明るくじっくり「人生の終わり」を考える納骨堂バスツアー開催!
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「終わりよければすべてよし」という言葉があります。どんなものごとでも、「終わり」がキチッと決まると、本当に気持ちがいいもの。ビジネスシーン、スポーツの体操競技、ラジオ番組のエンディング……。中でも、「人生の終わり」は、その集大成と言えるかもしれません。昨年(2018年)大好評だった、ニッポン放送が主催する「みんなで終活!都内納骨堂をめぐるバスツアー」の第2弾が、約100名の皆さんが参加して8月30日(金曜日)に開催されました。
参加者の皆さんは、ニッポン放送のイマジンスタジオに集合。上柳昌彦アナウンサーの案内で、葬儀・お墓・終活コンサルタントの吉川美津子(きっかわ・みつこ)さんによる「終活セミナー」を受講し、最新の「終活」事情を学びます。その後、2つのグループに分かれて貸切バスに乗車、午前から午後にかけ、東京都内でも“注目の”納骨堂・3か所を巡っていきました。
最新の「お墓」事情とは?
講師の吉川さんによると今、「遺骨」に関する悩みが多いといいます。背景にあるのは、核家族をはじめとした、家族の形の多様化。熟年離婚、独身者の増加、家族間の宗教の違いなどに加え、都市に人口が集中し、地方にある先祖代々のお墓の管理が行き届かず、無縁墓も増加しているのだそうです。このほか墓地の基本から流行りのお墓まで、約1時間、情報満載の講義となりました。
セミナーを受講された皆さんは、A・Bのグループに分かれて2台のバスに分乗、ニッポン放送から東京都内の納骨堂をめぐるバスツアーへ出発!初めての方同士でも、“ラジオリスナー”の連帯感で、すぐ車内は賑やかになりました。生憎の天気でしたが、納骨堂には「天候に左右されずお参りできる」メリットもありますので、参加者の皆さんも身をもって実感されたようです。
まぶしい光が差し込む新しい納骨堂「ひかりの園」
最初にやって来たのは、品川区西五反田にある「ひかりの園」。平安時代からの歴史を誇る天台宗のお寺、「臥龍山安養院」が運営する納骨堂です。中でも、地下1階の「龍星・玉響(りゅうせい・たまゆら)」は、今年3月に出来たばかり。ICカードで場所を確認、手前の焼香所で合掌して、足を踏み入れれば滝が広がります。お骨の場所が動かない納骨壇タイプで、8霊まで納めることが出来るようになっています。
ひかりの園HP:https://hikari-no-sono.jp/
「まったく新しいスタイルの埋葬」として作られたのが、2階にある書架式納骨堂「黎明・日出処(あかつき・きぼう)~ひかりの魂手筺(たまてばこ)」です。
焼香所が無ければ、まるで図書館のような雰囲気!「ひかりの園」によれば、大事な人が亡くなった後も抱きしめられるように・・・そんな住職の思いから、書架式の納骨堂を作ったのだそうです。今後は、一家に一つのお墓ではなく、一人一冊のお墓になっていくのかもしれません。
「ひかりの園」に続いて訪れたのは、隣接する自動搬送システムの納骨堂「ひかり陵苑」。1階にスタンダードタイプの参拝室「照花(しょうか)の間」、3階にデラックスタイプの参拝室「煌鳥(こうちょう)の間」と特別個室「燦月の間」(完売済み)があります。こちらも指定の骨壺であれば8霊まで納めることが出来、宗旨・宗派は不問。承継者がいなくなった場合、遺骨は安養院内の合祀墓で永代供養してもらえるそうです。
ひかり陵苑HP:https://hikari-ryoen.jp/
お昼は一旦、ニッポン放送本社ビルに戻って、地下1階の「綴」でランチ。ミニお造り付きの松花堂弁当で、午後のツアーに向けて腹ごしらえです。ここで新人研修の講師を終えた上柳アナウンサーが、再びツアーの皆さんと合流。「あさぼらけ」をはじめとした番組のこぼれ話や記念撮影で盛り上がります。参加者の皆さんの中には、終活イベントに積極的に参加されている方もいる様子。
綴 HP:https://tsuzuri.owst.jp/
ニッポン放送「上柳昌彦 あさぼらけ」HP:https://www.1242.com/asaborake/
下町を望む納骨堂「蔵前陵苑」
午後からは、終活アドバイザーの永田さんがバスに乗り込んで、朝のセミナーのおさらいをしながらの納骨堂ツアー。再びニッポン放送を出発してやって来たのは、台東区寿の「蔵前陵苑」です。コチラも、平成30(2018)年にグランドオープンしたばかりの新しい納骨堂。浄土真宗(大谷派)のお寺、およそ550年の歴史を持つ満照山眞敬寺が運営しています。
蔵前陵苑HP:https://kuramae-ryoen.jp/
納骨堂の「自動搬送システム」と呼ばれる仕組みは、立体駐車場のような車が動く仕組みではなく、自動のクレーンが安置されている所から墓参室の参拝口まで丁寧に運んで、再び元の場所へ安置するシステムのことです。じつはコレ、通信販売で有名なA社の倉庫システムを応用したものだそう。「蔵前陵苑」ではこのシステムを使い、ICカードが1枚あれば、供花・線香などの準備や、お墓の掃除などをしなくても、お参りが出来る仕組みが作られています。
「蔵前陵苑」の建物は6階建てで、3階と6階が墓参フロアとなっています。エレベーター前のロビーからは、下町らしい景色が一望。お寺が運営しているため、2階が本堂、4階が副本堂・法要室、5階は会食などが出来る客殿となっており、葬儀・納骨・法要・会食までが1カ所で出来るのが特徴です。年齢を重ね、足腰の不調を訴える方が多い中、このような取り組みは有難い限りですね。
スタイリッシュな今どきの納骨堂「本駒込陵苑」
納骨堂バスツアー、おしまいは文京区向丘の「本駒込陵苑」にやって来ました。こちらは、浄土宗のお寺「正覚院十方寺」が運営している納骨堂です。十方寺は、将軍・徳川家康から土地を拝領したことがきっかけで生まれた由緒あるお寺。「本駒込陵苑」は今年(2019年)1月に出来たばかりで、入口はお寺らしさが感じられますが、奥に見える建物は、まるでリゾートホテルのような雰囲気です。
本駒込陵苑HP:https://honkomagome-ryoen.jp/
苑内へ入ると、内装もリゾートホテルを彷彿とさせるスタイリッシュな雰囲気。地上4階・地下1階建てで、2階と3階が礼拝室となっており、2階の「花鳥風月」は木や花がモチーフ、3階の「飛龍祥雲」は本物の金を使った煌びやかな礼拝室となっています。本駒込陵苑も「自動搬送式」の納骨堂ですので、ICカードを指定の場所へピッとかざすと、モニターに場所が表示され、礼拝室の各ブースへ案内される仕組みとなっています。
「自動搬送式」の納骨堂における参拝のルーティーンをまとめますと……
1. 納骨堂のエントランスなどでICカードをかざし、指定された参拝室へ。
2. 参拝口の扉が開き、墓石などが現れ、モニター画面に遺影、戒名などが表示される。
3. 参拝。なお、供花・線香などは不要。
まさに最新のテクノロジーが詰まったお墓参り……ちょっと興味深いですよね。
明るい「終活」で、1日1日をより大切に生きるきっかけに!
ツアーに参加された方からは、「いろいろな納骨堂を比べられたのがよかった」「最新の納骨堂の様子が分かった」といった声が聞かれました。一方で「(今回見た施設には無いが)一般の企業が運営する納骨堂の場合、永代供養とはいっても、将来ずっと経営的不安はないと言えるのか」といったシビアな声もありました。
ちなみに今回訪ねた納骨堂は、販売額・維持費なども、しっかり金額が決まっていました。檀家として“気持ち”を納める従来のお布施から、宗派不問・明朗会計の納骨堂へ……。お寺と私たちとの関係も、より分かりやすく、現代的に変わってきていることを感じさせてくれるツアーでもありました。
いつまで生きられるか分からないから「やらない」のではなく、いつまで生きられるか分からないから「今、やれることはみんなやっておく」……これが1日1日を大切に生きる基本。理想のエンディング目指して、明るい「終活」を楽しんでみませんか?
(取材・文・写真・望月崇史)