ソフトバンクが新料金プラン導入~「オンライン専門」の先にあるもの
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。ドコモに続き、ソフトバンクが新料金プランの導入を発表したニュースについて解説した。
ソフトバンクが新料金プランを導入
ソフトバンクは12月22日、2021年3月にオンライン専用の新ブランドを立ち上げ、データ容量20ギガバイトを月額2980円で利用できる料金プランを導入すると発表した。先行して新プランを発表したドコモに対抗する内容だ。
飯田)ドコモの「ahamo」が始まり、そして今度はソフトバンクということです。
高橋)ここのポイントは「オンライン専用」というところです。
飯田)オンライン専用の新ブランド。
販売店を省くことでコストが下がる~販売店はその他サービスを受けさせているだけ
高橋)オンライン専用なので、店舗がありません。手続きをオンラインでやるのです。いまは販売店があって、販売員がたくさんいて、そこで説明を受けて手続きをします。そういうものがないわけです。ないから、そこのコストがそっくりなくなります。そこがポイントです。新たに機種変更しても、いまやSIMフリーの端末があって、そこにSIMカードを入れれば終わりでしょ。
飯田)SIMカード。
高橋)販売店がやっていることは何かと言うと、余計なサービスを受けさせることだけです。今回のことで、そのことがわかってしまった。それを省くとコストが安くなるので、ここまでは、既存のなかでの改革で、このくらいは安くなるのです。そのことは菅さんもわかっているから、「料金は下げられる」と言ったのです。ドコモと今度はソフトバンクがやりました。auができないのは販売店の関係があるからで、その整理をしているところでしょう。
飯田)そことの長年のしがらみのようなものを整理しなくてはならない。
高橋)ソフトバンクは新しい会社だからポンとできるわけです。
飯田)なるほど。
高橋)各社のいままでの対応が、新料金の発表の順番にも関わって来るのです。販売店を抜けばいいので、ここまでは簡単にできるのです。
オンラインでやることによって人件費を削ることができる
飯田)大手から格安プランが出ることによって、格安スマホの各社が苦しくなるというような説明がされていたではないですか。格安スマホが格安でできたというのは、店舗型ではないところが多いからですね。
高橋)そうですよ。
飯田)格安スマホは、「回線を借りる料金が安いからだ」と言われることがありますが、人件費がかからないからなのですね。
高橋)だから今回、「オンラインでやる」ということになるのです。それでここまで下げられるのです。
Eテレの周波数帯売却でさらなる値下げが可能に
高橋)実はさらなる下げもできるのです。
飯田)さらなる下げ。
高橋)Eテレの周波数帯の売却というような話になれば、地上波が使っている周波数を携帯会社が使えるようになる。そうすれば基地局というか、アンテナが少なくできるのでさらなる引き下げにつながるのです。
飯田)今度は回線の方、インフラの方の問題になって来る。
高橋)今回の値下げは販売店を整理するだけでできてしまいます。
飯田)既存のシステム改革だけでできる。
高橋)さらに値下げをするためには、多分周波数帯をやらないと難しいと思うから、私は言っているのです。そうするともう1回、値下げがあるかも知れません。
Eテレの周波数帯を空ければ設備投資は少なくなる
飯田)いまはキャリア4社が基本的には、その周波数帯を抑えていて、それを格安の携帯会社が回線を借りる形になっています。どうですか、その先の未来というのは?
高橋)ここから先は難しいのですけれどね。周波数帯を広げれば、そこの設備投資というのはあまりなくていいから、4社ともコストダウンにはなると思います。
飯田)そして新しい会社が入って来る可能性も否定できない。
高橋)それは儲ければね。
飯田)そうか、そこはもう市場経済。
高橋)でも明らかに設備投資は少なくできます。
飯田)その辺はまた政治判断になるのですか?
高橋)政治判断ができるような環境整備が必要でしょうね。周波数帯を空けなかったら次の引き下げは難しくなると思いますけれどね。
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