黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に新日本プロレスリング社長兼CEOのハロルド・ジョージ・メイが出演。仕事についての自らの思いを語った。
黒木)今週のゲストは新日本プロレスリング社長兼CEOのハロルド・ジョージ・メイさんです。時事通信社から出版されている『百戦錬磨 セルリアンブルーのプロ経営者』のなかで、「会社の要は人である」とおっしゃっていますが、よく聞きます。
メイ)そうですよね。社員こそが会社のいちばんの宝だと思います。旗振り役で戦略や経営方針をつくるのが社長であり、実行するのは会社にいる方々で、結局は社員が会社をつくっているのだと思います。
黒木)パッションがない方はどうするのですか?
メイ)いつも言っているのが、プレゼンのとき200ぐらいの熱意で言えば、相手に半分しか伝わらなくても100ですよね。ちょうどいいくらいです。ここまでの意識や強さ、パッションでやっているということが伝われば、必ず何%かは仕事に反映できると思います。いちばんの夢は新日本プロレスリングが日本だけでなく、世界を代表するプロレス会社になることです。いまは世界2位です。どうしたら1位になれるかをいまから考えなければいけないと思いますし、ポテンシャルはあります。現に昨年(2019年)4月に、プロレスの聖地と呼ばれているニューヨークのマディソンスクエアガーデンで試合をやりました。そこで1万6000席が16分で完売しました。しかも、99%が現地アメリカの方でした。これは新日本プロレスリングが世界に認められている証だと、我々社員も選手も手ごたえを感じました。
黒木)プロレスを愛している人が多いのですか? それとも選手を目当てにしているのですか?
メイ)その辺が非常に面白くて、プロレスの正しい見方はなく、100人いれば100通りの見方があります。勝負が面白いとか、選手そのものがかっこいい、応援したい、技を見たい、ドラマが見たいなど、いろいろな理由があるにせよ、そこに集まっているみんながプロレスファンです。ここがユニークで、年齢や男女の壁もなく、大人も子どもも観ることができます。初めて観た人も、40年観続けている人も一緒に観ることができて、楽しいというスポーツはなかなかないと思います。非常にポテンシャルを感じています。
黒木)プロレスのどんなところに魅せられるのですか?
メイ)プロレス会場に一歩入ると、そこはまったく別の異空間です。男同士が戦っている場というのは、普段の生活では見ることができませんよね。ある意味、憧れでもあります。選手の身体づくり、人間離れした技を見ると、こちらまで元気になります。また頑張ろうという魅力がいちばんだと思います。
ハロルド・ジョージ・メイ/新日本プロレスリング 社長兼CEO
■1963年、オランダ生まれ。8歳~13歳まで父親の仕事の関係で日本・横浜で生活。
■その後、インドネシアへ移り、大学からはアメリカへ。ニューヨーク大学修士課程修了。
■ハイネケン、ユニリーバ、サンスター、日本コカ・コーラ副社長、タカラトミー代表取締役社長を経て、2018年、新日本プロレス社長兼CEOに就任。
■タカラトミーでは業績をV字回復させ、在任中同社の株価を4倍近く上げた。新日本プロレスでは国内のみならず海外にも広くその存在を認知させ、2020年1月4日~5日には前代未聞の2日連続の東京ドーム大会を成功させた。
■マスコミ、経済界からも引っ張りだこの異色の経営者として知られ、日本語が堪能で明るくユーモアのある人柄でも知られている。
■2019年12月には時事通信社より『百戦錬磨:セルリアンブルーのプロ経営者』を出版。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳