菅総理~これだけの条件がそろう東京オリンピック後の「解散」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月18日放送)にジャーナリストで東海大学教授の末延吉正が出演。菅総理の狙う解散時期について解説した。
野党を牽制しながら常に探る解散時期
衆議院議員の任期満了は2021年10月となるが、解散総選挙について、さまざまな記事も出ている。総理動静によると、9月17日、菅総理は選挙プランナーの三浦博史氏と東京都内のホテルで朝食を共にしながら、意見交換をしたとのことである。
飯田)支持率も高く、コロナが何となく収束しつつあるという雰囲気のなかで、「解散か」という話も出ていますが、なかなか難しいですか?
末延)「三浦さんと会った」というニュースが流れていますね。
飯田)そうですね。
末延)これは「流している」のですよ。それだけで野党は「やはりやるのか」と警戒します。18日の読売新聞の1面で、安倍さんのインタビューが出ていたでしょう。見出しに「衆参ダブル選挙を常に考えていた」とあります。総理官邸と自民党本部というのは、自民党の事務局長に選挙の神様がいるのです。
飯田)元宿さんという。
末延)政府与党というのは、いつも調査をやっているのです。だから、解散総選挙は常に考えていて、1年365日24時間、いつ打てばいいのか、それを込み込みで政局判断しているのです。それに対して、野党が少し緩いのです。無駄に資金を使ってしまったり。政府に揺さぶられているのですよ。1つのメディア分析に、アジェンダセッティングという、議題設定機能があります。つまり政治というのは、誰がアジェンダを設定して引っ張ったかという……。
飯田)主導権を握るのか。
末延)麻生さんのときにリーマンショックがあって、選対副委員長として延期を進言したのが菅さんで、仲が悪くなったと言われています。しかし、そもそも菅さんも選挙大好き人間ですから。強気な人ですよ。
飯田)みんなが反対していた安倍さんの2回目を担ぎ出したのは、菅さんでした。
支持率の高いこの時期に解散すると「浮かれている」と思われる
末延)強気な人なのです。安倍さんがドクターストップで引いた後、そのやり残しを自分の低い目線の実務化として、ガラス張りのデジタル化で一気に変えて行くぞと。厚労省も変えると。菅さんがこれをやりたい気持ちは相当強い。そして、いまの空気で解散をやると、「浮かれた」と思われるでしょう。
飯田)この支持率の高い時期に、浮かれてやったのかと。
末延)そういうことを考えると、常に揺さぶりとしてこのようなニュースを流して準備をしながら、仕事の実績を積んで行き、6月~7月の頭に東京都議会議員選挙があります。
飯田)公明党は、そこではやりたくないと言いますね。
オリンピックの終わった10月に解散か
末延)そうすると、9月の総裁選が終わった後、10月のギリギリです。
飯田)任期満了に限りなく近いところで。
末延)空気はオリンピックが終わって、景気も少し戻っているでしょう。デジタル化も法案が通り、世のなかの空気が変わっている時期です。いままでの暗い空気というのは、安倍さんに対するモリ・カケ、桜という、一部メディアがつくりあげた空気だったのです。そのころにはコロナも収束し、ワクチンもできていて、空気が変わっていますよ。
飯田)そちらの方がより勝てると。
末延)そのイメージがあります。その間、「でも早めにやった方がいいのか」とか、麻生さんも言って来るしとか、そんなことを言いながら引っ張って行くのです。
飯田)モヤモヤした雰囲気のなかで引っ張って行くのがいいということですね。
末延)政府にとって損はないです。
官房長官兼総務大臣兼総理大臣・菅義偉
飯田)総理秘書官の人事を、官房長官からみんな持って行ったというではないですか。つまり、自分で仕事をする気でいるのかと。
末延)官房長官総理兼総務大臣。
飯田)官房長官兼総務大臣兼総理大臣。
末延)すべての調整を最後は自分でやります。だから、細かく実務ができる専門家をすべて配置してあるでしょう。本当に仕事をする、そういう布陣なのですよ。マスコミはすぐに、「派手さがない」、「サプライズがない」などと書きますが。
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