新型コロナウイルスによる経済への影響~消費税を減税するしかない
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。新型コロナウイルスによる経済への影響について解説した。
財務省、日銀、金融庁が株価下落を受け臨時会合を開催
新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から、25日の東京株式市場で株価が大幅に値下がりしたことを受け、財務省と日銀、金融庁が臨時会合を開催した。会談の後、財務省の武内財務官は「緊張感を持って市場動向を見守ることで一致した」と話している。
飯田)見守ることで一致したそうです。
そもそも消費増税によって起こった経済の悪化
高橋)見守るよりはアクションをして欲しいです。そもそも財務省がやった消費税増税が悪いのだから、そこをまず反省して欲しいですね。消費税増税の後にこれが起きているので、奈落の底に落ちて、さらに落ちるということになっています。消費税増税がなければ耐えられたかもしれませんが、耐えようがありません。10~12月のGDPはマイナス6.3で、過去25年で4番目に悪い数字です。1、2番目がリーマンショックで、3番目が前回の消費増税です。リーマンショックは不可抗力と言っていいですが、消費増税の2回は不可抗力ではありません。
飯田)自分たちで勝手にやったということですよね。
高橋)私の予測が当たりました。消費の動きだけを見ると、過去25年でいちばん悪かったのが、前回の2014年の消費増税です。今回が2番目に悪くて、3番目が1997年の消費増税です。すべて消費増税が並びます。
飯田)消費だけを見ると、リーマンショックのときよりも大きい。
高橋)そうです。リーマンショックのときは外需、輸出が悪くなって、その後に消費が悪くなるというパターンでした。消費の影響だけ並べると、すべて消費増税が並びます。それなのに財務省と日銀は暖冬、台風を理由にしています。
飯田)台風は毎年来るだろうという話だし、10月や11月が冬かと。
高橋)それに台風が来る地域は決まっているから、その地域の経済とそれ以外の地域の経済を見ると、全部が悪いので、台風のせいだという説明はできません。消費増税だけです。下落を見守る前に、政策を反省して欲しいです。だいたい財務省は嘘をつきますが、1997年のときも消費増税ではなくアジアショックだと。
飯田)アジア通貨危機だと言いましたね。
高橋)そういう形で外に説明しろと言われて、学者が騙されました。いまでもアジア危機になっています。
飯田)消費増税の影響はなかったと。
高橋)だったら、なぜ3番目に消費が悪くなるのでしょう? 2017年のときはさすがにわかっていましたが、今回もごまかしています。まだ景気は回復基調だと言っています。
飯田)一時的な要因だということになっていますね。
消費税を元に戻す以外に方法はない
高橋)消費増税が3年効いて、一時的な要因だなんて笑ってしまいますね。財務省、日銀、金融庁は見守るのでなく、自分たちの政策を検証するべきです。消費増税で失敗したのですから、元に戻すしかありません。
飯田)消費税を減税する。
高橋)1回やって失敗したのであれば、元に戻すしかないです。それは軽減税率でも何でも、やり方はあります。日銀だって金融緩和しないと倒産が出て来ますよ。
飯田)すでに旅行関係で倒産が出ていますからね。
高橋)イベントもこれから3月いっぱい観光、金融機関のものはすべて中止ですから、イベント収入の人も大変です。
飯田)民間はそういうものと足並みをそろえる形になるから、どんどん冷え込みますよね。
高橋)イベント系や放送業界の人も大変です。見守るのではなくて、補正予算を通して用意をした方がいいです。
飯田)本予算を審議していますが、本予算の前に2019年度補正予算を、というのは難しいのですか?
高橋)いま審議していますからね。2月いっぱいで予算は通るのだから、3月になったら新年度の補正予算を準備した方がいいです。
4月頭に補正予算を出すべき
飯田)日経辺りが与党のなかの議論を紹介していましたが、2019年度予算の予備費が2700億円くらいあるから、これを全部出してやれと。
高橋)当たり前です。それでも足りないでしょう。たぶん5兆円くらいやらないと、1~3月は大変だと思います。これは5月に発表になりますが、そのころはオリンピックが危なくなります。もしかすると安倍政権の終わりということにもなりますよ。3月は参議院で予算審議をするのですが、どうせ自然成立なのだから、そのときに準備して4月はじめに補正予算を出せばいいのです。そのくらいでいいと思います。
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