「IOCが中国共産党のやり方に加担しているという批判も」中国テニス選手問題を辛坊治郎が解説

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キャスターの辛坊治郎氏が11月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。所在不明だった中国のテニス選手彭帥さんがIOC国際オリンピック委員会のバッハ会長とビデオ通話で会話したという事象について解説した。

「IOCが中国共産党のやり方に加担しているという批判も」中国テニス選手問題を辛坊治郎が解説

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長とテレビ電話で会話する中国の女子プロテニス選手、彭帥さん=IOCが2021年11月21日提供 AFP PHOTO / IOC / INTERNATIONAL OLYMPIC COMMITTEE / GREG MARTIN AFP=時事 写真提供:時事通信社

中国のテニス選手彭帥さんが、前の副首相から性的暴行を受けたと告発したあと、安全が危ぶまれていた問題で、国営メディアは11月21日、彭さんが北京のテニス大会にゲストとして登場したとされる映像をツイッターに投稿した。また、バッハ会長が彭帥さんと30分間のビデオ通話で無事を確認したことも発表した。

辛坊)ちょっとここへ来て、やはりIOCに対する批判はだいぶ高まっていますよね。というのは、中国政府が主張したいことをIOCが裏書する形になっていますから。

増山)はい。

辛坊)となると、「え? IOCって中国共産党のやり方に加担してるの?」というか、「中国の宣伝材料に使われていない?」と。IOCとしてはやはり冬のオリンピックを無事やりたいという思いがありますから、いまこうやって中国に対する国際的批判が高まってきてですね、国によってはオリンピックのボイコットはしないけれども、政治家が開会式に行ったりするのはやめようじゃないかという動きがヨーロッパで出始めているくらいですから。そうするとIOCとしては、まぁ正常にやりたいと。スポンサーとか、アメリカのテレビ局とかいまのオリンピックを支える構図の全体像を維持するためには、どうやったって平和にやりたいと。だから今回の彭帥さんの問題がきっかけになってオリンピック自体、中国でオリンピックやること自体に批判が高まってオリンピックに傷がつくと、IOCにとってもプラスにならないということで。

増山)はい。

「IOCが中国共産党のやり方に加担しているという批判も」中国テニス選手問題を辛坊治郎が解説

中国の女子プロテニス選手、彭帥さん(オーストラリア・メルボルン) AFP=時事 写真提供:時事通信

辛坊)今回の彭帥さんの件の火消しに走っているわけですが、それIOCがやることなの? というそういう目線ですね。それで批判が高まっていると。

増山)はい。

辛坊)ちなみに、今回の問題はいったい何かというと、発端は今月11月2日にSNSの個人アカウント、このSNSも中国の人がやっている、だから中国では普通の、我々が使っているようなツイッターとかは使えませんので、中国版の中国当局が認めるツイッターのようなものですね。これに、有名なテニスプレーヤーの彭さんが中国版のツイッターみたいなところに書いた。張高麗・中国前筆頭副首相……年齢はたしかいま70代、彭さんとの年齢差は40歳ですか。それで、同意のない性的関係を迫られた。これ、報道もさまざまで、性的暴行を受けたという書き方をしているところもあれば、不倫関係を告白したというところもあります。

増山)だいぶ違いますよね。

辛坊)だから難しいですけれども、その中国版ツイッターへの書き方としては、同意のない性的関係を迫られて、性的関係を重ねたみたいなニュアンスの書き込みだったらしいですが、書いて数分後に削除されます。

増山)はい。

辛坊)書いた数分後にそのツイート、正確にはツイッターじゃありませんが、一応ツイートという言い方にしますけれども、SNSの書き込みですね、そのツイートは一瞬で数分で削除された。だから中国では有名人のツイートとか全部ウォッチしている人たちがいるのですよ。

増山)常にね、本当ですね。

辛坊)常にウォッチして、なにか不規則発言等があったら消す! という。だから。本当に日本はいい国だなと思いますよ。日本がいい国なのか中国が特殊の国なのかというと、まぁ中国に類するような国は世界のなかでたくさんありますけれども、いわゆるその西側先進国としてはありえないですけれど、中国では普通にあります。だからそういうネット上の書き込み、全部、常にウォッチしている組織があるのですねこれが。でまぁすぐに消されたのですが、消されたってやはりいまのこういうご時世ですから、それだけ有名人のいわゆるツイッターアカウントのようなものだとフォローしている人がたくさんいますから一瞬で見ますよね。消されたって話題になります。

増山)そうですね。

辛坊)ただし、そのときに目撃して話題にした人たち以外は、いま中国では誰も知らないという状況です。

増山)はい。

「IOCが中国共産党のやり方に加担しているという批判も」中国テニス選手問題を辛坊治郎が解説

中国の女子プロテニス選手、彭帥さん(右)とテレビ電話で会話する国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長=IOCが2021年11月21日提供 AFP PHOTO / IOC / INTERNATIONAL OLYMPIC COMMITTEE / GREG MARTIN AFP=時事 写真提供:時事通信社

辛坊)だからいま中国は国際社会に対して彭さんをIOCのトップと、会談をさせるみたいなことで対外的なアピールは続けていますが、中国国内の人は一切知らされていないと。

増山)はぁ!

辛坊)その一事をもってしてもかなり異常な国だなあということがわかります。外に向けてはいっぱい報道されています。だから日本では昨日あたりのワイドショーでガンガン放送されていますから。

増山)もうね、どこもね。

辛坊)日本中誰もが知っていますが、中国では誰も知りません。そこがやはり異常だとは思いますが。で、この張高麗さんという人はどういう人かというと、いまの習近平体制が1期目スタートしたときに取り立てられて、この地位にのぼった人です。

増山)偉い人なのですね、かなり。

辛坊)偉いですね。25人の常務委員、これが中国の全権を司っているトップなのですが、習近平体制になって1期目のときにその位置に引きあげられて、それで確か年齢もあって、1期でやめているはずです。だからいまもう政界から去っているのですよ。だから現状の習近平氏にとったら、いまの現役の部下じゃないので、ダメージは少ないといえば少ないけど、でも中国の人にとっては、「ああ、この人は習近平氏が取り立てた人だよね」という目線は当然あるわけで、その彭さんとの関係がいつできたかに関しては明らかになっていないのですよ。そこまで言及していなかったみたいで、タイミングはわからないのだけれども、年齢からすると恐らく5年、この張高麗さんという人はそのポジションに留まっていますから、いまから10年ちょっと前から5年間、そのトップの前副首相の地位に留まっていたとすると、そのタイミングで起きたことだと解釈するのが普通でしょう。

増山)ええ。

辛坊)となると、習近平氏の意向を背景にそういうことをした政治家がいた。このことに関して一切不問で済むのかというと、当然のことながら国際社会もあり。彭さんがIOCのトップと電話会談したといったって、そんなものは周りの中国国内でやられている限り、そんなの本音なんか話せるはずないだろうというそういう目線もあり……

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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