小池都知事の都知事選出馬表明が遅れている理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月11日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。12日に解除が検討されている東京アラートについて、また、18日に告示される都知事選について解説した。

東京都議会に臨む小池百合子知事=2020年6月10日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

東京アラート~12日にも解除か

東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大に警戒を促す東京アラートを、12日にも解除する方向で検討していることが、10日にわかった。直近7日間の感染者数の推移を分析し、専門家の見解を聞いた上で判断するとしている。

飯田)12日午前0時、解除案などが出て来ておりますが、わかりづらい。

初の「東京アラート」が発令され、赤くライトアップされた東京湾に架かるレインボーブリッジ。後方中央は東京タワー=2020年6月2日深夜 写真提供:共同通信社

感染防止のための「アラート」は各自すでにできている~アラートの基準を練り直すべき

鈴木)大阪の場合は数字の基準をつくって、それを軸としているために非常にわかりやすいですよね。全国の県でも、同じようなパターンで行っていますし、東京都も実は行っている。東京都の7つの指標というのは、いまこのアラートがどうであるかと判断するのであれば、過去1週間の感染者数だけが赤信号なのです。他のものは基準のなかに入っています。東京の最大のポイントは、医療体制のほうなのです。どれだけ感染者が出ているということよりも、むしろ医療体制が十分に確保できているのか。ここの部分のデータを重視していたわけです。ですので、この東京アラートというのは、次の段階に来ているのだと思います。いまは「何もないところで、感染が起きたらどうしよう」という段階ではありません。街に出れば当たり前に皆さんがマスクをしていて、距離を取っている。電車の車内では、意図的につり革を触らずに乗るなど、コロナが流行し始めたときとは意識が異なっています。感染し始めたころであれば、アラートは、「マスクをしなくては、2メートルの距離を取らなければ」という信号だとわかりますが、もうすでに日常的にできているのです。そうした状態での、このアラートというのは何なのか?

飯田)これ以上何をすればいいのかと。

鈴木)段階は変化したのだから、アラートの基準などをもう1度練り直して示すべきだと思います。ずっと同じスタイルで来ているので、わかりにくいというモヤモヤ感が皆さんにあるのです。取材をしていても、「アラートが解除されることで何が変わるかな」と考えたときに、何も変わりませんし、変えないほうがいいところもあります。全面解除ということでもありません。段階に応じて基準というものを、もう1度つくり直すということがあっていいと思います。

【新型コロナ】記者会見に臨む小池百合子都知事=2020年4月17日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

小池都知事の出馬表明が遅れている理由

飯田)東京都としてはコロナ対策を都知事が先頭で行って行くのですが、一方で、どうしても頭をかすめるのが都知事選です。6月18日に告示で、7月5日に投開票と目前に迫っている。

鈴木)まだ出馬表明をしていないのですから。

飯田)小池さんはしていませんね。

鈴木)取材をしていてわかるのは、基本的には小池さんと自民党の暗闘がやはりありますね。自民党にしてみると、東京都議団は現在負けてしまっているので、来年(2021年)の都議選でリベンジだということを考えたら、今回、小池さんを「推薦だ」と推して、それで来年闘えるのかと。

飯田)今年(2020年)の選挙で協力をしておいてという話ですね。

鈴木)さらに小池さんには、都民ファーストという与党会派がいるわけです。そこと都議団は闘うわけですので、「闘わずして行けるのか」という意識が現場の都議会議員は強いです。しかし、その辺りは小池さんの上手さもあって、二階さんや安倍総理、つまり自民党中央の方と話をして、「今回は見合わせろ」と現場に降りて来ている。ここが尾を引いているわけです。結局、自民党は候補を出さないという方向になっていますが、来年の都議選も考えたときに、「小池さんを推薦しましょう」では済まないだろうと。自民党のメンツもある。そんなことで、まだ水面下でバチバチしている。新聞報道などで出ている推薦というのは、要するに「小池さんがよろしくお願いしますと頭を下げろ」ということです。そんなニュアンスが出ているところを見ると、これは自民党が怒って言っているのだろうなというのが見えて来ます。反対に、そうしたことを書かれてしまうと、小池さんとしては、「何で私が頭を下げないといけないのよ」と。そのような確執がある。それによって出馬表明が遅れている感じがありますね。

飯田)もともと二階さんと小池さんは、野党時代から仲がよかった。今回はコロナウイルスのことがありますので、官邸に行く機会も増えているということですね。

鈴木)何もないときに、知事選前に官邸に行って安倍さんと話したら、「何を話したのだ」となってしまいます。

飯田)それだけで大きなニュースになりますね。

【衆院補選東京10区告示】第一声の挨拶をする若狭勝候補の応援に駆けつけた小池百合子都知事 左は二階俊博自民党幹事長=2016年10月11日午前、東京都豊島区・池袋駅西口前 写真提供:産経新聞社

「後出しじゃんけん大会」である都知事選

鈴木)しかし、「コロナウイルスについてのことで会う」と言えば、会う大義ができますよね。そこで小池さんから安倍さんにコミュニケーションを仕掛けたのだと思います。私が思うのは、都知事選挙というのは極めて珍しいのですが、「後出しじゃんけん大会」なのです。

飯田)メールもいただいています。中野区の“たけひさ”さん。「都知事選というのは昔から後出しじゃんけんが有利と言われていますよね。しかし今回は、小池さんが圧倒的有利なのですが、どうして後出しじゃんけんなのでしょうか?」と来ています。

鈴木)これは自民党との駆け引きもあります。しかし、本当は半年前から出馬表明をして、しっかりと公約を都民に言って、それで選択するというのが選挙です。ですが、東京は無党派層も多く、流動人口も多く、長く住まない人も多いので、どうしてもインパクトや知名度で投票行動が決まってしまうところもあります。そうした部分を利用するためには、できるだけ後出しで、インパクトと知名度のある人が出て来ることがあるのです。

飯田)かつて、「俺は出ないよ」と言いながら、最後に石原慎太郎さんが出て当選したということがありました。

政治団体「れいわ新選組」の山本太郎代表(右)は、女性装の東大教授、安冨歩氏が参院選に出馬することを発表した=2019年6月27日 写真提供:産経新聞社

れいわ新選組・山本太郎氏が都知事選出馬検討

鈴木)それは本来の選挙ではないですので、もう少し早く出馬表明をして欲しいですね。スクープではないのですが、れいわ新選組がきょうの午後に会議をするらしく、場合によっては、山本太郎さんが出馬するかも知れないという話が、10日の夜に入って来ました。

飯田)毎日新聞がきょう(11日)の1面で「れいわ山本太郎氏、都知事選出馬検討」という記事を書いています。

鈴木)これでもう少し早く、れいわが「考える都政」を示して欲しいです。

飯田)6月18日告示、7月5日投開票の東京都知事選ですが、いまのところ立候補を表明している方は、山口節生さん、込山洋さん、立花孝志さん、七海ひろこさん、宇都宮健児さん、小野泰輔さん、桜井誠さん、竹本秀之さん、西本誠さん、石井均さん、古田真さん、長澤育弘さん、以上の方々です。

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