黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」（ニッポン放送）に、カレー・スパイス料理研究家、一条もん子が出演。自身が監修して書籍にもなったレトルトカレーの“ちょい足しレシピ”について語った。

黒木）今週のゲストは、カレー・スパイス料理研究家の一条もん子さんです。小さいときからカレーを食べていたのですか？

一条）家が農家だったので、親が山に行っていて、いないことが多かったのです。小学校3年生あたりから、親がいないときは私が夕飯をつくるようになりました。じゃがいもや玉ねぎ、人参なども自分の家でつくっていたし、お米もつくっていたので、そうなると当然カレーになるわけです。カレーで生活せざるを得ない環境にいたのかもしれません。

黒木）それを将来の職業にするとは、小学校3年生のときは思いもしませんよね。

一条）一旦は違う業界で就職をしました。でも、30歳になる前くらいから、本当にこの人生でいいのかと思い始めたのです。こんなにカレーをずっと作り続けていて、趣味で終わらせていいのかなと、カレーを生業として生きて行きたいと思ったのです。人生はまだ何十年も先があるのに。仕事はやめて、修行に入りました。

黒木）どんな修行ですか？

一条）まずはカレー屋さんで働くことと、プロの料理研究家の先生のアシスタントとして、お手伝いをさせていただきました。先生と飲食店を掛け持ちしながら、徹底的にカレーを体に叩き込むということを10年くらいやりました。

黒木）そんなに。

一条）いろいろなカレーの美味しい飲食店、6店舗を渡り歩きました。さまざまなジャンルのカレー屋さんで働きましたが、働かないとわからないことはたくさんありましたね。

黒木）働くということは、カレーをつくるということですね？

一条）食べるだけであったカレーを、出汁を取るところからはじめたのです。そうすると世界が一気に拡がって、「あ、ここだ」と。自分がやりたかったことは、カレーをつくって提供する、それをみなさんに語って伝えるということだなと思いました。

黒木）脱サラしてということですが、好きな道だから行けたのでしょうね。

一条）後先を考えなさすぎですよね。もうちょっと計画すればよかった。

黒木）レトルトカレーの本を監修されていますが、少しアレンジすることによって味がよくなるということです。

一条）劇的に美味しくなるというレシピ本を作ったのです。

黒木）しかもこのレトルトカレーが100円とか、リーズナブルな安いカレーほどいいと。

一条）どなたのお家にも、買い置きのレトルトカレーはありますよね。みなさん、よくソースやケチャップを入れたりしていますが、もう少しテクニックを加えればもっと美味しくなるというレシピを、私はたくさん持っていたので、それを本に纏めたものです。

黒木）すごく簡単なのですね。入れるだけとか、混ぜるだけとかね。

一条）包丁、まな板を使わないレシピもあるし、小学校のお子さんでも作れる簡単なものもあります。あとは、忙しい主婦の方がひと手間加えて、美味しいごちそうにするというようなレシピを加えました。

黒木）いろいろな食材をミックスしていますが、どこから閃くのですか？

一条）まず頭のなかに、ある家庭の冷蔵庫を思い浮かべるのです。どこの家庭でもなかに入っているだろうなという調味料と食材を書き出して、それを美味しさの組み合わせで脳内調理します。難しい材料を使ったら、簡単なレトルトの意味がないので。

黒木）いまは安いレトルトと言っても、美味しくはなっているのでしょうけれどね。

一条）そのままでも、以前と比べれば美味しくなっています。

黒木）1冊あると便利だなぁと。

一条）これは、日本初らしいです。カレーのアレンジ本を出した人はいないと言われました。

黒木）しかもレトルトですからね。

一条もんこ（いちじょう・もんこ）／ カレー･スパイス料理研究家

■カレー・スパイス料理研究家。新潟県出身。家庭科教諭免許保持。よこすかカレー大使。
■年間800食カレー生活を送り、レトルトカレーについては3000食以上を実食。さまざまな飲食店での料理人経験を経て、現在は主にカレーとスパイス料理のレシピ、メニュー、商品開発に携わっている。
■またメディアにも数多く出演し、ブログではオリジナルのレシピも公開。カレー研究会、スパイス料理教室を主宰するほか、全国でカレーにおける町おこし活動を実施するなど多方面で活躍している。
■監修を務めたレトルトカレー『あしたのカレー』も発売。またレトルトカレーのアレンジレシピ本など、カレーにまつわる本も出版。

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