべての選挙区で野党共闘を成立させようとすると、政策面や国会での動きにおいて差異があれば、なかなか上手く行かない。これは、前回の参議院選挙の反省でもあるのですよ。とりあえず統一候補を立てたのだけれど、選挙活動は立憲、国民、共産でバラバラにやっていたのです。結果的に思ったほど効果があがらなかったので、今度は足並みを揃えようとすると、国会での活動から足並みを揃えて行かないと、選挙だけ一緒にやろうとしても上手く行かないということになった。そういうことを意識した上での、統一会派構想なのです。
政策、活動も一致させる必要がある~新党を意識する段階に
飯田)衆議院は政権選択の選挙とも言われます。そうすると政策面、あるいは国会活動の一致が無い限り、統一も上手くは行かないということですね。
須田)その辺りをすり合わせないと、与党に対してきちんと対立した政策を立てにくいのです。それを統一会派でまずやって行こうではないかということなのです。ただ、統一会派という段階でとどまって、選挙が始まったらまた無所属なんて形になりかねない。
飯田)今回は一部そうなってしまいました。
須田)1人区32選挙のうち、18の選挙区が無所属という形で、当選後に所属政党が決まって行くというわけのわからない形になりました。やはり衆議院、政権選択選挙ですので、それは絶対に許されないわけですよ。その先に何があるのかと言うと、政党の合流、新党なども意識する段階になって来たのかなと思います。
飯田)そこまでの政策すり合わせができるかどうかですね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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