ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。「憲法改正実現本部」の初会合が行われたというニュースについて解説した。
憲法改正実現本部、初会合
憲法改正に向け、自民党の「憲法改正実現本部」の幹部が初会合を開いた。本部長を務める古屋元国家公安委員長の他、安倍元総理や麻生副総裁らも出席し、国民の幅広い理解を得るため全国各地で必要性について丁寧に説明して行くことなど、今後の活動方針を確認した。
飯田)憲法改正「推進本部」から名前を改めたということですが。
本気で憲法改正をするのならば、スケジュールを決めるべき
高橋)ずっとやる気を問われているから、名前を変えたのだけれども、本当にやる気があるかどうかは、「スケジュールをつくるかつくらないか」ということに依存するのです。
飯田)スケジュールをつくるかつくらないか。
高橋)どこの会社だってそうでしょう? スケジュールがないということは、やらないということでしょう?
飯田)お尻が決まっていなかったら、話し合いのための話し合いでしかない。
参院選のときに国民投票をする ~トップがスケジュールを決めなければいけない
高橋)やりようがないのですよ。だから目標としてのスケジュールを決めないといけないのだけれど、スケジュールを決めないから、どこまでやる気があるのかわからないですね。来年(2022年)の7月に参議院選挙が決まっているでしょう。
飯田)そうですね。
高橋)維新の松井さんも言っていますが、そのときに国民投票をするのが最も簡単です。「スケジュールを決める」ということを上の人はやるべきです。
飯田)上の人が。
高橋)上の人がスケジュールを決めないと、下は動かないですよ。批判は受けるかも知れないですけれど、憲法改正を党是としている党だから、仕方ありません。憲法改正を党の目標としていないのであれば、スケジュールを決めなくてもいいのですが、目標としているならばスケジュールを決めないと話にならないでしょう。
飯田)そうですね。
高橋)国会の憲法審査会はいつもそうなのですけれど、スケジュールが決まっていないので、とうとうと自説を述べて終わりです。スケジュールを決めないと動かないのです。
緊急事態条項がないためにできない水際対策での措置 ~「要請」と「お願い」のみ
飯田)この70年以上、それで来たということですか?
高橋)そうでしょう。スケジュールを決めないから。
飯田)憲法改正の中身の具体的な話は、むしろコロナ禍だからこそ。
高橋)そうです。コロナ禍だからこそ、緊急事態条項がないと実際に水際措置ができないということになるわけです。海外から入国したら、何日間か待機しなくてはならない。抜けて出たときにどうなるかという話ですけれどね。海外であれば逮捕です。
飯田)そうですね。その代わり、不自由を強いるということなので、感染状況がよくなれば即座にそれをやめたり、メリハリをつけられます。
高橋)日本だと「お願い」ですから。「こういうことでいいのでしょうか」と思うのが普通ですよね。それであれば、具体的にスケジュールを決めてもらわないといけません。
飯田)今回のコロナ対策も、一方で自粛であるとか、営業の中止を要請と。
高橋)「要請」、「お願い」ばかりです。
海外在留邦人が帰国できず混乱 ~日本到着便の国際線の新規予約停止要請
飯田)「憲法の『営業の自由』にかかるのではないか」という話が一部からは出て来るのですけれど、「憲法を守れ」という人たちからは出て来ない。
高橋)出て来ないのが不思議です。先日、国際線で新たな予約を停止するよう航空会社に要請してしまって、海外在留邦人が帰国できないということがあったではないですか。そうなって初めてわかるのです。海外にいる人が何万人もいて、帰れなくなって大変だという話になる。
飯田)移動の自由を制限しているではないですか。
高橋)あれはまずいですよ。
飯田)憲法違反ではないかと。
それでも憲法改正はしない
高橋)そういうことは議論に出て来るのですが、憲法改正はしないのです。スケジュールを立てていないから、私からすると、「どこまでやる気があるのですか?」 と思います。
飯田)憲法を変えずに解釈で来たというところと、その先の「成文憲法がなく、空気感で日本はやっているのではないか」というような指摘もありますが。
高橋)政治家ですから、ある程度は批判を受けてもらいたいですが、「まずはスケジュールをつくれ」という批判を受けたら、「それについて考える」と言うくらいはしてくれないと困ります。「やる」と言っても、「いつまでにやるのですか?」ということです。
飯田)結局そうなると議論に本腰も入らないし、論点もいつまで経っても明らかにならないと。
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