ヨット太平洋単独無寄港横断に成功したキャスターの辛坊治郎が、“恩人”について語った。
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4月9日午前9時17分に大阪府岬町の淡輪ヨットハーバーからKaorinV(カオリンファイブ)号でヨット太平洋単独無寄港横断に出航した辛坊治郎が、日本時間の6月17日午前9時52分(現地時間16日午後5時52分)、アメリカ・サンディエゴのシェルターアイランドのヨットハーバーに到着し、無事、ゴールを果たした。
入国審査を終え、無事、アメリカ上陸を果たした辛坊治郎は、ニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』での生中継で、「いやぁ、着きました。ありがとうございます。70日間かかりました」と第一声。また、現地時間6月16日はチャレンジに失敗した8年前の太平洋横断の出発日であったことに触れ、「小名浜を出てちょうど8年で着いた感じ。気持ち的にはなんか8年間ずっと漂流を続けていた気持ちだった。やっと今日で漂流が終わった感じ」と改めてマイクの前で語った。
そしてこの日、自身の番組であるニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』にも出演した辛坊は疲れを全く感じさせず元気に70日間に及んだ航海を振り返っていった。
この中で、東京のスタジオの増山さやかアナウンサーから「すごく気になっていたのが、辛坊さん、守り神として船の先端に『鬼滅の刃』の禰豆子ちゃんの人形を付けていったじゃないですか。フィギュアヘッドをご自分で付けたんですよね。あれは……?」との質問が出た。フィギュアヘッドとは、帆船の船首につけられる女神像などの装飾品のことである。
さて、禰豆子フィギュアヘッドはどうなったか?
「禰豆子ちゃんをかまぼこ板に張り付けて、そのかまぼこ板を船の前に接着剤で留めていたんですが、航海中は怖いから見なかったんです……」
このように切り出した辛坊。そして、その航海中の状況から説明を始めた。
「日本近海で嵐、4つ遭遇してるんですよ。60ノット、60ノット、60ノット、65ノットで最後のは台風2号崩れの低気圧が再発達したやつです。920hPaぐらいまで発達して私の通ってた海域で65ノットっていうとんでもない風が吹いてるんですよ。私は生き延びたんですが……」
そして辛坊は、到着後、確認しにいったという。
「で、今日、船のもやいを解いたあと(フィギュアヘッドを)見に行ったら、かまぼこ板だけが残ってました」
残念な形ではあるが、辛坊はポジティブにとらえた。
「65ノット吹いたときに、多分それで耐えきれなかったかもしれないんですが、私は生き延びたんで、禰豆子ちゃんが身代わりになってくれたんだと思います。
嵐のなかで生き延びることができたのは、禰豆子のおかげもあるのかもしれない。
日本への帰国は、“恩人”禰豆子のいないKaorinV号での航海になるが、海の中から見守ってくれているであろう。“復路”からも目が離せないが、何よりも万端な準備と安全な航海を!