ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月13日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。自民党総裁選に対する野党の動きについて解説した。
野党4党が衆院選での共通政策を締結~国民民主党が加わらないことがポイント
自民党総裁選挙は岸田前政調会長、高市前総務大臣に加え、河野規制改革担当大臣が立候補を表明している。一方、立憲民主党の枝野代表は9月11日、「総裁選よりコロナ対策が重要だ」と東京都内で街頭に立ち、訴えた。
新行)自民党総裁選、先週は各候補がさまざまなメディアに出演していましたが、野党にも動きがありまして、9月8日には立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党が衆院選で訴える共通政策を締結しました。今後、候補者の一本化などの選挙協力も進んで行くということですか?
須田)野党の選挙協力が進んでいますが、国民民主がここに加わらなかったというのが1つのポイントになると思います。
新行)国民民主党が。
須田)国民民主党は「バックに連合が付いている」とよく言われますが、実質には、メーカーなどの大手民間労組が控えている。そういう国会議員が多いのです。
新行)大手民間労組。
須田)「選挙協力や野党共闘に参加するのですか?」と、ある大手メーカーの委員長に聞いたのですが、「いやいや須田さん、我々がウルトラレフトの連中と一緒にできると思いますか?」と言っていました。やはり大手の民間労組というのは、憲法改正などについても前向きなのですよ。
新行)憲法改正にも。
須田)終戦直後とは違うのだから、いまの国際情勢にあった形で憲法を改正して行こうではないかと、現実路線を取っている。しかし「憲法改正は絶対にダメ」というのがいまの野党共闘でしょう。
新行)そうですね。
須田)今回の野党共闘は、「安全保障法制を廃止する」ということを旗印にしている市民連合が仲立ちになっているということです。そうすると市民連合を含めて、みんな憲法改正は大反対、特に9条改正は反対という状況にあるわけです。国民民主党サイドからすると、「乗れないよね」と言えるところがあるのだろうと思います。とは言っても、「乗るか乗らないか」で大きく影響するのか言うと、これも影響しません。
衆院選は菅体制で来ると見込んでいた野党の大きな誤算~菅体制ならば議席が獲れる
須田)国民民主党も、それだけ大きな支持率を持っているわけではありませんから。今回の野党4党の連合によって、一枚岩でまとまって選挙戦の展望がついているのかと言うと、野党は大きな見込み違いがあったのです。菅体制、自民党が菅さんを看板にして選挙に立つのであれば、いいところまで行くのではないかと見ていたのです。
新行)そこそこ獲れるのではないかということですか?
須田)政権交代までは望めないにしても、かなり勝てるのではないか、議席が増えるのではないかと。立憲民主党、共産党が候補者調整をして、お互いの票をやり取りすれば、獲れるのではないかという望みがあったのですが、これが「ガラリ」と変わってしまいました。
新行)そうですね。
須田)菅さんが出ないということになって、「話が違うぞ」と、いまは逆ギレ状態になっている。
新行)焦っているということですね。
盛り上がる自民党総裁選に野党の焦り
須田)まだ告示にもなっていないのに、これだけ自民党総裁選が盛り上がっているではないですか。連日メディアジャックのような状況になっています。17日に告示されて、29日までこの状況が続くとなると、野党は完全に埋没してしまいます。総裁選が中心になり、「誰がいいのだろうか、どんな候補者が出て来るのだろうか」ということになっていて、野党の印象が日に日に薄らいでいる。11日には、焦った枝野さんが街頭演説をやっています。
新行)そうなのですか?
須田)何回かやりましたが、そういう状況です。知らない人が多いのです。
新行)私も知らなかったです。
「政権発足後、初閣議で直ちに決定する事項」7つのうち4つは安倍、菅政権のスキャンダルの究明
須田)いろいろ仕掛けをつくっているのだけれど、なかなかメディアの注目を集めることができず、焦っています。また立憲民主党は、「政権発足後、初閣議で直ちに決定する事項」という7項目を挙げていました。どんな項目が出て来たのかなと見てみたら、7つのうち4つは安倍、菅政権のスキャンダルを暴くということです。
新行)そうですね。
須田)政権を獲ったら、森友・加計問題、桜問題の真相解明チームをつくると。「そこですか? もう終わった話ではないの?」というようなことです。有権者がどれだけそこに興味を持っているのか、読み切れていないのかなと思いますけれどね。
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