ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月11日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。WTOが韓国のバルブ課税措置に是正勧告をしたニュースについて解説した。
日本製空気圧バルブへの高関税~WTOが韓国に是正を求める最終判断
世界貿易機関(WTO)の最終審に当たる上級委員会は10日、韓国が日本製の空気圧バルブに課している追加関税について、韓国の措置はWTOの協定違反だとして是正を求める判断を示した。一審の紛争処理小委員会に続き、日本の主張が認められた形で、事実上の日本の勝訴が確定した。
飯田)最終審に当たるということですが、空気圧バルブは半導体や自動車の生産ラインで使われているそうですね。
高橋)これは政府側の枠組みの話なので、不当廉売されていて、自国産業が窮地に陥るということを証明すればいいのですけれどね。
飯田)不当に日本のものが入って来て、安くなっていると。
高橋)これは価格調査をするときに、性能格差というものを調整しなくてはだめなのですよ。でも、なぜそういう話ができないのでしょう……。訴えるのだったら、そのくらいの話はできなければいけないと思います。それなりに合理性があれば認められるのですよ。だから韓国は、何も資料を出さなかったのかなと思いました。
飯田)韓国製と日本製は競合していないと日本政府は言っていて、それは性能が違うからだと主張していました。
高橋)同じ名前がついていても分野が違うし、そうなれば価格も関係ないし、競合しなければそもそも損害も与えていない、というロジックでしょうけれどね。損害を与えていると言うのならば、その証明をすればいいのです。
日韓関係の悪化とは無関係
飯田)こういうニュースが来ると、韓国と日本の間の貿易、安全保障にまつわる話なのかと思いきや、これは2015年からやっているのですね。
高橋)WTOのなかの話は、いろいろな国でいろいろな係争があるから、これは関係ないですよ。たまたまこういうタイミングで出てしまって、これでまた日本の人も喜ぶかもしれないけれど、本来は関係のない話なのです。
飯田)別に日韓関係云々ではない。よくそれを結び付けて、「だから経済的にも仲よくしなければならないではないか」と言う人もいます。
高橋)お互い合理的にするのは構わないと思いますが、いまはヒートアップし過ぎていますよね。私が本を出したときもヒートアップしましたが、ちょっと前に書いているので、冷静なのですよ。「断交なんてお互い得にならない」とかね。
飯田)経済の損得で分析すればわかることですね。
輸出先と消費量を明らかにすれば問題はない
高橋)安全保障の話で言うならこういうことがあるし、韓国を防衛するのだったら徴用工の話なんて持って来ないで、輸出先のリストや消費量を出すだけで終わってしまうのに、という話を書いているだけです。冷静にやればいいのですよ。感情で反応しても仕方がないでしょう。
飯田)扶桑社新書から『韓国、ウソの代償』。タイトルはすごいのだけれど。
高橋)中身はデータだけ書いてあって、冷静に考えるという話です。
飯田)いわゆる徴用工、募集工の報復で、日本が制裁で輸入規制を厳しくしたのだと言われますが、そうではないですよね。
高橋)そもそも輸出管理の部分の政令ですからね。改正理由に、ただの安全保障の話だと書いてあるのですが。
飯田)ちゃんと管理してくれたらこっちだって出すのに、と。実際にそれが担保された部分に関しては、出しているわけですからね。
高橋)サムスンは出しているから、生産経過は変わっていないでしょう。影響なんてほとんどないのです。
飯田)その意味でもヒートアップし過ぎていると。
高橋)し過ぎですね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。