ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月13日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。行動制限の緩和に向けた出口戦略について解説した。
19都道府県で緊急事態宣言延長、全国知事会が国への緊急提言まとめる
9月13日から19都道府県で緊急事態宣言が延長されることを受け、全国知事会は11日にオンラインで会合を開き、国への緊急提言をまとめた。政府が新型コロナウイルス対策として9日に決定した行動制限の緩和については、自治体との協議の場を設けるよう求めている。
これからどういう形で出口へ向かって行くのか
新行)緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が9月30日まで延長となりました。出口戦略が具体的に検討される時期に差し掛かったと思います。江東区の“ワッキー”さんからメールをいただいています。「先週から行動制限の緩和についての議論が出ています。緩和を口にすることで、国民の気持ちが緩むのではないかとも言われていますが、段階的に行動制限を緩和することは、必ず必要になる議論です。個人的には遅いくらいだと思っています。ワクチン接種が進んだときにどうするべきか、具体的に考える時期だと思います」ということです。
須田)これまでと違い、ワクチン接種が進んでいるなかでの緊急事態宣言です。ワクチンによって、一定程度の効果や成果が出て来ている。ワクチン接種が先行して進んでいる高齢者層に関しては、感染者のうちの5%程度です。そういう意味で言うと、ワクチン接種は先行国であるアメリカでも特にそうなのですが、重症化を防ぐ、発症を防ぐという部分には、十分な効果があるということがわかって来たわけです。では、これからどういう形で出口へ向かって行くのか、その出口戦略をきちんと描くということが、必要なのだろうと思います。
ワクチン接種証明や陰性証明の活用~政府が方向性を決めるべき
新行)菅総理が9日の記者会見で、緊急事態宣言の地域であっても、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用して制限を緩和して行くと表明しました。
須田)これがワクチンパスポートという発想になるのですけれど、誤解していただきたくないのは、ワクチンを接種していないからといって、何らかのペナルティを課せられる、不利益を被るものではありません。ワクチンを接種した人に対して、「少しプラスアルファの部分を提供しましょう」と。ワクチンを接種したことによって、経済活動の再開や社会復帰に向けて行動制限を緩和して行こうということなのです。最近、タクシーに乗りますと、「このタクシーの乗務員はワクチン接種済み」と掲示しているケースが出て来ています。
新行)そうなのですね。
須田)そうやって、勝手に民間の方が出口戦略に向かって行ってしまうと、統制が取れなくなってしまいます。その辺りは、政府が方向性や段取りを決めるべきだろうと思います。
政府は出口戦略を決めて実行するべき
新行)海外でも、出口戦略はさまざまあると思いますけれど、海外での事例で参考にできる部分はあるのですか?
須田)アメリカやヨーロッパでも、飲食店などに規制をかけていたわけです。しかしワクチン接種が進んだことによって、例えばニューヨークでは、それまで食事は屋外のみで屋内に人は入れなかったのが、屋内にも入れ始めています。
新行)ニューヨークでは。
須田)入れるにしても、カウンターで1人の客に対しては100%オッケーなど、きめ細やかな緩和の方向に動いています。そのような先例を見て、日本も導入できるところは導入して行くべきです。実証実験という形を取ることも考えられると思います。問題が発生すれば、元に戻せばいい話ですから。
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