参院選で立憲民主が躍進も~この程度では政権交代は望めない
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月22日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。また立憲民主党の長妻昭選対委員長が電話で出演。21日投開票が行われた参議院選を振り返った。
単独過半数を維持できなかった与党~立憲民主党は17議席を確保
21日投票が行われた参議院選挙は、自民公明両党で71議席を確保。目標としていた改選過半数を上回り、非改選議席の70議席と合わせ、参院過半数の123議席を大幅に超えた。ただ自民党単独では改選議席を下回る57議席となり、単独過半数を維持できなかった一方、公明党は議席を14に伸ばしている。また立憲民主党は17議席を確保。改選前の9議席から議席を大きく伸ばした。
飯田)改選1人区が32。これが参院選の勝敗を大きく左右すると言われていて、自民党が22勝10敗。前回の参院選の21勝を上回ったということになります。さはさりながら、事前に激戦が予想されていたところは少し落としています。
須田)11の選挙区を激戦区に指定していて、そのうち1つしか取れなかったということは、結果だけ見ると、自民党、与党はきつかったのではないかと思います。
国会議員の数をいかに増やして行くかが課題の立憲民主党
飯田)1人区に関しては野党共闘ということがあって、それ以外でも立憲民主は躍進したと伝えられています。そこでこの時間は、立憲民主党の長妻昭選対委員長に結果について伺って行こうと思います。大躍進とも言われていますが、いかがですか?
長妻)現有議席から倍増近くにはなりましたけれども、関西を中心とした複数区で、東京も含めて、もうちょっとというところもありましたので、ここは少し残念です。
飯田)大阪の亀石倫子さん、東京の山岸一生さんというところは、あと少しだったという選対委員長としての口惜しさがありますか?
長妻)はい。
飯田)例えば年金の問題などをアピールされましたが、特に大都市の無党派層相手に、手応えはありましたか?
長妻)私や枝野代表が回って年金の話をすると、非常に手応えを感じましたが、やはり地方自治体議員の数や国会議員の数、そういう日常活動の差が最後の微妙な票に影響を与えたのではないかと思っています。
飯田)組織というところでは、まだまだ党として固めきれていないところがあったということでしょうか?
長妻)我が党も結党からまだ2年弱でございます。やはり国会議員の数が自民党に比べて圧倒的に少ないということもありますので、それはこれからの課題だと思います。
飯田)スタジオには須田慎一郎さんもいらっしゃいます。
須田)須田慎一郎です、よろしくお願いします。今回の野党共闘についてなのですが、1人区では実現しました。複数区と比例区ではバラバラに戦った。今回の野党共闘に関しての総括、評価はいかがだったでしょうか?
長妻)1人区で野党が複数出ては話になりません。そこをきちっと32の選挙区全部で一本化できました。複数区についても戦略的に、あるいは比例区についても野党が切磋琢磨して全体のパイを広げました。例えば広島のような2人区、複数区では一本化してトップ当選することもできました。
須田)ただ、広島の場合は敵失と言うべきでしょうか、自民党が2人も立てて来たからだという見方もできるのですが、いかがでしょうか?
長妻)当初の世論調査などでは自民党2議席、ほぼ確実であると出す新聞社もありましたから、最後に巻き返したのではないかと思います。
国民投票法のなかでCM規制がないということを変える議論をまずはすべき
飯田)これからの国会運営等々、憲法改正というところが今回もクローズアップされています。立憲民主党としては、与党側がむしろ議論に乗って来ないのだということをおっしゃっています。今後はどう対応して行きますか?
長妻)乗って来ないということではなくて、特に憲法審査会で、国会で国民投票法という国民投票の法律のなかでCM規制がない、つまりお金の上限がない青天井であることは、いくら何でもマズいので、そこを変える議論をしましょうと言っているのですが、なかなか前に進んでいない。私たちからするとそこが苛立たしいところではあります。
須田)その部分は、憲法の中身の議論と平行して行くわけにはいかないのでしょうか?
長妻)これは結局平行してやると、国民投票法を改正しないでそのまま突っ切るということもありうることです。国民投票法の議論は、そんなに時間がかからなくてもできますから、きちっと誠意をもって、まずそれからだということを私たちは申し上げています。
須田)そこがクリアできれば、いつでも議論の土俵に乗るということになりますか?
長妻)そうですね、国民投票法をまずキチンとクリアして行くことが前提です。それと私たちは結局、立憲主義、国家権力にタガをはめるのが憲法だということで、例えば解散権の制約であるとか、そういうことの議論までは拒んでいませんので、まず国民投票法をキチッとけりをつける。怖いですよ、CMのお金の上限がまったくないということですから。資金力によって日本の国の将来が決まるのはおかしいのではないかということで、申し上げています。
飯田)立憲民主党の選対委員長、長妻昭さんとつなぎました。躍進はしたけれども取りこぼしもあったという部分では、口惜しさも滲み出ていました。
立憲民主党が躍進ということは買いかぶりすぎ~政権交代までは望めない
須田)ただ、躍進というのは買いかぶりすぎだと思いますよ。だってスタート台が低い、議席が少ないわけですから。本来でしたら次の衆議院選挙で政権選択の受け皿を手にすることが野党の役割であるのだけれど、参議院でこの体たらくでは、次の衆議院選挙だって結果的に野党が勝ったところで……、ということになるのではないでしょうか。
飯田)要するに政権交代までは望めないと。
須田)望めないということになると思います。
まずは日本国内で安全保障についての議論を始めるべき
飯田)今回の参院選でなかなか争点になりづらく、しかし重要な安全保障について、安倍首相は自民党総裁としてさまざまなメディアのインタビューに答えています。ホルムズ海峡のイランとの関係について、アメリカが言っている有志連合構想については、まずは話を聞いてみたい。一方で、イランとの友好関係も日本の財産であるということもおっしゃっています。
須田)アメリカの話を聞いてみてということではなくて、自分の国のタンカーを、船舶をどう守るのか。アメリカがやれと言っているからやるのではなく、そう言う要請がなくてもどうやって守って行くのかというところを、やはり日本国内できちんと議論すべきではないかなと思います。
飯田)主権国家としては、まずそれが最低限の責任であると。
須田)そうですね。だから主権という意味では、国益というところにもつながって行きますから、まさにそこがリスクにさらされているだけに、自分たちの憲法の制約でそれができないということはどう考えてもおかしい。
飯田)ホルムズ海峡は、日本に来る原油の8割が通る。まさにこれは生命線。
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