元JOC(日本オリンピック委員会)参事の春日良一氏が11月16日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、IOC(国際オリンピック委員会)バッハ会長の今回の来日について解説した。
身を尽くしていた安倍前首相が辞めてしまった不安
IOCのバッハ会長が15日に来日した。東京オリンピック・パラリンピックが1年延期と決まってからは初めての来日。
辛坊)今回バッハさんが日本へ来ましたよね。ここでバッハさんがこのタイミングで来るというのはどういった意味なのですか?
春日)難しかったのが、日本はホスト国なのですけれど、日本がこの前の調査で80%が『もう無理だろう』と答えるアンケートがあって。
辛坊)世論調査がありましたね。
春日)はい。その空気というのを重く受け止めていて、それをもっとポジティブに変えるためにこの時期しかないだろうというのがあったと思いますね。それからあともう一つ、安倍首相がお辞めになって、安倍さんというのが、日本ではどうか分かりませんけれど、IOCから見るとすごく理想の首相なのですよ。というのが、彼は招致から関わってきたのですけれど、それがもう全面に出てやっていて。
辛坊)それはもうあのとき、びっくり箱みたいな。
増山)マリオのですね。
辛坊)マリオの恰好して土管から出てきましたものね。
春日)それもやりましたよね。そこまで身を尽くしてオリンピックのためにしてくださっている首相というのはなかなかいないので評価が高かった。そこを信頼して、延期も安倍さんからお願いした形になっていますから、その安倍さんが辞めてしまったというのは少し不安がありますよね。
辛坊)なるほど。日本はどう考えているんだ、と。
春日)はい。それをちゃんと引き継いでいるのか、それと安倍さんには感謝の意味を表したので、オリンピックオーダーというですね、オリンピックが持っている唯一の選手以外にも与えられる勲章があるのですね。これを今回、本日の16日に授与式をしているのだと思うのですけれど。
辛坊)そうですか。
春日)それは金銀銅とあるのですよ、現在銅はないのですけれど、ほとんどの方が銀をもらうのですよ。でも安倍さんには金がいったのですよ。これは最高位なのですよね。
ポジティブな捉え方をしていかないといけないタイミング
辛坊)オリンピックは恐らくあるだろうと私は思っているのですけれど、オリンピックがあったとして、会場に客を入れるのか入れないのか、どんな制限がつくのか、どの程度の規模で開催されるのかそのあたりをまとめてお願いします。
春日)まとめますと、できるだけ多くの人が入っていただいて、できるだけ通常のオリンピックに近い形にできるかどうかと感染対策を練っていく中で、実際に実験しつつ、来春の3月までに具体的な策をつくる、その時点で何人までということが決まると。そういうことは本日の会談でもやっていると思うのですけれど。
辛坊)実施確率は?
春日)開催するのは100%だと思いますが、ただ観客がどこまで入れるのか、50%になるのか100%になるのか90%になるのか、というのは考えなくてはいけません。この前体操の国際大会をですね、コロナ禍で初めてやったのですね。
辛坊)内村航平さんが偽陽性になってしまったやつですね。
春日)そうですね。あれは一応モデルケースとして、きちんとできるのかというのを観客も入れてやっていますので、感染対策についても海外から来ていますから、その人たちを政府に交渉して14日間の確認がなくても来られるように自国で隔離した時間をつくり、それで来てもらっている。それで毎日PCR検査を行って、という状態を作ったりしているのですね。どんどん試していくと。いま日本の方が暗くなっているので、ポジティブな捉え方をしていかないとですね、コロナがいつ終わるか分かりませんので、この状態だといつスポーツが再開できるか分かりませんから。
辛坊)そうですね。どこかで気分を変える、今回バッハさんが来日したのもそのあたりに本当の理由があったということでしょうね。
春日)そうですね。もう迫っていますので、この時期しかないのでしょう。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)