榊原郁恵・出演舞台『たぬきと狸とタヌキ』~嘘まみれの介護生活
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に女優・歌手・タレントの榊原郁恵が出演。3月から公演される最新舞台作品『たぬきと狸とタヌキ』について語った。
黒木)今週のゲストは女優・歌手・タレントの榊原郁恵さんです。多方面で活躍されている郁恵さんですが、新たなお芝居が3月に上演ということです。これは、去年(2020年)6月公演の予定が、新型コロナの影響で中止になったのですね。
榊原)去年は、新型コロナの影響でエンタメ業界もバタバタとしていて、ほとんどが中止になってしまいました。残念だな、でも仕方のないことだなと思っていたときに、改めて延期ということで、できることになりました。
黒木)舞台『たぬきと狸とタヌキ』というタイトルです。
榊原)作・演出は田村孝裕さんです。とても日常的なことであるけれど、いい人ばかりが出て来るわけではありません。人は表裏があるのが当たり前です。悪い人ではなく、騙すつもりはないけれども、表の顔と裏の顔がある……そういう人間性がいろいろと出て来ます。私はホームヘルパーの役で、お邪魔する先には、足の悪いご年配の方と絵本作家の娘さんがいらっしゃいます。娘さんは絵本のお仕事が忙しいので、お母さんの介護ができず、ヘルパーさんである私が週3回行くのです。ただ、その親子は仲が悪いと。女性は親子でもはっきりものを言うではないですか。ですので、そういうところで相談を持ちかけられたりする役回りなのですが、そこでいろいろな日常の表裏とか、実は本当にいい人と思って相談していたあなたが「え?」というところもあったり、という……。
黒木)3人とも狸なのですね。
榊原)はい、そうです。
黒木)3月8日~12日が東京・両国のシアターΧ(カイ)。これは地方公演もありまして、この時期ですからね、予定が変更するかも知れませんけれども、前売りはもう始まっております。
榊原)介護というのは、身近になって来ている問題ではないですか。介護と言っても、どこまで手を出して助けてあげたらいいのか、よくわからないですよね。そういうところも入れながら、「優しさって本当は何だろう」というところまで表現できたらなと思っています。
黒木)数ヵ月前に、厚労省がやっている介護関係の人たちとの対談をしたのですけれども、「何でもかんでも自分1人でやるのではなく、介護の人に頼ってください」とおっしゃっていました。そういうお話をして、「なるほどね」と思いました。いつか介護する人、される人、どちらかになるわけではないですか。
榊原)そうですね。「行間を読む」と皆さん言うけれど、経験していると、その一言の捉え方が違いますよね。田村さんは「稽古が自分は大好きだ」と言います。自分はこういう思いで書いたとしても、「こういう捉え方をして来たわけ?」ということがあるのだそうです。それが間違っていたとしても、「それはそれで自分は面白い」と。「だから稽古が大好きなんだ」と言う演出家なのです。
榊原郁恵(さかきばら・いくえ)/女優・歌手・タレント
■1959年生まれ。神奈川県出身。
■1976年「第1回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞。
■1977年1月1日に歌手デビュー。
■1981年~1987年まで「ブロードウェイミュージカル・ピーターパン」で初代ピーターパンを務める。以降、歌手・女優・タレントとしてさまざまな舞台で活躍。
■1987年、俳優・渡辺徹と結婚。長男・渡辺裕太さんも俳優・タレントとして活躍。
■2021年3月から舞台「たぬきと狸とタヌキ」を上演。映像配信も実施予定。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳