黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に新日本プロレスリング社長兼CEOのハロルド・ジョージ・メイが出演。新日本プロレスのファンに対する取り組みについて語った。
黒木)今週のゲストは、新日本プロレスリング社長兼CEOのハロルド・ジョージ・メイさんです。選手が70人いらっしゃるということですが、70人もいらっしゃったら大変ですよね。
メイ)選手を管理するためだけの部署もあります。会社としての大きな役割は、選手の個性をいかにお客様に伝えるかということです。我々はプロレスラー1人1人がブランドだと思っています。1人1人の魅力をSNSやYouTube等々で伝えることによって、さらにお客様が選手に対して感情移入できる、本当に応援したくなる、「自分はこの選手が好きだ」となるように日々頑張っています。
黒木)かわいいぬいぐるみがあります。
メイ)これは「ぴょんすけ」と言います。私が名付けました。肩にかける選手のかたちをしたぬいぐるみです。これで試合の応援をしてもらって、試合が終わったら、これは肩から磁石でついているのですけれども、また違う選手に乗せて持って行けるのです。いちばんのポイントはプロレスの異空間のなかで、選手とお客様の一体感を作りたいのですよ。選手もこれが目に入ると、「僕のファンなのか」と思って手を振ったり、ピースサインを送ったりします。そうすると、お客様もものすごく喜ぶわけですよ。
黒木)今後、70人のぬいぐるみを作られる予定でいらっしゃるのですか?
メイ)はい。新商品のため、まだ4体しかありませんけれども、そのうちどんどん広げて行きたいなと思っております。
黒木)選手がそうやって「応援してくださっている」という、お客様に対しての深い感謝の気持ちも出て来るでしょうし。
メイ)リングのなかはドラマの塊でしてね。怪我をしたり、立てないときもあったり、いろいろな苦労を乗り越えてそこに立っているわけで、そのドラマもお客様は知ってくれているので、より一層の感情移入ができるのですね。
黒木)初歩的な質問ですけれども、選手と選手の闘いというのは、同じ新日本プロレスのなかの70人が戦うのですか?
メイ)それもありますし、他団体からの刺客が来ることもあります。いろいろなパターンがあります。
黒木)それを試合の目玉にしたり、売りにしたりなさるわけですか?
メイ)そうですね。「次はどうなるのだろうか」と思えるような展開にします。「また観に来なくては」となるように。うちは年間150試合、2日に1回試合をしています。
黒木)そんなにやっているのですか。どんどんこれから広めて行かれるということも、使命の1つなのですね。
メイ)そうですね。私が力を入れているのは動画配信です。会場にはなかなか足が運べなくても、インターネットさえつながっていれば、国内外で全試合を観ることができます。月額999円なのですけれども、それさえ払えばライブはもちろん、過去の試合も全部観られます。選手のインタビューもあります。
黒木)特典があるわけですね。でも、そこに行かないとわからない異空間の興奮度というのは…。
メイ)その場の異空間の感じというか、空気の味のようなものは全然違います。そこで仲間もできてしまうのですよ。すぐに溶け込んで仲間になれて、いろいろなサークルなどもあるらしくて、とても楽しい場です。
黒木)どのくらいの頻度で試合をご覧になるのですか?
メイ)全部を観ることはできないのですが、できるだけ会場には足を運ぶようにしています。行けないときは家で、あるいは会社で動画配信は観させていただいております。
黒木)時間の配分などはなさっているのですか?
メイ)現場に行くのが非常に大事だと思っています。ファンの方とも会場で会うことができて、いろいろなことを言ってくださるので参考になります。
黒木)ステッカーを配っていらっしゃるとお聞きしました。
メイ)はい、オリジナルのステッカーをお配りしています。いろいろな種類があって、その都度何が貰えるかはわからないように工夫しています。私が会場で直接渡しています。
黒木)応援してくれた方すべてにお渡しになるのですか?
メイ)はい。持っている方は、「社長と会ったのか」という1つの証になるわけです。
ハロルド・ジョージ・メイ/新日本プロレスリング 社長兼CEO
■1963年、オランダ生まれ。8歳~13歳まで父親の仕事の関係で日本・横浜で生活。
■その後、インドネシアへ移り、大学からはアメリカへ。ニューヨーク大学修士課程修了。
■ハイネケン、ユニリーバ、サンスター、日本コカ・コーラ副社長、タカラトミー代表取締役社長を経て、2018年、新日本プロレス社長兼CEOに就任。
■タカラトミーでは業績をV字回復させ、在任中同社の株価を4倍近く上げた。新日本プロレスでは国内のみならず海外にも広くその存在を認知させ、2020年1月4日~5日には前代未聞の2日連続の東京ドーム大会を成功させた。
■マスコミ、経済界からも引っ張りだこの異色の経営者として知られ、日本語が堪能で明るくユーモアのある人柄でも知られている。
■2019年12月には時事通信社より『百戦錬磨:セルリアンブルーのプロ経営者』を出版。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳