新型コロナワクチン開発に伴い、トランプ前米大統領がもたらした「もう1つの大きな功績」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月23日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。菅総理がベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長と電話会談を行ったニュースについて解説した。

ホワイトハウスで指名受諾演説に臨むトランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)=2020年8月27日 AFP=時事 写真提供:時事通信

菅総理とベトナムの首脳が電話会談~日本がワクチン接種の設備を支援へ

菅総理大臣は3月22日、ベトナムの最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長と電話会談を行い、新型コロナウイルスワクチン接種に必要な保冷設備などの支援を伝えた。

飯田)ベトナムでは、3万2300人以上がワクチン接種を受けたということですが、人口を考えると、まだまだ途上というところです。どうご覧になりますか?

FRANCE - HEALTH - VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas via AFP Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. 写真提供:時事通信社

トランプ政権による国家プロジェクト「オペレーション・ワープ・スピード」によって1年余りで開発された新型コロナワクチン

奥山)そもそもワクチンができているということがすごいですよね。あまり注目されないところではありますが、ワクチンを1年ちょっとで開発してしまったということは、トランプ政権の1つの功績なのです。ワクチンは、ジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザー、モデルナなど3つほど出ています。ワクチンの開発は、アメリカの国家プロジェクトとしてやられていたのです。

飯田)相当お金もかけて。

奥山)プロジェクトの名前が「オペレーション・ワープ・スピード」で、少しSFチックなのですが、これで開発をしたという事実を我々は忘れてはいけないと思います。トランプ大統領の最大の功績の1つだと思います。規模としては大きく、核兵器を開発した「マンハッタン計画」や月へ行った「アポロ計画」と同じくらいの国家プロジェクトです。それがあったので、アメリカはヨーロッパにもワクチンを出せますし、日本にもワクチンが入って来るというわけです。

米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチン(アメリカ)=2020年12月30日 AFP=時事 写真提供:時事通信社

ワクチン開発を成功させたことによって共和党の思想を潰したトランプ前大統領

奥山)ワープ・スピードを成功させてワクチンを開発したというのは、トランプ前大統領の大きな功績ではあると思いますが、もう1つ、このワクチン開発をやったことによる功績があります。日本にも共和党の思想を理解している人はいらっしゃるかと思いますが、「大きな政府を糾弾する」、「小さな政府にする」というのが共和党の考え方です。しかし、このワクチン開発によって、トランプ政権は自ら共和党の思想を潰してしまったのです。これは大きな功績であり、罪かも知れませんが。トランプ前大統領は2つやってしまったということですね。

飯田)もともとトランプ前大統領は、「アメリカ国内にインフラを整備するのだ」ということで、小さな政府からやや離れるかなというところはあったけれども、このワクチンの絡みで決定的になってしまいました。

27日、米ホワイトハウスで話すバイデン大統領(ロイター=共同)=2021年2月27日 写真提供:共同通信社

「新型コロナウイルス経済対策法案」が通ったことが示すアメリカの変化~保守的なアメリカ人がいなくなった

奥山)決定的ですね。大きな政府にしてしまった。3月11日にアメリカで通過した法案で、200兆円規模の「新型コロナウイルス経済対策法案」があります。これには、いままで政府に「そんなお金を出すな」と言っていた共和党側の人も賛成しています。アメリカの7割くらいの人が賛成しているのです。「早く金をくれ」、「政府から金をよこせ」と言っています。こんなことは、これまでのアメリカの人たちには考えられなかったことです。つまり、保守的なアメリカ人がいなくなってしまったのです。

飯田)もともとは「政府はかまわないでくれ。自分たちのことは自分たちでやる」、それが「開拓から続く俺たちの精神なんだ」ということですよね。

奥山)まさにそうです。「税金を払いたくないからインフラはやるな」、「自分で橋を架けるから、その代わりに税金は払わない」というのがアメリカの考え方だったのです。それが新型コロナでむしろ「金をよこせ」になっている。

就任式で宣誓後、手を振るバイデン米新大統領=2021年1月20日、ワシントンの連邦議会議事堂(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

全世界的に「大きな政府」に向かっている

飯田)実はものすごいパラダイムシフトが起こっているのですね。

奥山)時代はいま、全世界的に大きな政府に向かっているのです。

飯田)アメリカがこのように「ガラッ」と変わるということは、それについて行く国もあるということですよね。

奥山)日本も実はそうではないですか? 日本は前から大きな政府が大好きですが、それ以上に、「小さな政府でやって行くのだ」という考えがなくなって来ています。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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