参議院選挙~与党過半数確保も改憲勢力2/3に届かなかった理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月22日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。21日に行われた参議院選挙で改憲勢力を目指しながら届かなかった自民党の今後の見通しについて語った。
与党過半数確保も改憲発議に必要な85議席に届かず
21日に行われた参議院選挙で、自民公明両党は71議席と改選議席の過半数を確保した。一方、憲法改正の発議に必要な非改選議席と合わせ2/3である85議席には届かない結果となった。
飯田)ツイッターなどでもご意見をいただいています。“まおしー”さんからツイッターです。改憲要件について、「複数人区で自民党が3議席目を獲りに来ていない時点で、やっぱり戦略目標は自公で過半数だったように思われますが、須田さんのお考えはいかがでしょうか」と頂きました。
須田)安倍さん的にはそうだったかもしれないけれど、有権者や自民党サイドとしては、憲法改正の議論を前に進めて行くため、実現性を持たせて行くためにも85議席、これは自公と維新も含めての数字ですが、ここは1つ心理的な目標数値だったと私は思います。そこに届かなかったというところを考えてみると、秋以降の国会運営をどうやって行くのかなと。いくら憲法審査会が開けると言ってみたところで、国会発議について展望が開けるかどうかがポイントになって来ると思います。
飯田)今後、どうやって多数派工作をやって行くかというところが見ものになって来ると思います。
安倍総理の4選は難しいか
須田)改選数66で、獲った議席は56ですから、落とした議席が10あるわけです。2桁になった。このあたりの総括をどうするのか。これまで安倍さんというと、国政選挙を連戦連勝で求心力を保って来て、総裁3選を実現したわけです。昨日(21日)は4選と言う話も幹事長の方から出ていましたけれど、10議席を落としたということは、4選にはクエスチョンが付いて来るのかなと思います。
飯田)比例代表がまだ出てなかったところがあって、先ほど1つ出て来て19になったので、自民党は57になったということです。いずれにせよ9落としたということです。
昨日の特別番組のなかでも須田さんが指摘されていた、自民党のいわゆる重点区、東北を中心とした1人区、あるいは滋賀、大分、新潟、激戦区と言われたこの辺りは落としました。
競っているところで勝ち切ることができなかった自民党
須田)競っているところで勝ち切ることができなかったというところ、競り負けてしまったところが、今回の自民党の選挙戦において最大のポイントなのかなと。なぜ勝ち切ることができなかったかが、反省点として挙げられるところだと思います。何が悪かったのかという部分。
飯田)それから、複数区でも改選2議席で2人立てた広島。ここは野党に1議席取られて、参議院議員会長もやった溝手顕正さんが落ちてしまいました。
須田)昨日も甘利明選対委員長が番組に出演して、その辺については忸怩たる思いがあるという感じで。
飯田)苦笑いという感じでした。
須田)そういうニュアンスでの発言でしたが、これで2人勝っていれば話は別なのです。しかし1勝1敗になってしまったことで、選挙後の禍根を残すのかなと思います。
飯田)広島と言うと、県連の会長は岸田文雄さん。県連を挙げて応援したのは、どちらかと言えば溝手さんだったでしょう。
須田)ですから、当選された方は党本部しか応援していなかったということです。
飯田)元県議で自民党新人の河井案里さんが初当選しました。
須田)ということはポスト安倍という意味で、岸田さんの求心力が後どうなって行くのか。
党本部と官邸とで交渉して、一本化できなかったという点で、岸田さんに対する不信感が出て来るのかもしれない。
飯田)それから東京選挙区6人目、ギリギリのところで自民党は2人目の武見敬三さんが勝ちましたが、かなりもつれました。
須田)その辺も非常に象徴的な勝利だと思います。つまり武見さんは組織票、丸川さんは浮動票という形で棲み分けができましたが、組織票だけでは勝ち切ることができない難しい選挙になって来たと思います。今回はギリギリでした。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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