日本の食文化の「次のステージ」「新しい動き」~飲食業界の牽引者からのエールと希望

By -  公開:  更新:

ニッポン放送の特別番組「いま、日本の食文化にできること」が5月16日(土)午後5時40分から放送され、日本の飲食業界に“エール”と“希望”を届けた3時間30分となった。

日本の食文化の「次のステージ」「新しい動き」~飲食業界の牽引者からのエールと希望

写真右から 楠本修二郎、笠原将弘、三好康弘 垣花正

ニッポン放送特別番組「いま、日本の食文化にできること」5月16日(土)夕方5時40分~9時10分放送

同番組は、日本の食文化の素晴らしさをあらためて知り、今の現状から、未来まで、おいしい文化を守っていく方法を料理人、飲食店経営者、流通関係者、生産者、そして、利用する側それぞれの立場から紹介。番組は日本にカフェカルチャーを根付かせてきたカフェ・カンパニーの創業者・楠本修二郎とイタリアン『カーディナル』や中国料理店『青冥(ちんみん)』など幅広く事業展開するミヨシコーポレーション社長・三好康弘、そして、フリーアナウンサーの垣花正の3人で進行した。

冒頭、新型コロナウィルスの影響を受ける飲食業界の現状について楠本は、「100年に1度ぐらいのインパクトのことが起きている。経済がないと人は暮らせない。このままでは精神的に追い詰められてしまう人も出てくるような有事」との認識を示した。三好は「4月中旬以降、緊急事態宣言の影響で、店はすべて臨時休業せざるを得ない状況。売上がほぼない状況で、家賃とかの経費はかかる。このままでは(多くの飲食店で)運転資金があっという間になくなってしまう」と話し、いま、多くの飲食店が直面している問題について改めて提起した。

楠本は日本の食文化について、「かつてはフレンチ、イタリアンが世界の料理を引っ張ってきたが、いま、日本の食文化は海外からリスペクトされている。日本の外食は農業を含めると90兆円ぐらいの産業。日本人が食も含めて、生活を豊かに過ごしていればあこがれだったり共感だったり、海外からいろんな人がきて、楽しい交流ができ、経済も回る。21世紀の日本の成長産業の中心に食があるということは間違いない」と力強く語った。

コロナをきっかけにした今後の日本の食文化について2人は「新しい食文化をもう1回つくり直すタイミングと思う。外食をやっていた人が農業をやったり、農業と外食が一緒にやったり、新しいチームがコミュニティのようにできてくる」(楠本)、「食文化が次のステージにいくための流れがコロナによって加速されている」(三好)と話し、コロナを機に食文化に新しい動きが出ていることについて前向きな認識を示した。

7時台のゲストとして登場したフードライターの小石原はるかは「誰も体験していない状況。日々、みなさん迷われている。何が正しいのかわからないという苦しみを抱えている」と飲食店の置かれている状況を説明。精肉屋が肉の販売だけでなくオンラインで肉の焼き方を紹介している事例を紹介し、「“ピンチはチャンス”じゃないが、アイデアをひねり出して何か一歩前に進もう、新しい引き出しを増やそうとしているところは未来があると思います」と話した。

日本の食文化の「次のステージ」「新しい動き」~飲食業界の牽引者からのエールと希望

写真右奥:三好康弘 手前:楠本修二郎 左奥:小石原はるか 手前:垣花正

続いて、8時台のゲストとして登場した日本料理店「賛否両論」の店主、笠原将弘はいまの現状について、「正直、営業をいつから再開するかわからないが、確実に元に戻していかなければならない。昔のような楽しい飲食業界にしないと日本も盛り上がらない」と話し、「ただでさえ飲食業界は衛生管理を徹底している。過度の不安をもたないで、復活したら昔のように楽しく食べに来て欲しい」とアピールした。また、笠原自身は料理をお客様に作れないくやしさを感じており、「やはり、料理人は食べてくれる人がいないとむなしい。このくやしさをぶつけると日本の飲食業界はきっと5倍は美味しくなる」と話したほか、「日本の飲食業界は世界最高峰。必ず良くなる日が来る。いま貯めているパワーを出せば、日本の飲食業界は負け知らずになる。いい方向に行けるように生産者の方含め、みんなで協力していきたい」と熱く語り、コロナが落ち着いたあとの飲食業界に大きな期待を寄せた。

番組では生産者や飲食店主・店員を電話で結び、直接、生産者や飲食店の現状について話を訊いたほか、飲食産業に携わる関係者から寄せられたメールやtwitterなども数多く紹介した。

番組の最後、株式会社ミヨシコーポレーション社長・三好康弘は「自粛後どこに行きたいかというアンケートで外食が半数だった。外食はただおいしいものを食べるだけでなく、お店の人とのコミュニケーションだったり、大事な人と時間を共有する場所であり、本当に必要なもの。これを絶やすことは絶対にしてはいけないし、微力ながら力になれることをやっていきたい。」との思いを語った。

また、カフェ・カンパニー株式会社の創業者・楠本修二郎は「お店がひとつなくなるのは日本が誇る日本の食文化がひとつなくなること。食に携わる人間として、これから先の日本が豊かで、楽しく、海外の人と交流していくために、食の文化をつないでいく、育てていく、そして、しっかり守っていきたいと思う。」と話し、いま、日本の食文化にできることの決意を示し、3時間30分に及んだ番組は終了した。

日本の食文化の「次のステージ」「新しい動き」~飲食業界の牽引者からのエールと希望

ニッポン放送 特別番組『いま、日本の食文化にできること』
■放送日時:2020年5月16日(土) 午後5時40分~午後9時10分 生放送
■司会:垣花正
■出演者:楠本修二郎(カフェ・カンパニー株式会社 代表取締役) 三好康弘(株式会社ミヨシコーポレーション 代表取締役社長) 笠原将弘(賛否両論店主)  小石原はるか(フードライター) ほか

◆この番組は、radiko のタイムフリー機能で、放送 1 週間後まで聴くことができます。
http://radiko.jp/share/?sid=LFR&t=20200516174000

Page top