韓国への輸出規制は「安全保障上の問題」から

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月9日放送)にジャーナリストの有本香が出演。文在寅大統領が日本の輸出規制の撤回を要求したというニュースについて解説した。

韓国の文在寅大統領、日本の対韓国輸出規制について撤回を要請

韓国の文在寅大統領は8日、大統領府で開いた会議のなかで、日本の対韓国輸出規制について日本側の措置撤回と、両国間の誠意ある協議を促すと語った。輸出規制の撤回要請はこれまで閣僚が主張して来たが、文在寅大統領が直接言及したのは初めてとのこと。

新行)また文在寅大統領は、韓国企業に実際に被害が及べば、わが政府も必要な対応を取らざるを得ないとも述べたとのことです。

韓国への輸出規制は「安全保障上の問題」から

2018年10月30日、ソウルの韓国最高裁で行われた判決後に会見する元徴用工の李春植さん(中央) 写真提供:時事通信

いわゆる徴用工問題への報復措置ではない

有本)必要な対応とは何なのでしょう。この件について韓国メディア、それから日本の一部メディアでも間違った情報が報道されています。その間違いは2点あります。1つは一連の韓国側の、戦時朝鮮半島労働者、徴用工という言い方もされますが、これへの報復措置だという言い方がされています。無論、いわゆる徴用工問題や、このところ韓国側から日本に対する信じられないようなことがたくさんありました。

新庄)レーダー照射問題などですね。

有本)こういうことに対して、日本側がある種の報復をしたという見方はできるし、国民感情としても、そうかなと思える人がアンケートでも大半だということはあるのだけれど、そうではありません。安全保障上の問題があるということに対する対応なのです。自民党の萩生田幹事長代行がテレビ番組で言っています。今回対象になっている3つの品目が、いままで日本から韓国へ輸出されていました。それは何の手続きもないフリーパスのようにして出していたのです。他の国と違って韓国は信頼できる国だから、ということで特別待遇していたわけです。

新庄)ホワイト国として。

安全保障上の脅威となる理由からの輸出規制

有本)これが文在寅大統領になってから、著しく量が増えている。聞けばどうやら今回対象になっているものは、化学兵器などに使うことができる。それから、賞味期限という言い方がいいのかはわからないけれど、劣化が非常に早いそうです。だから貯めておけないのです。にも関わらず、多いときは3年分くらいに相当する量を輸入していたらしいです。その行き先が分からないという状況があって、日本側はずっとウォッチしていたそうです。半年くらい前に「これはまずいのではないか」ということで、韓国側に回答を求めた。「この行先はどうなっているのか」と。その解答をG20までには出してくれと言っていたものが、出なかった。これに対しての対応なのです。萩生田さんが言ったのは、ひょっとすると北朝鮮に流れているのではないかとか、いろいろな懸念があります。そうなると制裁破りであると同時に、日本にとっては安全保障上の脅威に直結しますから、黙っていられないということです。単に報復ということではなく、安全保障上の脅威が大きいということと、韓国と日本はホワイト国への指定を2004年からしています。長らく信頼関係を持っている特別な国です。他の国とは違う対応をしていたのですが、もうそういう対象ではないと改めたということに過ぎません。韓国側はWTOへの提訴などと言っていますが、果たしてこれはできるのか。

新行)該当するのかというところですよね。

有本)私が出ているインターネット番組「虎ノ門ニュース」で先月(6月)、佐藤正久外務副大臣にお越しいただいたときに、韓国側に対して日本は何も対応しないのかということをしつこく聞きました。そのときに、立場上はっきりとは言わなかったけれど、さまざまな準備をしている、やるべきときにはやりますよと言っていました。それと、韓国メディアと日本の一部メディアがもう1つ言っているのは、選挙利用ではないかということです。

新行)参院選前に。

有本)そうではないのですよね。先ほど言ったように、G20までには答えを出してくれ、たくさん日本から行った物資はどこへ行ったのかという答えを無視しているわけです。それで日本側が措置に乗り出したということです。

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