韓国与党議員が竹島に上陸~朝鮮半島有事の場合の防衛体制のリスク

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。韓国の与党議員が日本の輸出規制抗議のために竹島に上陸したニュースについて解説した。

韓国与党議員が輸出規制に抗議するため竹島に上陸

韓国の与党「共に民主党」と無所属の国会議員6人が、8月30日、韓国が不法占拠する島根県・竹島に上陸し、現地で日本政府の対韓輸出管理の厳格化を批判した。日本の外務省、金杉憲治アジア大洋州局長は、在日韓国大使館の金敬翰(キム・ギョンハン)次席公使に電話で抗議し、再発防止を求めている。

飯田)韓国側の主張では自分たちの領土だと言っているのですが、日本に抗議するために竹島に上陸ということになると、そこは日本の領土と認めて嫌がらせしているのだととれないこともないですが。

須田)日本の領土と認めているというよりも、紛争地域であるということです。

飯田)そのアピールをしたい。

須田)いや、韓国はそもそも紛争そのものがないのだと主張していたのです。

飯田)そうですよね、自分たちの領土だと言っているのですからね。

須田)しかし、そこに抗議の意味で上陸するということは、紛争地域であることを認めたということになる。

飯田)では国際的な裁判所などに行って、紛争を解決しましょうよ、ということになりますよね。

韓国与党議員が竹島に上陸~朝鮮半島有事の場合の防衛体制のリスク

外務省で取材に応じる河野太郎外相=2019年8月22日、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

迷走する韓国の対応

須田)きちんと決着をつけよう、ということにもなりかねない。韓国の対応を見ると、論理に基づいてシステマチックに動いているものではなくて、もはや迷走しているという状況です。感情で動いているような感じがしますよね。

飯田)一方で日本からは、フッ化水素の輸出も許可されはじめた。審査に通ったものであればすべて許可するという、日本のスタンスが証明されて来ていると思います。

須田)輸出実績があるもの、そして従来から使用しているものに関しては、個別審査をすると言っても1ヵ月程度で認可がおりるのです。日本政府として、あるいは経産省としても、かなり急いでいますからね。新規のものや研究開発用のものに関しては3ヵ月ぐらいかかるのですが、2ヵ月以内に認可がおりているのが実情です。ですから韓国の主張する、「日本が政治的な意味合いで制裁している」ということではないことが、いみじくも実証されてしまったのではないかと思います。

飯田)それから、先週あたりからずっと言われているのが、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄。アメリカが止めたにも関わらず、ひっくり返したといういろいろな報道が、先週あたりもずっとされていましたね。

須田)以前この番組で申し上げたように、私がワシントンに行ったとき、「仮に韓国がGSOMIAから離脱したらどうしますか?」と聞いたら、「絶対にそんなことはない」と答えた。なぜなのか聞いてみたら、この協定は韓国にとって多大なメリットがあるけれども、デメリットは何もないのだから、合理的に考えてそんなところから離脱するという選択肢はありえないと。だから、アメリカは高を括っていたのですよ。韓国はアメリカのサゼッションも聞かない国になってしまった。そこにアメリカはネガティブに反応しているのではないかと思いましたね。

朝鮮半島有事の場合の日米韓の防衛体制

飯田)そうすると、韓国に置いている在韓米軍をどうするのだとか、米韓同盟を考えると、東アジアの防衛体制が変わる可能性もありますよね。

須田)朝鮮半島に有事が起こった場合には、韓国軍はアメリカ軍の指揮下に入るのですよ。これが指揮権です。

飯田)いまのところ、そういうことになっていますよね。

須田)そうなったときに、日本の防衛衛星に関する情報のやり取りがスムーズに進まない可能性があります。指揮下にある韓国軍には、それを渡せないという状況にもなりかねない。となると、アメリカ軍の展開が制約される場合もある。そのあたりは有事になれば無条件に渡すと思いますけれどね。ただ、それが終わった後に、日米韓で相当ぎくしゃくしかねないということになります。

飯田)GSOMIA破棄がアメリカ軍にとってリスクだと国防次官補が明言するのは、命の危険にさらされる可能性もあるということですものね。

須田)平時はいいのです。有事になったらどうするのかということです。

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