アメリカの分断を生んでいる「不正選挙」と「反ワクチン」
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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(9月14日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。アメリカの分断について解説した。
同時多発テロから20年、アメリカの分断
アメリカでは9月11日、同時多発テロから20年の節目を迎え、各地で追悼式典が開かれた。バイデン大統領はビデオメッセージのなかで、「私たちは国の団結力を見た。団結こそ決して壊れないものだと学んだ。それが私にとって9.11の教訓だ」と述べ、分断が深まる国民に対し、団結を呼びかけた。
新行)いまのアメリカの状況は、どうなっているのかというところなのですが。
奥山)アメリカ同時多発テロから20年が経ちました。あのテロの直後からアメリカは団結をしたのだと、ブッシュさんやバイデンさんが言っていますが、団結をしてタイトル戦を始めてしまったのです。しかし、その団結から20年が経ち、アフガニスタンに駐留していたのが、戦争が嫌だということで撤退してしまった。そのあと、アメリカ国内が分断していると。
新行)アメリカ軍はアフガニスタンから撤退しました。
共和党のなかの分断
奥山)特に気になるのは、共和党です。アメリカは共和党と民主党の2大政党が動いていますけれども、いまはバイデンさん率いる民主党がアメリカ与党としてやっています。トランプさんがいる共和党は保守的な人たちが集まっているのですけれども、保守側である共和党に分断が起こっている。それが私は心配です。
新行)共和党のなかの分断。
「反ワクチン派」の存在~共和党に入り込む
奥山)反ワクチンというのが1つの大きなテーマになると思います。アメリカには、反ワクチン的な運動をされている方が多く、草の根で昔からやっているのです。2大政党は民主党・共和党なのですが、それ以外に、「反ワクチン党」のような第3党をつくろうとして、政治運動をしたらしいのです。
新行)反ワクチン派の人が。
奥山)しかし、いまから5~6年くらい前に、「それは無理だな」と。民主党と共和党は強いよねということで、反ワクチン派の人たちは第3党になるのではなく、「どちらかの党に入り込もう」という方向に戦略を変えたらしいのです。
新行)なるほど。
奥山)そして共和党に行ったわけです。アメリカの特殊な文化なのですけれども、共和党のなかには、「連邦政府が嫌いだ」という人たちがかなりいるのです。中央政府が嫌いだと。そして、「税金を払いたくないから、税金を払わない分、口出しもしないでくれ」と。「指図は受けたくない」という人たちがいるのです。
新行)指図は受けたくない。
奥山)そういう人たちが共和党に多いので、そこに反ワクチン派の人たちが入り込んで、「俺たちは自由が大事だ」と。そして連邦政府、中央政府から指図を受けたくないという人たちにアピールして、「我々は中央政府から指図を受けたくないので、ワクチンも受けたくない」という運動をし始めた。そうすると共和党の人たちは、「彼らの運動は票になるな」、「俺たちのことを支援してくれるではないか」ということで、「反ワクチン派を入れて行こう」という方向になったのです。そして反ワクチン派の彼らが、共和党をある意味で乗っ取ってしまったような形になり、大変なことになっています。いま与党である民主党は何とかまとまっていますが、共和党の方が壊れてしまっているのです。
アメリカの分断を生んでいる「不正選挙」と「反ワクチン」
奥山)アメリカの分断について、1つは先ほどの反ワクチン派が入って来たという問題なのですが、もう1つは不正選挙です。トランプ大統領をはじめとする人々が、「不正選挙が起こった」ということを言い続けている。アメリカの分断を生んでいるのは、不正選挙であり反ワクチンであるということが言えるのだと思います。
新行)新型コロナウイルスの影響もあって、分断がさらに進んでいるというところでしょうか?
奥山)そういうことですね。そうすると、アメリカを敵としてまとめ上げてくれる存在が必要なのではないかと考えています。そしてアメリカをまとめ上げてくれるのは、中国しかないのかなと思っている部分はあります。
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