ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月16日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。野党4党が提出した菅内閣への不信任決議案が反対多数で否決されたニュースについて解説した。
菅内閣不信任決議案~反対多数で否決
立憲民主党など野党4党が、「新型コロナ対策で失策を重ね、国会を閉じるのは無責任の極みだ」などとして提出した菅内閣の不信任決議案は6月15日、衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの反対多数で否決された。
飯田)自民党の二階幹事長は「不信任が出たら、解散を進言するのだ」とおっしゃっていたのですが、総理は解散には踏み切らなかったと。新型コロナ対策、特にワクチン接種を優先するということも言われております。
高橋)菅総理は以前からそう言っていますのでね。ワクチンが十分に行き渡る前にやるはずがないでしょう。そんなことをしたら言行不一致になってしまいます。だから既定のことをするのだと思いましたけれど。かなり前にこのスケジュールを言いましたよね。
9月28日公示、10月10日投開票というスケジュール~その理由
飯田)6月16日の読売新聞の一面トップで、
『首相、9月中に衆院解散で調整…総裁任期中』
~『読売新聞オンライン』2021年6月16日配信記事 より
……という記事が出ておりますが。
高橋)簡単にわかるでしょう、予定は。
飯田)ウェブ記事で高橋さんは、先週の頭くらいに。
高橋)言っていますよ。こんなものは簡単です。9月5日までがパラリンピックで、6日に臨時国会を開きます。その後におそらく大型の補正を組みますよ。10日くらいかかるのかなという感じですね。
飯田)衆参合わせて10日くらい。
高橋)それくらいかかると思いますけれどね。
飯田)営業日で言うと2週間程度。
高橋)そうすると9月28日に公示でしょう。そのとき国会は開いているので解散が言えるわけですよ。補正予算も終わったあとに解散を言って、そこから考えると9月28日公示、10月10日投開票ということが簡単にわかりますね。
飯田)これが暦の上でもいいと。
高橋)9月28日は大安で、10月10日は先勝ですからね。その辺の日程を見ていたら縁起を担ぐに決まっているから、このスケジュールしかないでしょう。10月17日は友引だから、この日にすることもできますが。
飯田)10月17日は友引。
高橋)でも早くやった方がいいに決まっているでしょう。ワクチンはそのころになると、「これ以上効果が期待できない」というくらい打てるのです。「オリンピック・パラリンピックの熱気が冷めないうちに」ということになると、9月28日公示の10月10日投開票になります。
増える職域接種~接種券なしでもワクチンを打つことができる
飯田)ワクチンに関しては諸外国の例を見ると、4割くらい打てば集団免疫の効果が出て来るようです。
高橋)いまのペースでやって、これから職域接種が増えて来ます。職域は接種券なしでもOKです。接種券が多分ネックになるから、紙でなくてもいいのではないかと私は言っていますが、職場はなくてもいいようです。
飯田)ウェブ上でダウンロードして、プリントアウトでもいいではないかとおっしゃっていましたが。
高橋)職域だったら別にそこまでしなくてもOKでしょう。
飯田)その特例を認めるのは、職域の場合は個人の接種履歴等の管理ができるからということです。
高橋)自治体が紙で郵送するから時間がかかるのです。そこがネックになるのではないかと思っていたら、職域の話でこれは解消されるでしょうね。
職域接種も含めてワクチン接種が進めば10月には風景が変わる
飯田)少し前までは職域接種となると、「大企業優遇ではないか」ということも言われていましたが、最近は中小企業も連合でやると。
高橋)集めてもいいのですよ。実務上の話としても、ある程度人がいないと多少やりづらいと思います。ワクチンを持って行くのに、少人数では大変でしょう。
飯田)解凍してしまうと何日かで終わってしまう。
高橋)職域で積極的にやって行けば、ワクチンの接種券の話も解消するし、順調に行けば、オリンピックまでに接種率は増えると思います。ましてや10月になれば、「そんな騒ぎがありましたか」というくらいに風景が変わりそうな気がします。
経済もいよいよ回る
飯田)そうすると経済の部分も回り出す。
高橋)それはそうでしょう。飲食がOKになるし、「ワクチンを打った人は飲食代を安くする」などというセールスも始まると思います。
飯田)ワクチンを打った証明を見せてくれれば。アプリか何かで。
高橋)そういう感じになるのではないですか。資本主義経済というのはそういうものです。
飯田)各々が工夫をし出すと。
特別会計の繰り越しを合わせれば補正予算を打たなくても間に合う
飯田)そうやって経済が活性化して行くところに向けて、補正予算も狙いを定めて行くのですか?
高橋)それはそうでしょう。野党は補正予算を今国会で伸ばしてどうのこうのと言うけれども、まだ少し予備費が余っているから、伸ばさなくても当面は大丈夫なのですけれどね。
飯田)4兆円ほど残っていますよね。
高橋)少しは大丈夫でしょう。特別会計の繰り越しもあるから、そこそこ出せると思いますよ。
飯田)予算に関わる部分の繰り越しはできないけれども、特別会計はできる。
高橋)できるから、補正を打たなくても10月のときのもので間に合うかなと思いましたよ。
融資系はほとんど特別会計
飯田)特別会計というのは、例えばどういうものに?
高橋)融資系はほとんど特別会計です。
飯田)中小企業などの資金繰りで、無利子・無担保で貸し付けるというのは。
高橋)あれは特別会計です。一般会計だけ見ていると使い切らなくてはいけないのだけれども、予算を組むときに特別会計も入っていて、両方見ていないといけません。両方見ていると、「数ヵ月は泳げるかな」という感じでしたから。それを見て、これはもう補正延長しないで秋にやるのかなと。そうすると先ほどの総選挙と近くなって、全部辻褄が合うでしょう。
飯田)確かに、9月の第2週くらいに国会が開いて、補正をやるとなると、大体1ヵ月くらいタイムラグがあると言われますけれども、10月の頭くらいに……。
高橋)全部が「ピシャッ」とハマってしまうという感じなのです。だから先ほどのスケジュールを思い切って言えるのです。
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