東京都が「夜の街」にきめ細かな対応ができない理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月8日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。夜の街で新型コロナウイルスの感染が相次いでいる問題について話し合った、西村・小池会談について解説した。
西村・小池会談~夜の街で定期検査
接待を伴う飲食店などの夜の街で新型コロナウイルスの感染が相次いでいる問題で、東京都の小池百合子知事と西村康稔経済再生担当大臣が会談し、夜の街で働く従業員が定期的にPCR検査を受診できるよう、国と都で連携して進めることで一致した。
飯田)「接待を伴う」と書くと、企業接待のようなものがダメなのかと思ってしまいますが、そうではなく、隣にお姉さんが座るようなお店などを指します。
24時間対応など、きめ細かい体制をつくるべき
須田)接待を伴う飲食店がスケープゴート化していますが、そのようなお店の経営者や従業員の方にとってみれば、生活して行かなくてはならない、やむにやまれぬというところも多分にあると思います。営業を認めるのか、認めないのか。認めないという選択肢がないのならば、どうやって安全性を確保するのか。ようやくそこに向かって、政治側が政策的に動き始めたのかなと思いますが、定期的にPCR検査を実施して窓口をつくると言っても、来てくれるのかどうか。やるにしてもきめ細かく、例えば24時間体制の窓口をつくるというようなことも考える必要があると思います。
飯田)「昼間は寝ている」という人も多いですよね。
須田)しかも、どの病院でやるのかというところもあります。体制整備が必要なのではないかと思います。
このままでは業界がアングラ化してしまう
飯田)予算なりを投じることができれば、ある程度の整備はされると思うのですが、このまま行くと、そういう業界全体が沈んでしまいかねない。これは大問題ですよね。
須田)アングラ化して行くというか、水面下に潜って行く。先週、歌舞伎町を取材しましたが、ネオンサインが消えたままです。店に入るのに予約が必要なところもあれば、会員制を謳っていて、ピンポンと押さないと開けてくれないところも出ています。いまの状況をオープンに議論して対応しないと、このままではアングラ化して行くのではないでしょうか。
東京都の対応は「風営法」のくくり~法の立て付け自体が古く、きめ細かな対応ができない
飯田)「夜の街」と十把一絡げにしているようにも思うのですが、カウンターのみのバーは、カウンターのみのラーメン屋さんと変わらないではないですか。ラーメン屋は普通についたてを付けて営業していることを考えると、そういう対策など、いくらでも打ちようがあると思うのですが。
須田)東京都の対応は、くくりとしては風営法のくくりにしているのです。例えばナイトクラブというと、若い人たち向けのクラブとはまったく違うし、銀座にあるような夜の社交場のクラブとも違う。かつての基準からすると、生バンドが入っていて、ダンスフロアがあるような大きな施設のことをナイトクラブと称したのです。それを適応させようとしているので馴染まない。法の立て付け自体が古くなってしまっている。もともとの法の立て付けが古臭くなっているものですから、きめ細かな対応はできないのではないかな。そのあたりから考えて行かなくてはいけないと思います。
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