ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月22日放送)にジャーナリストの有本香が出演。12月21日に行われた西村経済再生担当大臣と新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長による臨時会見について解説した。
西村大臣と新型コロナ分科会の尾身会長が臨時会見
尾身会長と西村経済再生担当大臣が12月21日夕方に緊急会見を行った。このなかで尾身会長は、感染拡大防止の対策を呼びかけた「勝負の3週間」後に想定される、1~3までの感染のシナリオについて解説。「黙っていても我々の責任は果たせない。東京を中心とした首都圏がシナリオ3に入る」と強い危機感を示した。「シナリオ3」は、3週間後も感染者が増えて行くという状態を言う。西村大臣は、全国知事会などから要請のあったコロナ特措法の改正について、「より実効性が上がるよう議論している」などと述べている。
飯田)東京など首都圏は、都市部から周辺に感染が染み出しているということで、「首都圏を沈静化させないと、全国を沈静化させることはできない」と述べたということです。
国内では警戒と自粛を要請しているのに、なぜ外国からの入国を止めないのか
有本)まず1つは、首都圏から感染が染み出しているから年末年始も家にいてくださいと。都知事の会見だったと思いますが、「場合によっては、家のなかでもマスクをしてください」というようなことを言っていますよね。国内ではそれだけの警戒を呼びかけて自粛を要請し、飲食店には営業自粛をお願いしているわけです。それであるにも関わらず、外国からはどんどん人を入れているということは、まったく矛盾していますよね。今朝(22日)、早い時間に、自民党の菅原一秀議員が、「イギリスで変異した非常に感染力の高いウイルスが拡大しているため、英国からの航空便を止めるということを政府に言わなければいけない」とツイートされていました。
飯田)ドイツやフランスはもうやっていますからね。
有本)ヨーロッパ国内はね。このウイルスが英国国外でも見つかっているという情報があり、止めるなら幅広く止めていただかないといけないと思います。政府は中国との人の往来にはとても前のめりですが、中国国内での移動が制限されている都市から航空機が日本に入って来ているのですよ。これもおかしいと思います。そして、他のほとんどの国ではやっているような、課せられる2週間の隔離もしなくていいわけですよね。
飯田)ビジネス利用でということで、特定の国からはそうですね。
有本)でも「なんちゃってビジネス利用」が多いのはわかりきった話ですよね。そのようなちぐはぐさを何とかするべきですよね。ちぐはぐさで言うともう1つあって、かねてから言われていますけれど、日本でなぜ医療崩壊がここまで起こるのだということです。
飯田)病床数がこれだけしっかりあって。
指定感染症という縛りをやめてはどうか
有本)人口あたりの病床数が多いし、欧米と比べると死者の数は圧倒的に少なくて、数十分の1です。それに比例して当然、重症化している人も少ないのに、なぜこういうことになるのですかという話です。そもそも医療リソースの配分の仕方が硬直化していておかしいというのは前々から指摘されている。また全国保健所長会から厚生労働省に対して、「指定感染症という縛りをやめてはどうか」という提言が出ています。指定感染症として縛ることがまったく功を奏していないのだと。
飯田)いま2類相当、一部1類ということで運用していますけれども、これだと全員入院だし、ヘルパーさんなどに手伝ってもらってのベッドメイキングなどができない。
有本)しかも医療機関側は患者さんの受け入れを拒否できるわけです。そういう状況であるから偏在してしまうのです。
飯田)手を挙げた病院だけになってしまうから。
ある程度人も動いて経済活動をし、外からの流入に備えて予防措置を行う
有本)「手を挙げたところが損をする」というような状況になってしまっているのです。外からの新たなウイルス流入を防ぎながら、国内ではもっと柔軟な運用ができるような体制に変えるべきだと思います。東京から感染が染み出ているということだけれども、感染をまったく拡がらないようにするということは不可能です。そうすると経済が止まってしまうから。そうではなくて、国内においては、ある程度人も動いて経済活動もし、外からの流入に備え、なおかついままでの予防措置を行っていただくと、これしかないと思います。政府が政治決断しなければならないところまで来ています。
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