井ノ原快彦~「芸術をとるか、会社をとるか」は永遠のテーマ
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に歌手で俳優の井ノ原快彦が出演。最終回の放送を迎えるNHKプレミアムドラマ『カンパニー~逆転のスワン~』について語った。
黒木)今週のゲストは歌手で俳優の井ノ原快彦さんです。よろしくお願いします。さて、ご一緒しましたNHKプレミアムドラマ『カンパニー~逆転のスワン~』、2月28日の放送が最終回になります。
井ノ原)そうですね。もう流れるように最終回に向かって行くと。
黒木)しかし、一筋縄で終われないのですよね。
井ノ原)毎回何かしら問題があるではないですか(笑)。
黒木)イノッチくん扮する青柳さんが頑張って、頑張って、人生の選択をなさいますが……。現実の男の人はどうなのですか?
井ノ原)「あそこが分かれ道だったな」と思い返す場面もありますが、そのときは目の前のことしか見えていなかったと思います。自分のなかの経験として、「ここは登っていいのか」ということは考えるようになりました。「ここは高いけれど行く価値がありそうだ」と思ったら、今回の『カンパニー』のように、「これはもう一波あるな」などと考えている方が楽しいというか。
黒木)そうですね。このドラマの青柳さんを見ていると、1人では何もできないけれど、仲間や情熱、努力があって何かが再生できるというか、人生の新しい道を進むということではなく、「自分の意識が再生して行く」ということを教えてくれるようなドラマだと思います。
井ノ原)そうですね。諦めてもいいときもあるだろうと思うのですが、直感で青柳さんも進んでいるのだと思います。利益を考えていないところで突き進んでいる。「これが好きだ」と。そこは僕も勉強になりました。「好きなことって、ここまで熱くなれるのだ」と。
黒木)なるほど。
井ノ原)Kバレエさんにステージもセットも衣装もすべてお貸しいただいて、ダンサーの人にもお芝居をしていただくという。これはすごいですよね。俳優の人たちもバレエ経験者が多いですし、スタッフさんも経験者が多かったではないですか。目線の先でスタッフさんが踊ってくださることもあるのですよね。
黒木)ありましたね。
井ノ原)どっぷりバレエの世界に浸かって、グッと引きつけられるものがありました。大企業から送り込まれているわけではないですか。そこで、芸術の話と対峙したときに、「芸術をとるか、会社をとるか」というところで揺れるわけではないですか。それは永遠のテーマですよね。バレエをやっている人だけではなく、お仕事されている方にも共感を得られる。
黒木)そうなのです。サラリーマンの方も見入ってしまう。日本はバレエを習っている方の人口がいちばん多いと言われているので、バレエをかじったことのある方、いまやっていらっしゃる方は、興味を持ってご覧になっているのではないでしょうか。
井ノ原)リアルに描かれている部分もありますからね。
黒木)そうですね。最後になりましたが、『カンパニー~逆転のスワン~』、最終回の見どころは?
井ノ原)そうですね。やはりバレエが本格的であればあるほど、ここまでのことがすべてつながります。最終的にどういう公演になるのかというところが、見どころになるのではないかと思うのと、「達成するのか、しないのか」、そして、その後のことも描かれています。観続けてくださった方たちの胸に、すっと染み渡るようなシーンがあると思いますので、そこを感じていただけたらと思います。
井ノ原快彦(いのはら・よしひこ)/歌手・俳優
■1976年5月17日生まれ。東京都出身。
■小学生時代にジャニーズ事務所に入所。
■1995年に「V6」としてシングル『MUSIC FOR THE PEOPLE』でCDデビュー。V6の年長組ユニット「20th Century」でも活動。
■V6での活動と並行し、俳優、タレントなど幅広い分野で豊かな才能を発揮。ドラマ『警視庁捜査一課9係』『特捜9』、映画『ピカ☆ンチ』などのシリーズ作品をはじめ、数多くの作品に出演。2020年には映画「461個のおべんとう」に主演。
■2010年から8年間、NHK朝の番組『あさイチ』のキャスターを担当。2015年には『出没!アド街ック天国』の2代目司会に就任。2015年のNHK『紅白歌合戦』では白組司会を担当。
■2021年1月10日からNHKプレミアムドラマ枠で放送される、『カンパニー~逆転のスワン~』に主演。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳