各国と政治的関係を増やす台湾 ~蔡英文総統が仏上院議員団と会談

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月8日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。台湾の蔡英文総統のフランスの上院議員団との会談について解説した。

各国と政治的関係を増やす台湾 ~蔡英文総統が仏上院議員団と会談

台湾の蔡英文総統(台湾・台北)=2020年8月12日 EPA=時事 写真提供:時事通信

中国機の防空識別圏侵入はあくまで威嚇

台湾の蔡英文総統は10月7日、総統府でフランス上院の議員団と会談し、「圧力に負けず、台湾を訪れたことに大変感動している」と強調したうえで、「台湾は国際社会の一員としての責任を果たし、フランスと一緒に世界の平和に貢献したい」と話した。

飯田)台湾の蔡英文総統が、フランスやオーストラリアの要人と会談したということです。台湾をめぐって、このところ防空識別圏に大量の中国機が侵入しています。

宮家)中国人民解放軍があのようにあからさまに動くときは、本当の軍事的活動をしようとしているのでは必ずしもないと思います。何らかの形で威嚇して、台湾に接近する動きをやめさせようとしているのだと思います。中国からすれば、「一つの中国」ですから、台湾の問題は一丁目一番地です。台湾問題に下手に手を出して、台湾が独立するなどと言い出したら、中国としても武力を使わざるを得ないですからね。

飯田)あくまでも威嚇であると。

宮家)アメリカ、イギリス、オーストラリアでつくった軍事同盟AUKUS(オーカス)、そして日米豪印のクアッド。どちらも首脳レベルで、しかも後者の場合は対面で首脳会合を行いましたが、中国はそうした動きを見て一種の攻勢をかけて来たということです。AUKUS発表の時も直ちにTPP加盟を申請してカウンターを狙っているわけです。

各国と政治的関係を増やしている台湾 ~日本も付き合い方を考えなくてはいけない

宮家)台湾の状況を見ていると、台湾としてはさまざまな国と徐々に政治的な関係を増やして行くのでしょう。アメリカは既に閣僚レベルが行っているはずです。ヨーロッパでも中国の反対を押し切って、チェコの上院議長が訪問していますね。

飯田)今度はオーストラリアのアボットさん、それからフランスの上院議員です。

宮家)台湾としては、少しでも多くの理解者を増やしたいということなのでしょう。いずれ日本も台湾との付き合い方を考えなくてはいけない時期が来るかも知れません。

飯田)そうですね。

宮家)日中国交正常化のときの共同声明で一定の枠はあるわけですけれども、その枠のなかで「非政治的な関係を強化する」ということは十分可能だと思います。非軍事的、非政治的なところで台湾と協力するというのは決して間違いではないと思います。もちろん時間はかかると思いますが。

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