「まん延防止等重点措置」がどのくらいの効果があるのか「疑問」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。4月12日から東京・京都・沖縄の3都府県で適用されるまん延防止等重点措置について解説した。
まん延防止等重点措置、東京・京都・沖縄の3都府県で適用
新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置が4月12日から、東京・京都・沖縄の3都府県で適用される。京都と沖縄は5月5日まで、東京は5月11日までとなっている。
飯田)すでに大阪・兵庫・宮城の3府県には適用されているということで、これで6つの都府県に拡大ということになります。
「まん延防止等重点措置」がどのくらい効果があるのか疑問
須田)「特定の地域、市区町村単位で指定できる」というところが大きな違いですけれど、その他は緊急事態宣言と何が違うのか。緊急事態宣言にしてもまん延防止等重点措置にしても、「緊迫した状態にありますから行動も自重してください」という国民に対するメッセージ性という点で言うと、これはどの程度の効果があるのでしょう。
飯田)そうですね。
須田)緊急事態宣言にしても、2回目はそのメッセージ性も緩んで来て、ほとんど行動変容が行われなかった。ではその行動変容を促すという点で、この重点措置がどの程度効果があるかというと非常に疑問です。
まん延防止等重点措置によって都民の行動変容が大きく変わるとは思えない
須田)加えて飲食店に限定でしょう。しかも営業時間を短縮するしかないわけですから。
飯田)対応策がないですね。
須田)週末に繁華街を見て来ました。きょう(4月12日)から措置が発令されます。「東京もその対象になります」ということが先週くらいから言われていましたが、それに対して都民の行動変容は大きく変わっていません。確かに夜9時以降になると人通りも途絶えて来ますが、昼間はかなり賑わっていました。商業施設も飲食店も多くの人で賑わっていました。ですから、このまん延防止等重点措置がきょうから発令されても、大きな行動変容にはつながらないのではないでしょうか。
飯田)前々から言われていますけれども、飲食店の狙い撃ちのような形になっているということと、昼間にこれだけ人が集まっているのであれば、意味がないのではという話です。飲食店をやるにしても、なかに入る人を「一組何人」というような制限はできないものですかね?
須田)そこは私権の制限というところに関わって来て、飲食店がそこまで介入できるかどうかというところなのですが、無理なのでしょうね。むしろ時間短縮になったために、「早く行かないと!」ということで、混んでしまうということもあります。
ワクチン接種のスケジュールの情報発信が弱い
須田)やはり最終的な解決はワクチン接種になります。先行したイスラエルなどを見ると、ワクチン接種の接種率が上がって来ると、感染者数は激減するわけです。では、日本においてどうなのか。そのスピード感やスケジュールがスムーズに行くのか。この辺りの情報発信があまりにも弱過ぎます。そこが大きな落ち度としてあるのではないでしょうか。
変異株についての国立感染症研究所からの情報発信がない
須田)さらに、先週までの動きを見ていると、変異株について。東京で言われているものは、イギリス型、南アフリカ型のどちらにも該当しない変異株で、どうやら感染力が強いという指摘もあるのだけれども、これに対しての情報が弱過ぎる。ゲノム検査をしている国立感染症研究所が情報を発信しないのです。ですから、新しいウイルスを自治体ベースで感染症研究所に送っても、その結果が出るまで数週間かかるというのは、あまりにも遅過ぎるだろうと。国立感染症研究所がきちんとワークしているのかどうか。そこでリスクが高まっているのであれば、情報発信するなり、政府と情報を共有して対応を練るなりするべきだろうと思います。
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