COP25における3つのポイント

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(12月16日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。マドリードで行われたCOP25について解説した。

第25回気候変動枠組条約締約国会議-Wikipediaより

COP25会期延長するも、合意は来年に先送り

国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は15日、会期を延長して交渉を続け、温暖化対策の強化に各国を促すということを盛り込んだ成果文書を採択した。しかし、来年(2020年)から実施が始まるパリ協定のルールについては合意ができず、来年に先送りされることになった。

飯田)40時間延長し、目標の積み上げをめぐって議論されました。

フロン類の適切な回収・処理に向けた国際枠組みの設立を宣言した小泉進次郎環境相(左から4人目)=2019年12月10日、スペイン・マドリード 写真提供:時事通信

今回のCOP25での3つのポイント~削減強硬派は上昇温度1.5度を目標に

須田)この件について、3つのポイントに注目していただきたい。実は今回のCOP25は、水面下でこの問題をめぐって綱引きが行われていました。何かと言うと、パリ協定においては産業革命前より平均気温の上昇を2.0度未満、できれば1.5度に抑えることを目標に掲げています。しかし、2.0度と1.5度にはかなり差があります。パリ協定においての「2.0目標」が現実的な目標ということで推移していたのですが、これをどう設定するかで先送りされて来ました。そのなかで今回、CO2削減を強力に進めて行こうというグループは、1.5度という目標を設定したかった。ところが、これをやると年間で8300億ドルかかる。

飯田)8300億ドル。90兆円近くかかるということですか?

須田)全世界ベースで年間90兆円かかるということで、いくら何でもそれは無茶でしょうと、それに反対するグループと激しい綱引きが行われて来た。そのことを頭に入れておいてください。

ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」

「カーボン・オフセット」をめぐる攻防

須田)2点目はカーボン・オフセットについて、認めるか認めないか。ただ、これは単純な排出権取引ではなく、発展途上国とカテゴリーされる国は、これまで「自分たちはCO2を排出する権利があるのだから、その売買を認めろ」ということがあり、そのなかに中国も入っています。しかし、環境過激派は「カーボン・オフセットは認めない」という方向に進めようとし、中国をはじめとする発展途上国は、自分たちはまだまだCO2を排出する権利を有しているというところを押し通そうとしている。先進国はそんなことを認めたくない。認めてしまったら目標は達成できないし、年間90兆円の負担が、自分たちのところに一気に押し寄せて来てしまう。それでまとまることができなかった、というのが実態なのです。

総会議事堂(国際連合-Wikipediaより)

国連が機関投資家を集めてファンドを運用

須田)もう1つ大きな動きがあって、常にこの温暖化問題について語るときに、「温暖化は本当に進行しているのか?」、「それはCO2が原因なのか?」というところが議論されます。しかし世界の動きはそれを飛び越えていて、もう温暖化しているのだから、温暖化しているかどうか、それがCO2の排出によるものかどうかは問題ではないのです。そこは議論していません。いま国連は、とんでもないことを進めています。世界の機関投資家、ファンドや年金基金を統合して、要はそういう機関投資家が投資する、あるいは株主総会で議決権を行使するにあたり、「CO2の排出に後ろ向きである企業に対して、厳しく対応しろ」と。「場合によっては持っている株式を売却しろ」というルールを作って、それに賛同する機関投資家を山ほど集めています。日本からはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が参加しています。そのファンドが運用している資金をトータルすると、440兆円です。これが一気に動き始めるわけです。そうすると企業としては、国連の議論はともかく、そのファンドの意向を聞かなければならない。ファンドは国連の影響下に置かれるのです。

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